2025年最終戦でマッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号が嬉しいチーム初優勝

 2025年のスーパーGT第8戦がモビリティリゾートもてぎで開催。シーズン最終戦の今大会は全車がサクセスウエイトをすべて降ろし、開幕戦以来のガチンコ勝負が繰り広げられた。

 11月1日(土)午後、公式予選がスタートする。GT300クラスは2つに分けられたQ1で9台のヨコハマタイヤ勢が上位に入りQ2へ進出。そのQ2で2位を手にしたのはマッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号(塩津佑介選手/木村偉織選手)で、今季ベストグリッド獲得となった。

 GT500クラスは、名取選手がアタッカーを務めたリアライズコーポレーション ADVAN Z(松田次生選手/名取鉄平選手)がQ1を2番手で通過し、Q2で6位に。WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資選手/阪口晴南選手)は、Q2進出の最後のイスをかけて5台が0.1秒の中にひしめく争いの中で、わずかに0.026秒届かず11位となった。

 翌11月2日(日)の決勝も、予選時同様に薄曇りの天気。気温20度、路面温度23度とやや寒いコンディションで、いよいよ63周の決勝レースがスタートした。マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号はこのレースをタイヤ無交換で戦う戦略を採っており、スタートを担当する塩津選手は無理にペースを上げてトップを追うのではなく、最後までタイヤのパフォーマンスを維持できるようマネジメントに徹していた。

 12周目には、GT500クラスの集団が後方から迫ってくるところをかわしながらの難しいバトルで隙を突かれ、一気にふたつポジションダウンするも、塩津選手は冷静に周回を重ねて19周を終える直前でピットイン。木村選手に交代した。GT300クラスでは一番早いピットインで、木村選手は残り41周というロングスティントを戦うことになったが、すでに熱の入ったタイヤでアウトラップもロスなくクリア。その後、25周を過ぎたあたりで上位陣が次々とピット作業に向かい、マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号は見た目上でも徐々にポジションアップする。

 ライバル勢もタイヤの2本交換作戦等で作業時間を削り木村選手の前でコースに復帰してきたが、相手のアウトラップで冷静にかわし事実上のトップをキープ。38周を終えて全車のピット作業が終わると名実ともにトップに立ったマッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号は、その後もペースを保ったまま周回を重ね、トップチェッカーを受けた。木村選手はこれがSUPER GT2勝目で、塩津選手は初優勝。またチームは参戦22年目で初めての優勝となった。ヨコハマタイヤとしては今季GT300で8戦中5勝となった。

 GT500クラスは、リアライズコーポレーション ADVAN Zが名取選手でスタート。タイヤのウォームアップのため序盤にポジションを落としてしまったが、25周を走り切って松田選手に交代。松田選手は3台をかわしてポジションアップし11番手でフィニッシュすると、レース後に1台が失格となったことで正式結果は10位に繰り上がり、GTラストレースをポイント獲得で締めくくった。WedsSport ADVAN GR Supraは序盤に他車と接触したことでマシンにダメージを負い、本来のペースを出せずに12番手フィニッシュ、正式結果は11位となった。

塩津佑介選手 (マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号)

【今回の成績:GT300クラス 優勝】
「ヨコハマタイヤさんがウォームアップの良いタイヤを用意してくれたことで、最初からいい形で走り出すことができました。僕自身はこのチームで2シーズン目ですが、昨年は結果を出せず悔しい思いをしていましたし、自分に足りない部分が多いと感じていました。今年は木村選手を新たにチームメイトに迎えて、いい刺激を受けて成長できているなと思っています。勝つためにレースをやっていますし、ずっと勝ちたかったので、今回の優勝は一生忘れられないものになりました」

木村偉織選手 (マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号)

【今回の成績:GT300クラス 優勝】
「前戦オートポリス大会で手ごたえを感じたタイヤでしたが、無交換で行けるのだろうかという疑問がありました。しかし、走り出してみるといい意味で裏切られましたね。勝負どころでは多少無理しないといけない場面がありますが、無理をした後もグリップが良く、性能を維持していました。そこで最後まで持つという確信を持つことができ、自分のペースで走ることができました。1台しかいないMC86のためにヨコハマタイヤさんが開発してくれたタイヤで優勝することができ、本当に良かったです」

塩津佑介/木村偉織(マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号)
塩津佑介/木村偉織(マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号) 2025スーパーGT第8戦もてぎ

松田次生選手 (リアライズコーポレーション ADVAN Z)

【今回の成績:GT500クラス 10位】
「最後にもう1台かわしたかったのですが、うまいことブロックされてそれは叶わず、少し悔いは残りますが、やれることはやり切ったという思いでいます。KONDO RACINGに来て2年。このタイヤをどうしたらうまく使えるか、どうしたら速く走れるか、そればかりをずっと考えて過ごしてきました。いいタイヤを作れたというのをSUGOでの優勝という結果で示せたことも本当に良かったですし、松田はまだあれだけ走れるんだぞっていう部分も見せられたかなと思っています。このタイヤをベースに、来年に向けさらに開発を進めていって、もっといいタイヤを作っていってもらえたらなと思います」

名取鉄平選手 (リアライズコーポレーション ADVAN Z)

【今回の成績:GT500クラス 10位】
「レース序盤のウォームアップが難しく、シーズン最終戦は残念な結果になってしまいました。ですが、シーズンを通して振り返ると、1勝できたことは本当に大きいです。速さはもちろん、強さという部分はアピールできたのではないかなと思っています。松田選手からはタイヤの開発を始め、ドライバーとして戦っていく上で大事なものをたくさん吸収させてもらいました。あとは来年、思う存分頑張るだけです。さらに上を目指して頑張ります」

リアライズコーポレーション ADVAN Z
リアライズコーポレーション ADVAN Z(松田次生/名取鉄平) 2025スーパーGT第8戦もてぎ

国本雄資選手 (WedsSport ADVAN GR Supra)

【今回の成績:GT500クラス 11位】
「ピット作業の時間を短くできるよう、燃料セーブを考えながら走っていました。それでもペース良く走れていたのですが、接触でクルマにダメージを負ってしまいました。それほど大きな接触ではなかったと思うのですが、そこで本来のパフォーマンスを出せなくなってしまい、チームには申し訳ないです。なかなか結果が出ない苦しいシーズンでしたが、いい部分も見えた1年でした。今後に向けての課題も見えたので、なんとか来年はこれを克服して、いいレースができるようにしたいです」

阪口晴南選手 (WedsSport ADVAN GR Supra)

【今回の成績:GT500クラス 11位】
「残念ながら序盤で不運な接触がありましたが、そういった状況でも比較的タイムが良かったので、今後に活きる部分かなと思います。今シーズンはポールポジションを2回獲ることができ、間違いなく去年からレベルが上がったと感じています。ただ決勝では、周りに対してウエイトが軽いときにチャンスを活かせなかったので、来年はそれを逃さないような戦いができるよう頑張っていきます」

中崎敬介[横浜ゴム(株)タイヤ製品開発本部 MST開発部 技術開発1グループリーダー]

「これで2025年シーズンが終わりました。終わってみればあっという間でした。GT500では苦しい戦いでしたがポールポジションをセパンと富士で2回取れたことと、そしてSUGOで優勝できたことはたいへん嬉しく思っています。この時のデータやコメントを今後の開発に向けて有効な情報として活かしていきます」

「GT300では8戦中5勝できました。昨年のランボルギーニで4勝とは違い、複数の車種で優勝回数を伸ばせたことは、改良に取り組んだアプローチが間違っていなかったと考えています。特にリア荷重のあるMR、RRでの勝利が多かったことで、良いところは延ばしながら足りないところを克服する開発を継続したいと思っています」

WedsSport ADVAN GR Supra
WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南) 2025スーパーGT第8戦もてぎ

<2025シーズン 優勝したヨコハマタイヤ装着車>
【GT500クラス】
第6戦 SUGO リアライズコーポレーション ADVAN Z(松田次生選手/名取鉄平選手)

【GT300クラス】
第2戦富士 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI(片山義章選手/ロベルト・メリ・ムンタン選手)
第3戦マレーシア UPGARAGE AMG GT3(小林崇志選手/野村勇斗選手)
第5戦鈴鹿 CARGUY FERRARI 296 GT3(ザック・オサリバン選手/小林利徠斗選手)
第7戦オートポリス seven × seven PORSCHE GT3R(ハリー・キング選手/藤波清斗選手)
第8戦もてぎ マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号(塩津佑介選手/木村偉織選手)

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