ランキング2位の石浦をサポートするP.MU/CERUMO·INGINGはどうか。セルモは前回の第6戦岡山ラウンドでは、劣勢のチャンピオンシップを少しでも挽回させるために、「チャンピオンシップを考え、チームの判断で2台の順位を入れ替えることになりました」と、浜島裕英総監督がコメントしているように、セルモは国本雄資にチームオーダーを発令して石浦との順位を入れ替えてこの最終戦に臨んでいる。
石浦のタイトル獲得に向けて、今回はどのような戦略を考えているのか。立川祐路監督に聞いた。
「まずはいつもどおり進めて、最後の最後、決勝の展開次第で決断したいと思っています。まあ、明日の予選順位でおおよそ見えてしまう部分もありますが(苦笑)、最後の状況で考えたいと思います」と立川監督。
「でも、まずは石浦がキャシディ選手、そして1ポイント差の山本選手の前を走ってくれないといけないですけどね」
立川監督を悩ますような状況になることは、チャンピオンシップが混沌となることでもある。ファンとしては是非、そのような状況を見てみたいものだ。
KONDO、セルモとは若干、状況が異なるのがTEAM MUGENだ。同じチームと言えども、マシンのカラーリングを見てもわかるようにメインスポンサーが異なり、セットアップなどのデータは共有しているが、他の2台体制チームとは雰囲気が違ってライバル度が高い。
山本のチームメイトでもある福住仁嶺も、ルーキーとしての臨むスーパーフォーミュラのシーズン最終戦でなんとしても好結果を残したい。その走り出しの金曜日は4番手と好スタートを切れた。
「今日はクルマの確認をしつつ、あまり無理をしないでゆっくりとタイムを上げていきました。最後にソフトタイヤを入れて割と悪くないタイムが出たので、このまま焦らず進めたいですね。明日の天候がまだ微妙なので、それを踏まえてチームと話をして備えていきたいです」
「スーパーフォーミュラはコンディション次第で予選でまたガラッとポジションが変わるので、今日の練習走行で調子がいいと逆に不安になってしまいます(苦笑)」と週末への手応えを感じつつ、気を引き締める福住。その福住に、ちょっと意地悪な質問をしてみた。チームメイトの山本のチャンピオン争いをどの程度、意識しているのか。
「いや、全然意識していないです。僕は僕のレースをすることしか考えていないです」
実質、3人のドライバーによるチャンピオン争い。3人のドライバーを支える3チームそれぞれのチームメイト、そしてチームの方針がどのような結末となるのか。チームメイトの動向、そしてチームの決断にも今週末は注目してみたい。

