また、ピットガレージが後方だったKONDO RACINGのふたりがトップ2となり、最後方の可夢偉が3番手となった要因には、ドライバーが雨のアタックを頑張ったことはもちろんあるにせよ、彼らのタイヤがコースインの時点でニュータイヤではなかったという要因もある。この上位3台は金曜日走行や練習走行でソフトタイヤをスクラブ(皮むき)しており、そのタイヤでQ1のアタックしたようで、完全なニュータイヤでアタックしたドライバーよりもウォームアップの面で優位だったと考えられる。

 ドライバーの頑張りや運、不運、ピットガレージの位置など自分たちではどうにもならないさまざまな要素が重なり合う中、今回の予選Q1セッションはわずかな時間での選択と決断が迫られることになったのだ。

 そしてまた、再び難しい選択を迫られるのが、決勝の戦略だ。

 予選Q2、Q3が日曜の午前に開催されることになり、日曜のフリー走行はわずか10分という短い時間に短縮。10分の走行ではもちろん、ソフトタイヤのライフは計りきれず、日曜日は全ドライバーがソフトタイヤのライフが分からないまま、レースを迎えることになるのだ。

 上位のグリッドは明日のQ2,Q3次第ではあるが、いずれにしても決勝のポイントになるのが、スタートタイヤをミディアム、ソフトのどちらを選ぶかということ。決勝の52周のうち、給油が必要な周回数は約10周とみられ、スタート後、10周目あたりからピットインのウインドウ(フィニッシュまで行けるピットタイミング)が開くと予想されている。

 スタートをソフトにして、逃げるだけ逃げてタレたらミディアムに交換というシンプルな考え方が王道ではあるが、スタートをミディアムにしてソフトタイヤ勢スタートの動向、周回数を見てから戦略を決めるも良し。さらに燃料満タン時にソフトを履くより、軽くなって路面状況が良くなったところでソフトタイヤを投入すれば、パフォーマンスもライフも威力抜群などなど、グリッド順とドライバーの狙いによってスタートタイヤは分かれることは間違いない。

 さらに、ピットインのタイミングがドライバーごとに異なれば、それこそ、戦略の幅は千差万別。ミディアムタイヤとソフトタイヤのタイム差も今日の雨の段階では1秒以上はありそうだという程度しか分かっておらず、とにかく、日曜日の決勝レースはいろいろなパターンが想定される複雑なレース戦略が絡み合う展開になりそうだ。

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