同じく、この第6戦が今季初参戦となるのが小林可夢偉(KCMG)だ。8月のル・マン24時間レースで初の総合優勝を飾った後のレースということもあり、金曜日はメディアの取材対応に追われるなど慌ただしく過ごしている印象だった。
実は、スーパーフォーミュラ第7戦鈴鹿とWEC世界耐久選手権のバーレーン6時間と日程が重なっているため、小林にとっては今シーズン最初で最後の参戦となる。スーパーフォーミュラのマシンに乗ること自体が久しぶりとなるのだが、本人は“勝つこと”だけを考えて準備を進めていた。
「今回1度きりの参戦になるので、勝つことだけを考えていきたいです。まずは事前にしっかりと準備してきたものの辻褄が合うようにしていくしかないかなと思います」
「ただ、残念ながら予選までに走れるのがフリー走行の1時間30分しかないので、決して十分と言える時間ではないのですが、まずはそこを走ってみて……なのかなと思います」
この一発勝負で、しっかりと結果を残すことができるか。注目が集まる週末となりそうだ。
同じくWECの参戦に伴い、開幕戦以来のスーパーフォーミュラ参戦となる中嶋一貴(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)も、小林と同様に第7戦鈴鹿は欠場となる予定だ。当然、週末の結果も意識している中嶋だが、まずは“楽しむ”ことを重視していきたいと語った。
「スーパーフォーミュラに関してはブランクが空いた分、このクルマに乗ることを純粋に楽しみにしている気持ちの方が大きいですね。ただ、楽しむだけでは意味がないので、もちろん結果の方も追求していきたいとは思っています」
「天候がどうなるのか微妙なところもあったりするので、できればフリー走行はドライで走りたいなというのが本音ですけど、そこはできる限り対応をしていきたいなと思っています」
中嶋が駆る36号車は第2戦から第5戦までジュリアーノ・アレジが代役を務め、第3戦オートポリスでは優勝を飾った。「順調に戦えていて、良い結果も出してくれていたなという印象でした。その分、僕も乗りたかったなという気持ちもあります」と羨ましい気持ちを吐露していたが、前回の第5戦もてぎで思うように速さを発揮できなかったというところは気になっている様子。
「今回どうなるのか心配な部分もありますけれど、とにかくフリー走行で乗ってみないことには何も始まらないので、まずはそこからかなと思います」と、冷静に現状を捉えていた。
そして、こちらも久しぶりの参戦となるのが、タチアナ・カルデロン(ThreeBond Drago CORSE)だ。第2戦鈴鹿以来の参戦となるのだが、スーパーフォーミュラでレースをするのを心待ちにしていた様子で「私にとっては6カ月ぶりのスーパーフォーミュラ……本当に長かった!」と開口一番に語っていた。
「こうして日本に来てレースができるということはうれしいけれど、明日1回しかないフリー走行で、このクルマのスピード感を取り戻さないといけない。すごくタフな状況だけれど、昨年も経験したことのあるコースでもあるから、そこは昨年よりも良い走りができると思う。まずは明日のフリー走行で正しい方向性を導き出し、予選・決勝と進んでいきたい。ポイントを獲得するというのが私にとっては目の前の目標だから、それに向かって今週末のベストを尽くしたい」
それぞれに期待と不安が入り混じる第6戦ではあるが、まずは土曜朝のフリー走行からどんなパフォーマンスを見せるのか、非常に目が離せないセッションとなりそうだ。
