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MotoGP ニュース

投稿日: 2018.07.27 16:04
更新日: 2018.07.27 16:13

鈴鹿8耐プレビュー:ヤマハの敵は天候か。カワサキはSBK王者を率いて25年ぶり優勝狙う

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MotoGP | 鈴鹿8耐プレビュー:ヤマハの敵は天候か。カワサキはSBK王者を率いて25年ぶり優勝狙う

 JSB1000のファクトリー復活で起用されたのが、ハルク・プロの高橋巧。マシンもフルモデルチェンジに近いCBR1000RR SP2、最後発のスーパースポーツバイクと言われている。これにファクトリーチューンを施したマシンは2018年シーズン、高橋のライディングで何度も中須賀の乗るヤマハYZF-R1を追い回し、全日本では互角の走りをするまで、ポテンシャルを上げている。ここに、日本人唯一のMotoGPライダー、中上貴晶が加わる。MotoGPライダーの底力に期待が集まる。

 だが予選を前にして、万全の体制で4連覇を目論むヤマハ、指定席の2位からさらにランクアップするためのジョーカーを切ってきたカワサキに対し、ホンダは手札が足りない。夏の鈴鹿を戦うために重要な3枚目のカード、つまり第3ライダーの決定が遅れたのだ。

 ホンダは直前まで、いくつかの候補が噂されていた。まずは中上のチームメイト、カル・クロッチロー。だが、MotoGPで1勝はしたものの、その後、今ひとつ歯車がかみ合わないため、鈴鹿8耐参戦を断ってきた。MotoGPのサマーブレークに開催される鈴鹿8耐は、ライダーにとって大きな負担になることもあるからだ。

 さらにMotoGPのテストライダー、ステファン・ブラドルの名前も上がっていたが、事前テストに現れたのは、ホンダのSBKライダー、レオン・キャミア、パトリック・ジェイコブセン、そして元MotoGPライダーのランディ・ド・プニエ、Moto2のドミニク・エガーター。

また、2017年まで10年間、ホンダのトップチームとして鈴鹿8耐を戦ってきたハルク・プロは、高橋巧に代わり水野涼がエースライダーとなったが、彼のチームメイトが必要だった。こちらも、直前までライダーの発表はなかったのだ。ホンダファクトリーチームと、ホンダプライベートのトップチームが、最後の最後までライダーが決まらないという事態が起きていた。

 さらに、本戦直前のホンダプライベートテストで、ファクトリーチームの候補だったキャミアが転倒、負傷。最終的にファクトリーチームは高橋、中上とジェイコブセンという発表がされた。決勝の10日前、7月19日のことだ。

 公式練習が行なわれたのは26日、木曜日の午後。多くのチームは前日の水曜日に機材、マシンをピットに搬入する。ヤマハファクトリーチームはこの日、早速ピットロードで、ホイール交換のシミュレーションを行なっていた。盤石の体制と言っていい。

10年ぶりにファクトリー体制で鈴鹿8耐に挑むホンダ
10年ぶりにファクトリー体制で鈴鹿8耐に挑むホンダ

 もちろん、レースなので何が起きるか分からないし、絶対はない。だが、レッドブルと日本郵便の看板を背負ったホンダファクトリーが、盤石の体制で臨むヤマハと、早々に体制を決めて25年ぶりの優勝をねらうカワサキに対して、どんな戦いを挑むのか、想像がつかない。

 折しも、非常に微妙な動きを見せる台風12号がこの週末に本州上陸と報道されている。決勝日の朝は雨、スタート後、間もなくすると晴れてくる、そんな天気予報にもなっている。

 ロードレースは天気に大きく影響され、悪天候が波乱を呼ぶこともある。圧倒的な速さを誇るヤマハの敵は、小さなミスからのほころびか、あとは不運だけ。これに対してカワサキは、世界チャンピオン、ジョナサン・レイの速さをどれだけ生かせるかに勝敗のカギがある。

 10年ぶりのファクトリー参戦となったホンダは、最後の切り札がどれだけ有効なカードかで、大逆転もありうる。

 ホンダは燃費がいいという話も聞く。単純な8スティント、7回ピットではなくなったとき、この好燃費が功を奏するかもしれない。

 41回目の鈴鹿の夏、どんなドラマが見られるか。


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