「僕は縁あって、埼玉県のフォーミュランド・ラー飯能というカートコースをやっていますが、そこでキッズスクールにやって来る子どもたちが『先生がGTでレースをやっていて、NSXで来る』となれば、カッコいいと感じてくれると思うんです。僕もそういう憧れがあってプロドライバーになりましたから」
「レーシングドライバーってすごいんだな、スポーツカーってカッコいいんだな、って感じてくれる人がひとりでも増えてくれればという思いがスーツであり、NSXでもあるんです」
子どもの頃から憧れたレーシングドライバーになり、30歳になり結婚もしたいま、その夢を次の世代に与えたい。そして他のプロアスリートと同じくらい、レーシングドライバーの地位を高めたい。塚越の思いはそこにある。
「たとえNSXを買おうがスーツを着ようが、最終的にはやはりレースで結果を残さないとカッコ悪いですよね。ここまで自分を作ったならば、自分をムチ打って、それをバネにして結果を残していきたいと思います」と塚越の今シーズンに賭ける意気込みもまた、昨年までとは違っている。
「もっともっと、カッコいいレーシングドライバーを目指したいです」
塚越は今後、鈴鹿や富士、もてぎ、SUGOといったコースには自らのNSXでサーキット入りしたいという。まずは3月25~26日のスーパーGT富士公式テストから、ビシッとスーツを着込み、赤いNSXから降り立つ塚越の姿が見られそうだ。オフでも、オンでも、塚越広大の2017年からは目が離せない。