中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は、前戦チェコGPでは右足に負った水ぶくれの痛みに苦戦していた。ヘレスのひどい暑さと、ライディングスタイルを変更したことが要因だ。中上は第3戦アンダルシアGPから、リヤブレーキを多用するマルク・マルケスのライディングスタイルに近づけようとしていた。
オーストリアGPの初日は水ぶくれの対策として新しいブレーキペダルを試したという。しかし感触がよくなく、通常のペダルに戻した。こうしたなか、総合で3番手につけた。予選ではQ2へのダイレクト進出を果たすと、レース2では6位でフィニッシュ。レース後のコメントも前向きだ。ただ、気がかりな点があった。
「いつなのか覚えていないのですが、(レース2の)3コーナーでミスをしました。僕は(ブラッド・)ビンダーの後ろをいいペースで走っていて、バイクの感触もよかったんですけど、その周だけ、そのコーナーのその瞬間、問題が起こったんです」
「しかし、すでにチームとは話し合いました。チームが言うには、おそらく、ブレーキ温度が上がりすぎたせいだろうということです。ビンダーの後ろで2ラップに渡って走っていたからです。そのとき、ブレーキングポイントなどは変わらなかったのに、ブレーキのパフォーマンスは50%くらいに感じました」
しかし、その後は問題なくペースを刻んだ。予選日から苦戦しているというセクター2の課題はあるが、それもマッピングの変更という改善点が見えている。「パッケージ全体としてはとてもいいです。レース中、バイクを気持ちよく走らせることができました」と語り、今回同様にレッドブル・リンクで行われる次戦に向け「セクター2を改善できれば、表彰台に向けて争うことができるでしょう」と自信を見せた。
次戦に向け、水ぶくれを負った右足のリヤブレーキ対策として、中上はサムブレーキの投入を検討しているという。自己ベストリザルト更新、そして表彰台獲得に向け、中上はレッドブル・リンクの2度目のレースを戦う。