なお、富士ではセクター3の速さが光ったTEAM MUGEN勢だったが、これについて小池エンジニアは他チームも引き合いに出しながら、マシンの“個性”を次のように分析している。
「(ポールを獲った)ダンデライアンさんのクルマが、セクター2が速いのは分かっていました。これはもう、クルマ(チーム)が持っている特徴のようなものだと思いますが、TEAM MUGENのクルマはセクター2を取りにいくとセクター3が全然走らないので、富士は基本的にセクター3をすごく重視しています。ダンデさんのクルマがすごいのは、ストレート(スピード)も取りながら、セクター2も速いところです。メカニカル的に、何かがあるんでしょうね。ウチもいろいろトライしていますが、なかなか難しいです」
2023年のタイトル争いは、今週末に控えるモビリティリゾートもてぎでの第7戦、そして10月下旬の鈴鹿サーキットでの2連戦を残すのみ。1ポイント差で宮田を追うローソンは、富士テストを足がかりにルーキーイヤーでのタイトルを狙う。
「もてぎは去年の(15号車の)なかでパフォーマンスが一番良かったサーキットで、どちらかというと暑いコンディションの方が、ドライバーもクルマも合っているかなと思うので、うまくいけばいいなと思います」と小池エンジニアは終盤戦に向けた見通しを語る。
「心配なのは鈴鹿です。個人的には苦手としているサーキットなので、とくに予選で前にいくために、いまから考えていかなければいけません。時間もあるので、リアムとも話しながら、チームでも分析して取り組んでいきたいと思います」
ライバルは宮田だけではなく、DOCOMO TEAM DANDELION RACINGやTSC NAKAJIMA RACINGも「富士テストで“見つけてきた”感があります」と、同じホンダエンジンユーザーの動向にも目を光らせる小池エンジニア。テストを挟んで勢力図が変わりつつあるシーズン終盤戦、さまざまな要素が絡み合う、痺れるタイトル争いから目が離せなくなりそうだ。
