■JAF-GT勢中心に無交換&2本交換も!?
では、河野エンジニアの意見にも出たJAF-GT勢はどうだろうか。マザーシャシー勢も、リストリクター径アップでポテンシャルを増したTOYOTA PRIUS apr GT勢も、さらに苦手な富士で速さをみせたSUBARU BRZ R&D SPORTも、要注目存在だろう。
特に、マザーシャシー勢は“伝家の宝刀”タイヤ無交換作戦も出る可能性がある。また、JAF-GT勢もタイヤ2本交換による作業時間短縮があり得そう。ただ、それでGT3勢の前に出てくるかというと、それもまた分からない。
MC勢は予選最上位がVivaC 86 MCの12番手で、レース序盤混戦のなかを戦わなければならないし、そうなると無交換のメリットも減る。「今回は1ポイント獲れればボーナスだと思っている」というのはVivaC 86 MCの土屋武士監督だ。ちなみに、GT3勢でも無交換をやるチームがいるかもしれない。
複雑に絡みあう車種別の得意・不得意、さらに混迷を極めるタイヤの差による状況は、はっきり言って予想は不可能。現代のスーパーGTのタイヤは、路面温度/気温が少し変わるだけで車種とタイヤの組み合わせは速さが変わるし、ライフも変わる。『天候次第』の面も強いのだ。
さらに中盤戦を迎えて積み重なったウエイトハンデが、輪をかけて予想を困難にする。話を聞いたチーム関係者の誰もが「決勝は分からない」と口を揃えた。
というわけで、ここまで読んでいただいた皆さんには恐縮だが、“道具”の面では、予選はBMW勢が速かったが、決勝はまったく読めないということをお伝えしておこう。最終的に勝負を決するのは、いつもどおりレースを読む力と、高いペースでラップを刻むことができるドライバー力になる。だからこそ観ている側は面白いのではあるが。