D’station Racing
Race Report – 2025.6.29
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2025 AUTOBACS SUPER GT
Round 3 SUPER GT MALAYSIA FESTIVAL 2025
JUNE. 26 – 28 Qualify :7th / Race:6th
苦境のなかチーム一丸で耐えてつかんだ貴重な6位
レース途中でのタイヤトラブルを跳ね返し、2位表彰台を獲得した第2戦富士から約2ヶ月弱。2025年のSUPER GTは、12年ぶりの開催となる第3戦マレーシアを迎えた。舞台となるセパン・インターナショナル・サーキットは2013年まで開催されていたコースで、藤井誠暢もドライブした経験があるほか、D’station Racingはアジアン・ル・マン・シリーズやGTワールドチャレンジ・アジア等他シリーズでも戦った実績がある。
ただセパンは中速コーナーもあるが、長いストレートと低速コーナーが組み合わされているところも多く、D’station Vantage GT3にとってはトラクションがライバルに対して足りていなかったり、ギヤ比が合わないコーナーがあるなど、決して得意とは言えないコースでもあった。
このレースウイークは、ひさびさの開催ということもあり6月26日(木)午後4時30分から公式練習1回目が設けられたが、ここでもやはり感触は良くなかった。16周を走り2分05秒561というベストタイム。結果は14番手と中位となってしまった。今回、同じアストンマーティンで参戦した地元チームのEBM GIGA RACINGも下位に沈んでおり、やはり車両特性がコースレイアウトに合っていないのは明白とも言えた。D’station Racingにとってはひさびさの苦境だ。
走行2日目となる6月27日(金)は午前10時30分から公式練習2回目が行われた。今季、D’station Vantage GT3は熟成されたセットアップがあり、そこから大きく変えることはしていなかったが、チームはこの苦境から脱するべく、大きなセット変更に取り組んでいった。直後に行われたサーキットサファリではオルタネーターのベルトが切れストップするシーンもあったものの、大きなダメージにはならず、午後4時30分から行われた公式予選に臨んだ。
Q1のB組から出走したのはチャーリー・ファグ。コンディションに対し難しいタイヤを履いてのアタックとなったものの、ファグは奮闘をみせ2分04秒443を記録。5番手につけQ1突破を果たしてみせると、続くQ2でも藤井が2分03秒089を記録。依然として苦しい状況は続いてはいるものの、ポジションを大きく上げ7番手で公式予選を終えることになった。
決勝日となった6月28日(土)は、午後4時30分から決勝レースが行われた。暑さを避け夕刻のレースになったものの、それでも気温33度/路面温度42度という厳しいコンディション。レース前のウォームアップにはわずかにセンサーのトラブルが発生したものの、チームは迅速にトラブルを対策。7番手グリッドからスタートドライバーを務めた藤井は、チームの頑張りに応えるようにオープニングラップの攻防をうまく抜け、6番手でレース序盤を戦っていった。
チーム一丸の努力でポジションこそ上がってはいたものの、それでもやはり抜群のレースペースがあるわけではない。D’station Vantage GT3を先頭とした6番手争いのグループのなかで、順位を落とすまいと奮闘をみせていった藤井は、ポジションダウンを最小限に収め、18周を終えてピットイン。長い後半スティントをファグに託すことになった。
酷暑のなか、ファグは前を走る#2 GR86 GTを追いながら7番手でレースを進めていくことになったが、レース終盤には後方から追い上げてきた#65 メルセデスが接近。タイトル争いのライバルに挟まれながらの戦いを強いられた。
ただファグは最後まで粘りをみせ、7位でフィニッシュ。レース後、4位の車両にペナルティが課されたことで、ひとつ繰り上がり6位でレースを終えることになった。
近年のレースのなかでは特に苦しい週末となったが、チーム全員の努力で貴重な10ポイントをもぎ取り、ランキングも3位につけることになった。速さをみせた富士に戻る第4戦で、この頑張りをさらに好結果に繋げていく。
COMMENTS:
Team Owner:Satoshi HOSHINO
クルマの特性上あまり相性が良くないセパンでの第3戦でしたが、結果的には予選7番手、決勝レースでも6位という順位で終えることができました。本当にドライバーふたりも頑張ってくれたと思いますし、耐えてつかんだ素晴らしい結果だったと思います。公式練習2回目や決勝レースの直前にも少しトラブルがありましたが、チームは迅速に対応してくれました。今シーズンは開幕前から全戦でポイントを獲ろうと戦ってきていますが、そのとおりにできていると思いますし、今後迎える第4戦富士、第5戦鈴鹿でさらに大きなポイントを獲得できるようなシーズンにしていきたいと思っております。D’station Racingへのたくさんのご声援、ありがとうございました。
Director:Kazuhiro SASAKI
このセパンサーキットはレース前から、ストップ・アンド・ゴーのコースレイアウトということもあり、厳しい戦いになると聞いていましたが、そのとおりのレースウイークのはじまりになりました。ただそんな中で、チーム、そしてドライバーふたりがすごく頑張ってくれて、予選7番手、決勝6位という結果を収めることができたので、よく持ちこたえてくれたとチームみんなを称賛したいと思います。メカニックもすごくピット作業が早かったですし、今後にも繋がるレースになったのではないでしょうか。次の富士スピードウェイはスプリントでのレースになると聞いていますが、得意コースですからね。クルマも合うと思っています。大いに期待したいですね。
Supervisor:Tetsuya TANAKA
かなり苦しいレースになりましたが、スタートドライバーの藤井選手、後半スティントのチャーリー選手ともに、とにかく“粘り”をみせてくれました。その粘りこそが6位という結果に繋がったのではないかと思っています。シーズンを考えると非常に大きなレースになったと思いますね。正直、ドライバーにとっては優勝するレースよりも圧倒的に苦しい戦いだったと思いますし、ひとつ間違えれば10位以下に簡単に落ちてしまうような展開でした。その中でとにかく耐えてくれましたし、メカニックもピット作業や、トラブルにも迅速に対応してくれました。チームみんなが頑張ってくれたからこその結果で、優勝した嬉しさくらいの感覚ですね。本当に良かったです。
Driver:Tomonobu FUJII
今回のセパンは苦しい予想はしていましたが、そのとおりの週末になりました。ギヤが合わないこと、レイアウトが合わないこともあり、他シリーズでもそうだったように、走り出しから下位に沈んでしまうことになりました。路面ミューも低いですし、今回は予選日の前に大きくセットアップ変更を行っていったのですが、それでクルマもどんどん良くなっていきました。公式予選は思っていたより上位にいけましたが、レースはやはり苦しかったですね。そんななかチャーリー選手が頑張って6位を守ってくれました。今回はいちばん苦しい週末でしたが、終わってみればチームみんなが頑張ってくれました。僕たちが出し切った以上の結果を得ることができたと思っています。
Driver:Charlie Fagg
今回は本当にタフなレースウイークになったね。木曜の走り出しは本当にペースがなかったと思う。あのままだったら大苦戦になってしまったけど、クルマに最近ではいちばんの改良を加えた結果、予選では少し良くなったと思うよ。僕たちはニュータイヤよりもユーズドタイヤの方がいつも調子が良いんだけど、決勝レースは少し苦戦することになった。でもタフなレースをしっかりと乗り切った結果、6位という順位で決勝を終えることができてすごく満足しているよ。戦い続けることができたし、この状況のなかでは良い順位になったと思う。次戦はまた富士に戻ることになるけれど、第2戦のように良い結果を出せるよう、モチベーション高く頑張りたいね。


