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スーパーGT ニュース

投稿日: 2023.11.06 13:47
更新日: 2023.11.06 14:06

ホンダ 2023スーパーGT第8戦もてぎ レースレポート

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スーパーGT | ホンダ 2023スーパーGT第8戦もてぎ レースレポート

Astemo NSX-GTが3位表彰台でNSX-GTラストレースを終える

 11月4日(土)~5日(日)、モビリティリゾートもてぎ(栃木県)で2023年度スーパーGTシリーズ第8戦が開催され、GT500クラスに5台の2023年型NSX-GT、GT300クラスに2台のNSX GT3が出走しました。来シーズン、Honda RacingはGT500クラスへの参戦車両をCIVIC TYPE R-GTへ切り替えることになっており、長年にわたってスーパーGT(および前身のJGTC全日本GT選手権)を戦ってきたNSX-GTにとって今回が最後のレースとなります。

 負傷療養中の山本尚貴は大事を取って欠場したため、第7戦に引き続き木村偉織が代役として100号車 STANLEY NSX-GTのBドライバーに起用され、Aドライバーの牧野任祐とコンビを組みました。決勝の走行距離が300kmとなる今回のレースでは、競技規則によってこれまで蓄積されてきたサクセスウエイトがすべて下ろされ、全車一律最低重量での参加となりました。

 4日(土)、晴天のもとで14時53分から10分間の公式予選Q1セッションが行われました。その結果、100号車 STANLEY NSX-GT(牧野)が1分36秒225で3番手、7番手に17号車 Astemo NSX-GT(塚越広大)がつけました。

 総合ランキング3位でチャンピオン奪取の可能性を残して今大会を迎えた16号車 ARTA MUGEN NSX-GT(大津弘樹)は、1分36秒614でQ1セッション終盤まで8番手につけていました。ところが、チェッカーフラッグが振られた直後に64号車 Modulo NSX-GT(太田格之進)が大津のタイムをわずかに上回る1分36秒609で8番手に食い込んだため、16号車 ARTA NSX-GTは上位8台から弾き出されるかたちとなり、Q2セッションに出走することなく、決勝は9番グリッドからのスタートとなることが決まりました。

 15時31分に始まったQ2セッションでは、17号車 Astemo NSX-GT(松下信治)が1分35秒台の好タイムをマークしてトップに立ちましたが、最終的には3号車 Zに逆転され2番手に終わりました。100号車 STANLEY NSX-GT(木村)が6番手に続き、64号車 Modulo NSX-GT(伊沢拓也)が7番手で決勝を迎えることになりました。

ARTA MUGEN NSX-GT 2023スーパーGT第8戦もてぎ
ARTA MUGEN NSX-GT 2023スーパーGT第8戦もてぎ

 決勝は雨雲が広がり始めた空のもとで始まりました。2番手の17号車 Astemo NSX-GT(松下)はポジションを守ってレースを始めたものの、トップを走る3号車 Zとの間隔は周回を重ねるごとに広がる展開。5周目に入るころから第1コーナー付近でにわか雨が降り出しました。雨はすぐにやんだものの17号車 Astemo NSX-GTは後方から36号車 GRスープラに攻められ、23周目のV字コーナーでオーバーテイクを許し、3番手に後退しました。

 17号車 Astemo NSX-GTは26周でピットインしてドライバー交代、タイヤ交換、給油を実施しましたが、この次周にピット作業を行った23号車 Zに先行され、事実上の4番手へと順位を落としました。

 17号車 Astemo NSX-GT(塚越)は23号車 Zを追走しましたが、間隔はなかなか縮まらず残り周回数は減っていきました。ところが残り10周を切った頃から再び雨が降り始め、今度は路面の各所が濡れ始めて各車ペースダウンを余儀なくされる状況に。このとき4番手を走っていた17号車 Astemo NSX-GTは、すぐさまレインタイヤへの交換を決断。6番手でレースに復帰して、ドライタイヤのまま前方を走っている上位車両を大きく上回るペースで猛然と追い上げました。

 レースが残り5周となったときに、首位を走っていた3号車 ZがS字カーブで濡れた路面に足をすくわれてコースオフ。17号車 Astemo NSX-GTは4番手にポジションが上がりました。FCYが宣言されましたがすぐに解除となり、17号車 Astemo NSX-GTはさらに追い上げを続行すると、レインタイヤへ交換している間に先行された1号車 Zのオーバーテイクに成功し、3番手へと順位を上げました。

 最終的には、17号車 Astemo NSX-GT(塚越/松下)が3位、ARTA MUGEN NSX-GT(智紀/大湯都史樹)が5位、レース序盤に他車への追突によりドライブスルーペナルティーを受けた100号車 STANLEY NSX-GT(牧野/木村)が10位でレースを終え、それぞれポイントを獲得しました。

 16号車 ARTA MUGEN NSX-GT(福住仁嶺/大津)は12位で無得点に終わりましたが、総合ランキングではNSX-GT勢最上位の4位でNSX-GT最後のシーズンを締めくくりました。

3位表彰台を獲得した塚越広大(左)と松下信治(右) 2023スーパーGT第8戦もてぎ
3位表彰台を獲得した塚越広大(左)と松下信治(右) 2023スーパーGT第8戦もてぎ

●佐伯昌浩 HRC SGT Large Project Leader
「NSX-GT最後のレースを優勝で締めくくるべく取り組んだレースウイークでしたが、思いどおりにはなりませんでした。奮起した17号車が、上位陣では唯一ウエットタイヤに履き替える作戦を選び、表彰台に登壇してレースを終えてくれました」

「チャンピオン争いをしていた16号車のペースが上がらなかったことについては、今後の課題として持ち帰り、解析していきます。長年にわたってNSX-GTを応援していただき、ありがとうございました。来年はCIVIC TYPE R-GTでの戦いになりますが、引き続きの応援をよろしくお願いします」

●塚越広大 Astemo REAL RACING
「前半、すごくいい走りをしてくれた松下選手からマシンを引き継いだ際、作戦の違いもあってポジションを下げてからは、前を走る23号車に対してペースが少し足りませんでした。レース終盤、雨が降った段階でピットからレインタイヤに交換すると指示が来ました。あの決断がなければ表彰台には乗れなかったかもしれません。チーム一丸となっての戦略がうまく結果に結びついたし、戦略的なチャレンジをさせてもらって私自身レースを楽しめました」

「スポーツランドSUGOでは失格になって悔しい思いをしましたが、こうやって立ち直れてよかったです。もちろん本音を言えば勝ちたかったですが、最後にNSXのいいところを多くの方々に見てもらえたのではないかと思っています」

●松下信治 Astemo REAL RACING
「予選では、自分たちの持っているパフォーマンスをすべて出しきって、すごくいいラップを刻めました。決勝に向けては、自分たちはもうシリーズチャンピオンとは無関係になっていたので思いきり走ることができ、純粋に楽しめました」

「セカンドスティントは雨が降ってきたときにチームの判断でタイヤを替えたことがいい結果につながりました。もうちょっと雨が降ってくれれば、最後の最後、NSX最後の優勝者になれたかもしれないので少し残念な思いもあります」

NSX-GTにとって最後のレースとなった2023年スーパーGT第8戦もてぎ
NSX-GTにとって最後のレースとなった2023年スーパーGT第8戦もてぎ


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