(3)レース中の車内の温湿度も測定。車内温度で最も高かったのは54.5℃。車内温度が高いほど心拍数も高くなると予想したが、車内温度と心拍数に相関関係はなかった。これは、クールスーツやGT500クラスのクーリングシステムが十分に効果があるためだと推測される。

(4)ウエットコンディションにおける心拍数の違いを検討。ウエットでは滑りやすい状況なので、心理的負荷が大きく、心拍数が高くなると予想したが、ドライと比較してウエットでは有意に心拍数は低いという結果となった。プロドライバーでは、ラップタイム、つまり重力の影響がやはり大きいと推測される。

 柳田助教は「今回、論文を発表することで、レーシングドライバーのアスリートとしての側面を科学的に証明できました。まだまだモータースポーツの医学研究は発展途上だと思いますので、今後も医学研究をすすめ、いろいろと科学的に分析したいと思います。そして、モータースポーツのスポーツとしての認知度を少しでも向上できればと思います」という。

 ちなみに、“柳田”という苗字でピンと来た方はご名答。柳田亮助教はスーパーGT500クラスでフォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rを駆り活躍する柳田真孝の弟なのだ。

 論文は有料での購入が必要で、かつ世界中の研究者に読んでもらえるよう英語で綴られているので、読解には英語力が必要だ。ただ、非常に興味深い論文なので、ぜひご一読をお勧めしたい。

 論文は下記サイトから購読が可能だ。
http://link.springer.com/article/10.1007%2Fs12199-016-0544-0

GT500クラスで優勝した佐々木大樹/柳田真孝組
GT500クラスで優勝した佐々木大樹/柳田真孝組

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