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スーパーGT ニュース

投稿日: 2022.05.05 08:00
更新日: 2022.05.05 11:29

LMcorsa 2022スーパーGT第2戦富士 決勝レポート

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スーパーGT | LMcorsa 2022スーパーGT第2戦富士 決勝レポート

S-GT2022 rd2 FSW Final
LMcorsa REPORT
#60 Syntium LMcorsa GR Supra GT

2回のレース中断によって荒れたレースは
スタートの11番手からレース中盤で実質4番手まで
順位を上げたものの、追突やピットインのタイミングによって勝負権を失う

気象データ
気温:20度、路面温度:33度(スタート時)

 4月16~17日に岡山国際サーキットで開催された初戦で幕を開けたAUTOBACS SUPER GT 2022 SERIES。今季も国内6箇所のサーキットで8戦が実施されるスケジュールで、開幕戦から2週間ほどのインターバルを経て第2戦の『FAV HOTEL FUJI GT 450km RACE』が行われた。

 今年は3年ぶりに新型コロナウイルス感染症による行動制限のないゴールデンウイークとなり予選日から多くのスーパーGTファンが富士スピードウェイに訪れていたが、決勝日となった5月4日(水)はコロナ禍では最大となる4万4000人の来場者を数えた。

 開幕戦では精彩を欠き、決勝レースで追い上げたもののポイント圏内まであと一歩の12位でフィニッシュとなったLMcorsa。第2戦の舞台となる富士スピードウェイは、昨年のレースで2連勝を飾った相性の良いサーキット。開幕戦の雪辱を果たすためにも上位でチェッカーを受けることが使命となっていた。だが、走り始めとなった3日(火)の公式練習では路面コンディションとセットアップが合わず苦戦をしいられる。予選に向けて調整したセットアップが奏功し、予選Q1を担当した河野駿佑選手がクラス6位、予選Q2では吉本大樹選手が11位となり、決勝レースは11番グリッドからのスタートとなった。

 今回の決勝レースのディスタンスは450kmで通常の300kmよりも長い。そのため2回の給油が義務となっている。ただ、2回のピットストップ時にタイヤ交換の義務はないため、ピットストップのタイミングはチームの戦略によってわかれることが想定された。

 決勝日の4日も好天となり朝から富士スピードウェイには強い日差しが照り付けた。決勝レース前のウォームアップ走行は13時10分から20分間で実施され、まずはSyntium LMcorsa GR Supra GTに河野選手が乗り込み、最後に吉本選手も最終的な確認を行なった。予選と同様にマシンの調子は良く、決勝レースに向けてチームの士気は高まる。

 そして450kmの決勝レースは予定どおりの14時30分にスタートする。スタートドライバーを務めた河野選手は3周目に1台をパスしてトップ10内に入ると5周目にも1ポジションアップし9番手となる。その後も先行するマシンをテール・トゥ・ノーズで追いパッシングのチャンスを狙う。ただ、ストレートの速いGT3マシンのため抜ききれず、チームは20周目に1回目のピット作業を実施するために河野選手にピットインの指示を出す。Syntium LMcorsa GR Supra GTはピットに戻ると4本のタイヤ交換と給油を行いドライバーは河野選手のままコースへ復帰する。

 ライバル勢よりも早めのピットインとなったため23番手まで順位を落としてしまうが、25周目、26周目には立て続けに自己ベストタイムを更新し、先行しているマシンとのギャップを縮めていく。30周前後になるとトップ10内を走っていたマシンが1回目の給油作業のためにピットへ戻っていく。河野選手は28周目には19番手、30周目には14番手、34周目には12番手まで浮上すると、さらにコース上でも先行車をパスする。38周目には8番手となるが、トップ3は1回目のピット作業を済ませていないため実質的な順位は4番手まで上がった。11番手スタートからすでに7ポジションを上げていて、レース後半の展開次第では表彰台もみえてくるほどの展開だった。

 しかし、40周目にGT300クラスのマシンがクラッシュを喫したことでFCY(フルコースイエロー)が導入され、その後セーフティカーが隊列を先導。100Rからヘアピンに掛けて起こったこのアクシデントよってコース脇のクラッシュパッドが損傷し修復が必要となる。そのため赤旗が提示されレースは中断となった。20分ほどの中断を経て、レースは47周目にセーフティカーランで再スタート。2周のセーフティカーランのあとの49周目にグリーンフラッグが振られた。このタイミングで上位を走っていたマシンが規定のピット作業のためにピットレーンにマシンを進める。するとSyntium LMcorsa GR Supra GTは5番手となり、いよいよ表彰台争いが現実味をおびてきた。

 だが、その周の1コーナーで6番手のAMG GT3がブレーキングで止りきれず追突。この接触で5台にパスされてしまい一気に9番手までポジションを下げてしまう。河野選手はマシンの様子を確認しつつ周回を続けたが、マシンバランスが崩れたこととタイヤのグリップがなくなったため53周目にピットに戻る。ドライバーは河野選手から吉本選手に替わり、4本のタイヤ交換と給油を行いSyntium LMcorsa GR Supra GTはコース復帰する。接触によりマシンは手負いとなったが吉本選手は17番手から再浮上を狙った。

 だが、54周目にGT500のマシンがストレート上で激しいクラッシュを喫し、このアクシデントで2回目のレース中断となった。マシンは大破し多くのパーツが飛び散ったことやガードレールの補修も必要となり、今度は1時間以上の中断となる。2度のレース中断によって決勝レースの450kmを最後まで走り切ることが不可能となり、決勝レースは最大延長時間の18時20分がフィニッシュの時間となった。最終的に18時10分にセーフティカーが先導しレース再開となるが、そのままセーフティカーランによってチェッカーが振られ、Syntium LMcorsa GR Supra GTは17位という結果となった。

 一時は表彰台圏内もみえていたが追突とそれに起因したピットインは想定外の出来事で、結果的にはポイント圏外でのフィニッシュとなってしまった。

飯田章監督

「荒れた展開とレース内容となって何とコメントすればよいのか考えますが、まずはウォームアップ走行から河野選手が担当したファースト、セカンドスティントまで感触良く走れたことは収穫です。3日の予選よりも気温と路面温度が上がったことで装着したタイヤのグリップが最大限に発揮されたことが考えられます。それに合わせたセットアップもコンディションとマッチしていたようで力強いレースができました。しかし、1回目のレース再開時に後続車に追突されたことやピットストップのタイミングで後方の順位に沈んでしまいました」

吉本大樹選手

「3日の公式練習の状況から比べると決勝レースは想像を超えるペースで走れたと思っています。持ち込んだタイヤが機能する温度レンジになったことはもちろんですが、マシンを上位で戦える状態まで調整できたことも良かった点です。河野選手が担当したスティントでは表彰台もみえる展開でした。しかし、私に乗り変わる直前に追突されてマシンが損傷し、さらにピットインのタイミングも味方しませんでした。結果は付いてきませんでしたが、公式テストから悩んでいたことが解決する方向になったことは収穫だと思います」

河野駿佑選手

「決勝レースは2度の中断があり結果的にも不完全燃焼となりましたが、担当したスタートからセカンドスティントまでは本当に気持ちよく走ることができました。昨年の優勝時と同じようなレースペースと流れで、上位でのフィニッシュが期待できる内容でした。ですが、1度目のレース再開時の1周目に後続マシンに追突されて、その影響により2度目のピットインを判断しました。結果としてはこのピットインのタイミングがポイント圏内から圏外へ落ちる切っ掛けでした。悔しさが残る展開でしたが、レースペースが良かったことは明るい材料です」


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