日本のレース界において名匠のひとりでもあるトムスの東條力エンジニアは、スーパーGTでチャンピオンになる条件のひとつに「いつも上にいること」を挙げている。「浮き沈みが激しく、たまに上に来るようではダメ」というのだ。
もちろんウエイトハンデが増えればそれなりに沈む。だが、似たようなハンデ同士のなかでは上にいることが必要なのだ。レースは水ものであり、不測の事態は必ず起きる。
大なり小なりピンチに遭遇しても、這い上がって来られるだけの底力を備えていること。それはドライバーだけでなく、タイヤ、マシン、チーム、さらにはメーカーに必要な能力である。