ライダートークショーが終わると、トップライダーも当たり前のようにバイクや自転車でファンの間をすり抜けて自分のピットに戻っていく。途中、ライダーたちがファンにサインや写真撮影をねだられるシーンもあったが、自然なことのように気さくに応じていた。SBKは「世界を走るライダーに気軽に会える」のが魅力のひとつになっているようだった。
SBKポルトガルではパルクフェルメがパドック内に設置されている。レース後にはトップ3に入ったライダーはファンの間をぬってパルクフェルメに向かい、大勢のファンに迎えられながらパルクフェルメでのインタビューを受け、表彰台に上がる。サーキットが一体となり、最高に盛り上がる瞬間だ。レース後のライダーをファンが迎え、ライダーとともに高揚感を感じることができる。
SBKポルトガルでは、土曜日と日曜日にそれぞれピットウォークが行われた。ここでもライダーたちはとてもフレンドリーにサインや写真撮影に応じていた。
今回のSBKを盛り上げた要因のひとつが、Moto2クラス参戦中であり、2019年からMotoGPクラスへの昇格が決まっているポルトガル人ライダー、ミゲール・オリベイラの来場。オリベイラは後進の育成を目的に、自身でレースチームMiguel Oliveira Racing Teamを立ち上げ、今大会ではWSS 300にチームをエントリーさせていた。
オリベイラはインタビューからステージでのトークショー、さらにSBKの決勝レース前にはデモランを行うなど、大忙し。デモランでアウトードロモ・インテルナシオナル・ド・アルガルヴェを走行するオリベイラにファンは大いに盛り上がり、ポルトガルでのオリベイラの人気の高さを感じさせた。
今大会では元ロードレース世界選手権ライダー、ノビーこと上田昇氏も自身のチームであるH43 Team NOBBY DENSONをWSSにスポット参戦させていた。
こちらはワイルドカードとしてWSSに参戦した日本人ライダー、2017年ピレリカップ600チャレンジシリーズチャンピオンである長尾健吾と、今季イタリアラウンド限りでWSSから引退したケナン・ソフォーグル。長尾は今回、ソフォーグルが所属していたカワサキ・プセッティ・レーシングから参戦した。
カワサキ・プセッティ・レーシングからWSSにフル参戦中の日本人ライダー、大久保光。WSS参戦3年目の大久保はパドックで顔も広く、随所で様々なチームスタッフたちとも雑談を交わしていた。
ちなみに、ポルトガルで有名な料理はカタプラーナ。トマトソースにエビやカニなどの魚介がたっぷり入りダシが染みていて、絶品だ。ポルトガル料理は日本人でも違和感なく食べることができると感じたので、ぜひ機会があれば試してみてほしい。
市販車をベースにしたロードレースとして最高峰のSBKは、MotoGPとはまた違った楽しみ方ができるレースだった。レースはもちろん、イベントやライダーとの交流を気軽に堪能できる世界選手権と言えそうだ。