野尻が2位、岩佐は3位で表彰台獲得

 7月19日(土)、梅雨が明けた富士スピードウェイ(静岡県)で全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)第6戦が開催され、#16 野尻智紀(TEAM MUGEN)がポールポジションを獲得。自身のポールポジション最多記録を23に伸ばしました。決勝レースでは#16 野尻は2位に入賞し、3位に入ったチームメート#15 岩佐歩夢(TEAM MUGEN)とともに表彰台に立ちました。

■第6戦予選

 今大会は18日(金)に2回のフリープラクティス、19日(土)に第6戦の公式予選および決勝、20日(日)に第7戦の公式予選および決勝が行われる、1大会2レース制での開催です。

 19日(土)は快晴となり気温が28℃、路面温度は38℃と夏らしいコンディションで、9時10分にスタートした公式予選は、予選Q1 Bグループのコースイン時にピットロード出口の信号機に不具合が生じたため、スケジュールが10分遅れとなりました。#16 野尻、#6 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、#64 佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)、#15 岩佐、#65 イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)、#5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、#50 小出峻(San-Ei Gen with B-Max)の7人がQ2に進出しました。

 Q2セッション開始時には、気温31℃、路面温度は43℃に上昇。#16 野尻は、前回の第5戦オートポリスで課題となっていたリアのグリップが改善され、1分22秒417でポールポジションを獲得しました。自身が持つスーパーフォーミュラでのポールポジション最多回数記録を23に更新しています。#15 岩佐は5番手、 #5 牧野が6番手、#65 オオムラ・フラガが8番手、#64 佐藤が10番手となりました。

その差0.021秒。スーパーフォーミュラ第6戦富士は野尻智紀が坪井翔を僅差で下し通算23回目のポールポジションを獲得
野尻智紀(TEAM MUGEN) 2025スーパーフォーミュラ第6戦&第7戦富士

■第6戦決勝

 19日(土)15時15分、36周で競われる第6戦決勝レースを前に、気温は33℃、路面温度は49℃という、タイヤにとって厳しいコンディションとなりました。

 #16 野尻が好スタートを決めトップのまま第1コーナーに飛び込み、5番手スタートの#15 岩佐が4番手、続いて8番手スタートの#65 オオムラ・フラガが5番手までポジションアップに成功。首位を維持した#16 野尻は2番手スタートの#1 坪井翔(トヨタ)にテール・トゥ・ノーズで攻め寄られます。#1 坪井は2周目に入るホームストレートでオーバーテイクシステムを使い、#16 野尻のスリップストリームに入ると、第1コーナーで一気に抜き去りました。

 #16 野尻は#1 坪井を追いかけるものの徐々に離され、3番手の#8 福住仁嶺(トヨタ)が接近してきます。さらに背後では、#15 岩佐、#39 大湯都史樹(トヨタ)、#65 オオムラ・フラガ、#5 牧野が1秒以内の間隔で続き、隙をみせれば順位が入れ替わってしまう緊迫した展開に。

 ピットウインドウである10周を終えると、#8 福住、#5 牧野、#51 小出らがピットに入ります。#16 野尻は#8 福住のアンダーカットを阻止する作戦で翌11周目にピットイン。狙い通り#8 福住の前でレースに復帰したものの、トップを走る#1 坪井とのギャップは65秒以上に広がっていて、これを40秒程度まで縮めないと首位を奪い返せない状況となりました。

 ニュータイヤを装着した#16 野尻は好タイムを連発し、22周目には#1 坪井との差が38秒まで縮まり、アンダーカット作戦成功の可能性が見えてきました。そして23周目に#1 坪井がピットインすると、#16 野尻はホームストレートを駆け抜け、事実上のトップに立ちました。

 しかし、ニュータイヤに交換した#1 坪井のペースは#16 野尻を上回ります。猛然とペースアップする#1 坪井は、10秒以上に広がっていた#16 野尻との間隔を一気に縮めます。26周目、ついに#16 野尻は#1 坪井にかわされ2番手に後退しました。

 その一方で、#15 岩佐は21周目にタイヤ交換すると好タイムを重ね、25周目に事実上4番手を走行する#5 牧野をオーバーテイク。3番手#8 福住を追いかけ、31周目の第1コーナーでオーバーテイクシステムを使ってアウトから抜き、#15 岩佐が3番手にポジションアップします。この段階で2番手#16 野尻と3番手#15 岩佐の間隔は2秒911。タイヤにもオーバーテイクシステム使用時間にも余裕のある#15 岩佐は、じりじりと#16 野尻に近づき2番手を狙います。

 しかし#15 岩佐の追撃は0秒535まで迫ったところで終了。#16 野尻は2位、#15 岩佐は3位に入賞し、TEAM MUGENの2人が表彰台に立ちました。5位に#5 牧野、9位に#65 オオムラ・フラガ、10位に#6 太田が入賞し選手権ポイントを獲得しています。

 第6戦を終え、シリーズランキングは、#5 牧野が2番手、#6 太田が3番手、#16 野尻が4番手、#15 岩佐が5番手、#65 オオムラ・フラガが7番手、#64 佐藤が8番手となりました。

●野尻智紀(TEAM MUGEN)

「ポールポジションからスタートして、第1コーナーはトップを守りましたが、そこからの競り合いで抜かれてしまいました。もう少しやれることはあったかな、とは思います。ただ、今週の決勝ペースを考えると、厳しかった印象もあります。力をつけてもう少し頑張っていかないと、今の坪井選手には一気に流れを持っていかれそうです」

「目標としていながらやり残したこともあって悔しさはありますが、少なくともライバルが見える位置にはいるので、もう少しで追いつけるという手応えもあります。レースではなにが起こるか分からないので、第7戦では優勝を狙って頑張りたいと思います」

全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦・第7戦富士開幕。フリー走行1回目は阪口晴南がトップタイム
野尻智紀(TEAM MUGEN) 2025スーパーフォーミュラ第6戦&第7戦富士

太田が逆転優勝、岩佐は2位表彰台獲得

 7月20日(日)、富士スピードウェイ(静岡県)で全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)第7戦が開催されました。#6 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が見事に逆転勝利し、前日の第6戦で3位表彰台を獲得した#15 岩佐歩夢(TEAM MUGEN)は2位で2日連続の表彰台を獲得。Honda/M-TECユーザーの1-2フィニッシュとなりました。

■第7戦予選

 20日(日)10時10分から開始された公式予選は、気温30℃、路面温度46℃とタイヤの負荷が案じられるコンディションでした。Q1 A組トップタイムの#64 佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)、2番手#15 岩佐、5番手#5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、B組トップタイムの#6 太田、2番手#16 野尻智紀(TEAM MUGEN)、4番手#65 イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)がQ2に進出しました。

 Q2は、出走全12台が0.5秒以内にひしめき合う激戦となり、#6 太田が2番手タイムを記録、3番手#64 佐藤、5番手に#15 岩佐。前日に2位表彰台を獲得した#16 野尻は、7番手タイムを記録したものの走路外走行ペナルティーでタイムが抹消され、Q2最下位の12番手になり、#65 オオムラ・フラガが7番グリッドに、#5 牧野が9番グリッドに繰り上がりとなりました。

■第7戦決勝

 決勝レース(41周)は、全競技車両に搭載されている計測器の障害対策作業が発生したため、42分遅れでスタート。2番グリッドの#6 太田が鮮やかなスタートを決め、ポールスタートの#1 坪井翔(トヨタ)をかわすと先頭で第1コーナーに飛び込みます。両者のオープニングラップでの激しいバトルは続き、#6 太田は第13コーナーでアウトから#1 坪井にかわされトップを奪われますが、その後も#1 坪井から1秒以内の間隔を保って反撃のチャンスをうかがいます。

 第7戦は、タイヤ交換のためのピットインはどのタイミングでも可というレースフォーマットです。1周目からピットインする車両も出る中、上位陣は相手の出方を探る緊迫した展開に。しかし18周目にタイヤが脱落してコース上で停止した車両があり、セーフティカー(SC)が介入すると、上位陣は一斉にピットインしてタイヤ交換を行います。このタイミングでトップに立ったのは、7周目を終えた時点でタイヤを交換していた#15 岩佐でした。ステイアウトした#15 岩佐は、コースインする#1 坪井の前に出ると、SC先導のまま#1 坪井、#6 太田を従えて周回を重ねます。25周目にレースが再開されると、首位の#15 岩佐はリスタートで#1 坪井を引き離しにかかりますが、#1 坪井も猛然と追い上げ#15 岩佐とサイド・バイ・サイドの戦いを繰り広げます。

 一方でニュータイヤを履きオーバーテイクシステム(OTS)の使用時間にも余裕がある#6 太田は、激しく首位を争う前2台がOTSを使い果たすのを待つ作戦に出ます。31周目、#15 岩佐とのバトルで消耗した#1 坪井をOTSを利用して追い抜くと、その勢いのまま照準を#15 岩佐に合わせます。33周目の第1コーナーで#15 岩佐をオーバーテイクしついにトップに立った#6 太田は後続を引き離し、41周を走りきって優勝。2位でゴールした#15 岩佐とともに、Honda/M-TECユーザーのワン・ツー・フィニッシュを飾りました。

 3番グリッドからスタートした#64 佐藤は中盤まで表彰台圏内で争い、5位でフィニッシュ。しかし、SC先導中のオーバーランにより、終了後5秒加算ペナルティを受け6位になりました。#5 牧野は9位入賞で、それぞれ選手権ポイントを獲得しています。

 第7戦終了時点のシリーズランキングは、#6 太田がトップから3点差の84点で2番手、#5 牧野が73点で3番手となっています。

レース終盤の激アツバトルを勝ち抜いた太田格之進が第7戦を制し今季3勝目! 岩佐歩夢が2位、坪井は3位
太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING) 2025スーパーフォーミュラ第6戦&第7戦富士

●太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

 第6戦は悔しい思いをしましたが、チャンピオン争いをする上で第7戦は非常に大事だと考えていて、昨日帰る時から明日は絶対勝つと自分に言い聞かせていました。今日は予選、決勝としっかりまとめられたと思いますし、速さだけではなくて、ガチンコで坪井選手と戦って、競り勝てたので本当にうれしいです」

「SC明けで坪井選手は岩佐選手の前に出るためにOTSを使うことは分かっていたので、自分は温存して使うタイミングを待っていました。ギリギリでしたがアクセルを踏んで前に出られました。坪井選手もクリーンなバトルをしてくれたので感謝しています」

太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING) 2025スーパーフォーミュラ第6戦&第7戦富士

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