トップをキープしたまま20周を終え、2コーナーを立ち上がったとき、山内英輝の目にS字入口で上がる砂煙が見えた。埼玉トヨペットGB GR Supra GTがスポンジバリアに埋まっている。
きっとセーフティカー(SC)が出るに違いない。ときを同じくして無線からは「この周にピットに入れ!」とエンジニアの声。だが、まだ山内はコース前半区間にいた。もどかしい時間が過ぎる。
直後、案の定SCが導入され、ピット入口はクローズに。すでに半数以上のマシンがピットを終えていた。まさに最悪のタイミング。ここまですべてを順調に運んでいたSUBARU BRZ R&D SPORTにとって、2年ぶりの勝利が泡と消えた瞬間だった。