決勝レース(81周)9月16日(日)14:00~
不安定な天候に翻弄された土曜日とは異なり、日曜日のSUGOは爽やかな秋晴れに恵まれ、朝からスタンドは熱心なファンが詰め寄せて超満員。たくさんの熱い視線のなかで、どれだけ順位を上げられるか、永井選手と織戸選手がすでに気持ちを入れ替えていたのは言うまでもない。
決勝レースのスタート進行開始と同時に行われる、20分間のウォームアップは永井選手からの走行となり、途中2回のピットを挟んで、よりセットを詰めていく。永井選手は1分23秒279をマークした後、交代した織戸選手は2周を走行。1分23秒324をマークする。
ふたりから伝えられたフィーリングは悪くない。だが、気温は26度と土曜日とそう変わらなかったものの、路面温度が37度にまで上昇していたため、チョイスしていたタイヤではマッチしないことも明らかになった。
そこで英断が下される。もとより 13 列目からのスタートである。最高の結果をこの順位から狙うのには、晴天の路面温度では厳しいソフトタイヤからミディアムタイヤに変更するためにピットスタート作戦を実行することにした。
もちろん、ピットスタートとなれば最下位からのレース開始となる。スタートを担当した永井選手は、このタイヤ変更が吉と出たこともあり、1分22秒台での周回を重ね、10周を過ぎたところで前走車の背後につけることとなる。
だが、相手はエンジンパフォーマンスに勝るFIA-GT3のGT-R、コーナーで『#30 TOYOTA PRIUS apr GT』は差を詰めるのだが、ストレートで離されてしまい、逆転を許されず。
27周目に永井選手から織戸選手にバトンタッチ。タイヤ無交換でコースに戻された時、後ろを行くのはトラブルを抱えて順位を下げた車両だけだったが、ハイペースでの周回を繰り返す織戸選手。表彰台圏内の車両を追い回しながら着実にポジションアップを果たし56周目には、やがて16番手に浮上する。
それ以上のポジションアップはかなわず、16位でのゴールとなったものの、織戸選手のベストラップ、1分21秒693は表彰台の上位陣とも遜色なく、なおかつピットスタートでありながら、トップと1周遅れに収めたこと、さらに決勝レースでは一切トラブルに見舞われなかったのは、今後に期待を抱かせる要素と言えるだろう。ラスト2戦の大逆襲に期待がかかる。