また、サスペンションも「ドライバーに正しくレスポンスされるように」改良を受けているほか、これまでニュルブルクリンク等で車高を高くした際に影響を受けていた空力面での不利を解消するべく、車両姿勢の変化に影響されない安定したダウンフォースの確保を目指した改良がされている。

 また、エンジン搭載位置の変化によりラジエーター搭載位置も変更され、「スペースをゆったりととれるようになった」ため、冷却効率も向上。また、エアフローも有利になり、ダウンフォースにも好影響を与えているという。

 さらに軽量化とフロントまわりの補剛によるねじり剛性の向上、トランスアクスルの変更、外気取り入れの変更によるコクピット内の居住性の向上、ステアリングの変更、最新の安全規則への対応、信頼性向上など、2018年モデルのニッサンGT-RニスモGT3の変更点は多岐に渡る。

 2017年3月ごろから開発を務めてきた柳田は「シェイクダウンのときから、スタート地点が大きく違うと感じた」という。また、藤井も「クルマ自体がすごく進化していて、すごく戦闘力を感じた」とコメントしている。

 このマシンで実戦を戦うGAINERの4人は、すでに2月のセパンテストでGT-Rを体験済み。「すごくバランスが良かった。あとは自分たちのセッティングや、タイヤの開発を進めていければトップ争いができると思う(平中)と手ごたえを得ている様子だ。

 2016年に大きく変更された海外GT3カーと同様、GT-RもGT3カーとしてさらなる改良を受けてきた。最終的に性能調整が課せられるとはいえ、車両の余力は結果に即つながる。ライバルも注視するニッサンGT-RニスモGT3のパフォーマンスはGT300でも注目の存在だろう。

2018年モデルの改良点がスライドで紹介された
2018年モデルの改良点がスライドで紹介された。上が18年モデル、下が15年モデルのエンジンルームとエンジン
2018年モデルの改良点がスライドで紹介された
2018年モデルの改良点がスライドで紹介された
350号車ニッサンGT-RニスモGT3は、後半開始初日はダンロップを履いた。

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