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スーパーGT ニュース

投稿日: 2018.09.04 15:00

TEAM UPGARAGE 2018鈴鹿10時間 レースレポート

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スーパーGT | TEAM UPGARAGE 2018鈴鹿10時間 レースレポート

 決勝日も前日同様に非常に暑さの厳しい1日。マザーシャーシにとっては初めての、10時間という長丁場のレースになるので、マシン各部のチェックを入念に行い、予選でのドライバーのコメントを基にセッティングも再度煮詰めて決勝へ挑んだ。

 15分間のウォームアップ走行を無事に終え、午前10時に10時間耐久レースの火蓋が切って落とされた。スタートドライバーは小林選手でグリッドは26番手スタート。スタート直後にストレートでオーバーテイクを許し多少順位を下げてしまうが、特に大きな混乱もなく、小林選手は順調に周回を重ねて行く。開始から30分頃になると、車重が重くタイヤへの負荷の大きいGT3勢が軒並みペースを落とし始め、ここから小林選手のオーバーテイクショーが始まる。抜きどころの少ない鈴鹿サーキットでハイスピードのS字コーナーや逆バンクコーナーでコーナリングスピードを生かし、オーバーテイク。一時は17番手まで順位をあげ、約1時間でピットイン。

 82秒の最低ピットストップ時間が定められているため、マザーシャーシ車両が得意とするタイヤ無交換作戦でピットストップでタイムを稼ぐことは難しい。ルールで1回のスティントの最大時間は65分と定められているため、ほとんどのチームは1時間を目安にピットインをする。TEAM UPGARAGEの作戦としては、毎回のピットストップでしっかり4輪タイヤ交換を行い、スティントの全体でペースを安定させ、後半GT3勢のペースが落ちてきたタイミングでオーバーテイクし、上位進出を狙う作戦。

 このピットインも4輪ともタイヤを交換し、中山選手にバトンタッチして、ピットアウト。しかし、このピットインの際に作業違反があり、ドライビングスルーペナルティを課されてしまう。順位は27番手まで落としてしまった。その後、中山選手も順調に走行を重ねていたが、突如シフトダウンがしづらくなるというトラブルが発生。なんとか走行はできる状態ではあったものの、シフトダウン時にオートブリッピング(自動で回転数を合わせてくれる)ができないためシフトロックを誘発し、非常に不安定な状態でペースを上げることができない状況に。それでも順位はキープしてピットイン。今度は井口選手ドライブ。トラブルを抱えながらもうまくペースをコントロールし、順位を20番手近くまで戻し、ピットイン。

 小林選手の2回目のスティント。小林選手はトラブルを抱えた状態のマシンにもかかわらず果敢にアタックをし、予選のタイムに近い5秒台前半をコンスタントに叩き出しながら走行。後半にクラッシュ車両があり赤旗掲示。少し早目のピットインを行って中山選手にチェンジ。中山選手も安定したラップを刻み約1時間のスティントを終えてピットイン。今回は、タイヤ交換・給油に加えて、オイル充填やウィンドウフィルムはがしなども行ってピットアウト。

 井口選手2回目のスティントがスタート。長いレースのため、周回遅れの車両もトップ集団の車両も入り混じりペースをキープしにくい状況だったものの、さすがは井口選手で順位は17番手まで回復。このスティントも順調に周回を重ねていたが、途中クールスーツが効かなくなるというトラブルが発生。灼熱の中、井口選手は暑さに耐え残りのスティントを走りきり、ピットイン。クールスーツの修理はピット時間内での作業は難しく、小林選手はそのまま3回目のスティントをスタート。しかし、スタート直後にシフトダウンが全くできない状況に。6速に入ったままシフトチェンジができず緊急ピットイン。一度マシンはピットに入り、修復を行う。シフトダウンができない現象については、部品の破損が発見されたため、急きょ部品を手配し、交換。しかし、クールスーツは故障の原因がわからず、修復が難しいため、ルーフへエアダクトをつけて暑さ対策をする方法に変更。20分弱で作業を終え、小林選手が再度ピットアウト。

 シフトダウンの症状は解消され、小林選手はまたハイペースで走行をしていく。しかし、スティント中盤にまたもトラブルが発生。今度は、突然のガス欠症状。搭載燃料には余力があったが、なんらかの原因で燃料が送られずまた、緊急ピットイン。燃料を満タンにして、中山選手にバトンタッチ。走行を重ねるが、10周を過ぎたあたりで再度、ガス欠症状が発生。スロー走行となってしまい、なんとかピットイン。再度燃料を満タンにし、スタートするものの。10周前後でガス欠症状が発生するという苦しい展開。短いスティントでピットインしながら、なんとか走行をしていたが、レース残り1時間を過ぎた段階で燃料満タンから6周しか走れない状況になってしまう。

 苦渋の決断でレース終了残り10分までピットで待機し、無事にチェッカーを受ける作戦をとることに。ピット内で燃料トラブルの原因を探るがやはり原因はわからず、残り10分を迎え小林選手が最後のピットアウト。残り10分を無事に走り切り、見事長い長い10時間のレースのチェッカーを受ける。トラブルが度重なったレースとなったが、ドライバー・メカニックとも最後まで諦めることなくゴールを目指し、悔しいながらも感動のチェッカーとなった。

 チームとしても、マシンとしても初めてとなる10時間耐久レース。万全の対策をし、臨んだもののドラブルが発生し、得意な鈴鹿で悔しい結果となった。

 しかし、トラブルはあれど完走できたことは非常に得られるものが多く、今後につながる貴重なレースとなった。また、10時間という長時間のレースでチームの団結力はさらにアップしており、強いチームになってきている。SUPER GTも残り3戦。シリーズチャンピオンに向け、マシンのアップデート等全力で挑んでいきます。

TEAM UPGARAGEの18号車トヨタ86 MCとドライバーたち、ドリフトエンジェルスたち

TEAM UPGARAGEの18号車トヨタ86 MC

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