また、昨年はチーム監督として全体を俯瞰する立場にあった次生アンバサダーは主に8号車担当として、そして関口チームコーディネーターは主に7号車担当として、ドライバーならではの視点でチームをバックアップすることに専念していることも、いい効果を生んでいるようだ。
「エンジニアではできないようなことを、僕と関口くんでカバーしている形です」と次生アンバサダーは説明する。
「昨年僕は監督だったので、ある程度全体を見なくてはいけなかったのですが、いまはすごくピンポイントで見ることが仕事になっていて、ドライバーは多分やりやすくなっていると思います。良い形で今年はチームが回っていると思いますね」
セッション中の次生アンバサダーの仕事は、タイミングモニターや公式アプリ『SFgo』を常にウォッチすること。「練習とか予選とかでは、常に他のクルマについて気づいたことを書き取っておいて、それをエンジニアやドライバーに伝えています」。
「決勝では主に(ライバルの)タイヤの状況やその温度、あとはオーバーテイク(システムの使用)の状況だったりを見て、ドライバーが欲しいデータをとにかく常に(無線で)伝えてあげる。あとはセクタータイムを常に追っかけていて、どこが勝っている・負けているというのを入念に見ていますね。関口くんも昨年まで乗っていたので、その感覚も含めてみんなで共有できるのは、結構大きいんじゃないかと思います」
なお、SFgoでの他車の無線については「結構タイムラグがあるので、あまりあてにはしていない」。そして「フリープラクティスでは10画面」でライバルの動向をチェックしているという。走行時間が限られる反面、アプリの充実化などもあって多くの“情報”が飛び交う昨今のスーパーフォーミュラの現場では、それをウォッチし、判断できる環境や人材の重要度も、飛躍的に増している。
