可夢偉選手のスーパーフォーミュラ開幕戦は予選10番手から、10位でチェッカー。残念ながら、ポイント獲得ならず。まだ始まったばかり、今シーズンの可夢偉選手がどのようなレースをするのか楽しみです!
最後に、チーム監督の土居隆二さんにも可夢偉選手について、話を聞きました。
「30年以上たくさんのドライバーと仕事をしてきましたけど、可夢偉選手の印象は非常にレーシングドライバー向きの人だなというのが第一印象。レーシングドライバーというのは100m走のアスリートと違って、ものすごくたくさんのものの集合体を操って最終的にフィジカル面のタフな中で、安全に速くゴールラインまで持ってくるのがレーサーだと思うんですけど、それゆえに大事なのが求心力だと思うんですよね」

「やはり人間がやっているものなので、『あいつのためだったら、同じ給料でも寝る間を惜しんでもこのベアリングのフリクションを減らしておこう』とか、『1/1000秒影響がないことでもやっておこう』とか、そういうことって大事だと思うんですよね。そういった部分でいうと小林選手というのは、性格もそう、実際のパフォーマンスもそう、トラック上の任せておけよという部分の力強さも頼もしさもそう、いろいろなことで心を集めるのが得意なんじゃないかなと思います。求心力抜群ですし、こんなに任せて安心というドライバーはいませんね」

「具体的には、メカニックがミスをしてしまっても腐らない愚痴を言わない、悪いところは悪いと言う、改善に向けてすぐ気持ちを切り替えてくれるし、そうなるとスタッフみんなはどこかでそれに応えたいって思うんですよね。それでいて、トラック上では今あるマシンのポテンシャルを最大限、大きなミスをすることなく、ほぼ完璧に出し切って帰ってきてくれる。大きく進化するところで言えば、ドライバーコメントに疑いがない!」
「もともと才能があるドライバーが経験をしていけは、レベルは飛躍的に上がっていく。たくさんのクルマの数、種類、コース、国籍、チーム、エンジニア、たくさんのことを経験して引き出しを持っている現在の最終形がここにいるわけですから、それは有り難い。我々も得るものが大きい。当然進化できますし、一緒にやれていることが幸せですし、今後も続けたいし、彼にKCMGを選んで良かったと思わせたい。そういう相乗効果を得ています。今、チームは非常に良い状態です」

「今、ル・マンのサルテサーキット、シルバーストーンをLMP1で一番速く走れるのは小林可夢偉選手なんですから。その経験、速さをここに持ってきてくれるんですから、そんなドライバーがKCMGで乗ってくれていることは本当に有り難い」

この土居監督さんの話を聞いて、なるほどと思ったのと同時に、F1時代トヨタ、ザウバー、ケータハム、どのチームにいた時もそのチーム全体が可夢偉選手を頼りにしていたのが再確認できたように思います。
今さらだけども、もう少しF1に乗っていてほしかった……F1のチームメイトだった(セルジオ)ペレス選手、(マーカス)エリクソン選手は今もいるのに。。。
そして、勝利という2文字に強い渇望の気持ちがあるのは以前も今もまったく変わらない可夢偉選手。去年、一番残念だったのはル・マンだそうです。WEC、スーパーフォーミュラ、スーパーGTと大忙しな今年、ル・マンで勝って、スーパーフォーミュラでもせめて一回は勝ってほしいなあ。
さあ、どうなるでしょう?
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熱田護(あつた・まもる)1963年生まれ。三重県鈴鹿市出身。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。2輪世界GPを転戦し、1991年よりフリーランスとしてF1をはじめとするモータースポーツや市販車の撮影を行う。
<a href=”https://www.mamoru-atsuta.com/”>Mamoru Atsuta Photography</a>

