これまでクルマの進化とともに歩んできたモータースポーツは、速さを追求することで、エンジンやタイヤなどの技術開発に貢献してきた。しかし、近年の脱炭素社会に向けた世界規模での環境変化により、これまでのクルマの進化とはまったく異なる新しい技術開発が必要となっている。
また、デジタルコンテンツの競合がひしめく現代社会において、JRPはエンターテインメントとしてその価値を飛躍的に向上し、広く世界にアピールしていく必要があると考えている。そのプロセスを逐次公開することで、今後の社会に必要とされるモータースポーツの在り方を探っていくようだ。
さらに、ホンダとトヨタの両自動車メーカーとともに、パワートレイン、シャシー、タイヤ、素材、燃料等のあらゆる面で、市販車両も含めたカーボンニュートラルの実験場にすることで、将来にむけた技術開発につなげていくことも明らかにされた。
このプロジェクトではスーパーGTとも連携した新燃料となる『カーボンニュートラル・フューエル』、シャシーにはバイオコンポジットと呼ばれる植物由来の天然素材を導入するなど、2022年からテストが開始される予定だ。その他のアイテムについても順次開発とテストを重ねていくという。


3つ目は、エンターテインメントの価値が高まるように、2022年から『デジタルシフト』を進め、ファンとのコミュニケーションをアップデートしていくものだ。
詳細は2022年1月頃に発表される予定だが、新たなデジタルプラットフォームが立ち上げられ、スマートフォンでファンが見たいコンテンツをいつでもどこでも見られる環境が整えられる。
そのデジタルプラットフォームでは、レースのライブ中継だけでなく、全ドライバーのオンボード映像やさまざまな車両データ(車速や位置情報、オーバーテイクシステムの残量等)、ドライバー無線の音声等を見聞きすることができるようになるという。
さらに、レース当日以外にも多彩な映像コンテンツが視聴できたり、ドライバーやチームとの交流の場としても活用され、段階的に機能が拡充されていくという。

これら実現に向け、『SF NEXT 50 パートナーシップ』が発足され、JRP、ホンダ、トヨタを中心にさまざまなチャレンジが進められていく。そのなかで今回、プロジェクトのストラテジーパートナーとして、デロイト・トーマツ・ファイナンシャルアドバイザリー合同会社が参画することがアナウンスされた。

以上により、JRPは『SF NEXT 50』の活動を通じて、2022年以降のサステナブルなモータースポーツ業界づくりに貢献するとともに、世界中のモータースポーツファンとともに、自信を持ってその魅力を発信できるよう努めていくとのことだ。



