ダンロップ勢の2台に続き「100kg組」のなかで3番手(予選7番手)のポジションを得たのは、ブリヂストンタイヤを装着するARTA NSX-GT3である。

「ぶっちゃけ、鈴鹿の100kgはない(勝負にならない)と思ってたんです。でも、走り出しから2種類のタイヤどちらを履いてもフィーリングが悪くなかった」と語るのは高木真一。

「ただ、重さは感じます。横方向に荷重をかけたときに、タイヤが悲鳴を上げるのがすごく申し訳ないな、と。あと、ブレーキも全然止まらなくなった。予選一発は、タイヤのおかげでなんとか行けるのかなという感じです」

 未知なる車重に対応するなかでは、これまでに発生していない状況にも陥った。NSX GT3ではそれまで問題になることがなかった「トラクションが悪い」という症状だ。

「結局、ロールを抑えようとすると、スプリングとかダンパーがだんだん硬い方向になっていく。それがトラクション側で邪魔になるんだな、ということが今回分かりました」

 決勝に向けては、タイヤのウォームアップと、中古タイヤでのトラクション大きな改善点だというが、そこへの対策はなんとなく見えているようだ。

「同じ100kgを積んでいるダンロップの2台がソフト系のタイヤで前に行っているとしたら、安定したNSXがじわじわと戦って、彼らの前でゴールできたら面白いかな」という高木のコメントからは、決勝への自信もかすかにうかがえる。

2020年スーパーGT第6戦鈴鹿 ARTA NSX GT3(高木真一/大湯都史樹)
2020年スーパーGT第6戦鈴鹿 ARTA NSX GT3(高木真一/大湯都史樹)

 タイヤへの負担も大きい鈴鹿で、“超ヘビー級”の彼らはペースを維持できるのか? 重量だけに目を向ければ最低車重自体が軽いBRZが、タイヤの負担という面からも有利に思えなくはないが、ハード系のタイヤを選んでいると予想されるブリヂストンのコンスタントラップも大きな武器となる可能性がある。

 決勝では、タイトル争いの行方も大きく左右するであろう“100kg組”のラップペースから目が離せなくなりそうだ。

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