Kunio Shibata

──ピエール・ガスリーも、精神的には決して弱くないはずなんですが。

マルコ博士:私もそう思っていた。

──ガスリーのシーズン途中での交代は、ハンガリーGP前には言及していませんでした。やはりハンガリーGPのレースが、今回の決断の決定的な要素だったのでしょうか。

マルコ博士:そう思ってもらっていい。スタートで出遅れたのはまだしも、そのあと(マクラーレンのカルロス)サインツJr.をずっと抜きあぐね、ほとんど仕掛けることさえできなかった。ペースは明らかにピエールの方が速かったにもかかわらずね。そのまま、トップから周回遅れでフィニッシュすることになった。

──去年までのガスリーの走りを知る者としては、ほとんど別人のような印象です。これもメンタル的な問題なのでしょうか。

マルコ博士:それが一番だと私は思っている。去年までのピエールは一発も速いし、レース中のオーバーテイクを躊躇するようなことはなかった。しかし、今年は本来の良さがまったく出ていない。

──それは、精神的な問題であると。

マルコ博士:そう思うね。

──前からお聞きしたかったんですが、冬のテストでのガスリーのいきなりクラッシュが、その後の彼のパフォーマンスに影響を与えたと考えていますか?

マルコ博士:クラッシュは2回だよ。1回じゃない。そう、あのクラッシュはチームのテストプログラムに重大な影響を与えてしまった。パーツが足りなくなったし、メニューの消化にも支障をきたした。

──ガスリーはそのことに責任を感じた?

マルコ博士:間違いなくそうだね。そして、その思いを開幕後も引きずって消し去ることができなかった。

──(アレクサンダー)アルボンも突然の抜擢で、精神的に準備できていない可能性がある。ガスリーの二の舞となる恐れはないのでしょうか。

マルコ博士:それはないと楽観している。1年目からあれほどいい走りを見せてくれたのは、正直予想外だった。しかも、レースごとに着実に進歩しているしね。何よりアレックスとの契約は、あくまで今年の残り9戦のみだ。来年のマックスのチームメイトが誰になるかは、まだ何も決まってない。だからアレックスは余計なプレッシャーなど感じることなく、伸び伸びと自分のレースをしてくれればいい。

──なるほど。とはいえ(ダニール)クビアトの方が、予選でもレースでも上の結果を出している。それでもあえてアルボンを選んだ理由は?

マルコ博士:『あえて』ではないよ。『アルボンが最適』だと思ったのだ。クビアトがどれほど速いのかは、われわれも十分に承知している。レッドブルとの契約を解除された試練からも、よく立ち直った。非常に完成されたドライバーになったと言っていい。それらの要素をすべて考慮した上で、われわれはアレックスの可能性を選んだということだ。

スーパーフォーミュラ第5戦ツインリンクもてぎ予選日
レッドブル育成ドライバーのルーカス・アウアーの下を訪れるマルコ博士。パトリシオ・オワードと共にスーパーフォーミュラでの結果次第でF1へのステップアップが見えてくる

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