織戸は予選トップタイムをマークした後、トップ15台によるシュートアウトに挑んだが、ここでは「予選ではいい仕事ができたけど、欲が出てしまったね。人間、欲が出るとダメ。タイヤがいちばんオイシイ周にミスをしてしまった。それがなくても3番手くらいだったとは思うけど」とタイムロスしてしまった。
とは言え、それでも5番手だ。さらに「予選に向けては何もやっていなくて、ずっと決勝に向けて詰めていた」状態だったという。今年のセパンはヨコハマがワンメイクタイヤを供給しているが、構造はGT3用、コンパウンドはスーパー耐久用のものが使用されており、スーパーGT用のものとは違っている。この調整に時間を費やしていたのだ。88号車の決勝に向けても期待が高まるところだろう。
一方、走り出しから好位置につけていたハブオート・レーシングの35号車フェラーリ488 GT3だったが、予選は8番手。「今朝はポール獲ったろうかなと思っていた」という吉本大樹にとっては悔しい結果となった。
「思っていたようにいきませんでした。オーバーブーストしてしまう状況があったり、バランスもちょっと苦しんだ。昨日からまわりが上がっているのに対して、自分たちは停滞している状態。今日チームに見てもらっているが、決勝に向けて何か見つかれば」と吉本。こちらはプロ-アマクラスの勝利、そして総合での表彰台が目標だけに、翌日の逆襲に期待したいところだ。
前日からセパン初走行となる永井宏明、平沼貴之の習熟をメインにプログラムを進めていたaprの30号車トヨタ・プリウスGT、埼玉トヨペット・グリーンブレイブの52号車メルセデスベンツSLS AMG GT3も、ともに上位をうかがう位置につけるが、速さは示せても怖いのはトラブルだ。特に12時間耐久は日本ではなかなか経験できない距離。ワークス勢に対して、日本チームの活躍を大いに期待したいところだ。