F.C.C.TSR Honda France ル・マン24時間耐久ロードレース 決勝レポート
2020.08.31
ル・マン2020
史上初無観客で開催されたル・マン24モト F.C.C. TSR Honda Franceが新型CBRで 初参戦、初の24時間レースで、世界初優勝!
史上初無観客となったル・マン24モト。ジョシュが予選前のフリー走行で痛めた右足のため、決勝前のウォームアップ走行を見合わせるなど、変転はあったものの、チーム全員全力で支える構えで、スタートライダーのみジョシュからマイクに変更して臨んだ24時間の決勝レース。
そしてオープニングラップ終了のストレートでトップに浮上すると、そのままトップをキープして2番手のジョシュに引き継ぐ。しかし、レースは序盤から荒れ気味、ジョシュに代わってしばらくすると早くも雨がパラリ。フレディに代わった直後にはセーフティカー(SC)の介入や転倒車両も発生。トップのチームも転倒し、フレディは再びトップに浮上することに。
そのようなタフな24時間が予感される中、マイクの2スティント目の冒頭、前を行くトップが転倒するアクシデント。108周目、再びトップに立ったマイクはトップのまま次のジョシュに交代。続くフレディと、結局その後はトップを譲ることなく、この変則的かつ史上初の無観客ル・マンで優勝を遂げた。
極めて順調にも見えるが、大きなトラブルや転倒が目に見える形でなかっただけで、実際には突然の降雨に対するタイヤチョイスや交換のタイミング、その他にもいろいろな場面、マイナートラブルなども出現。その都度どのタイミングで何をどうするのかスタッフとも話をし、ピット作業も速さよりも確実性を重視するなど、全員で乗り切るような対応、すなわち良いレース運びができたと言えると思う。
それに加え、8時間経過、16時間経過時点の順位に対して獲得できるボーナスポイントもそれぞれ1位の10ポイントを獲得。そして優勝の40ポイント、予選順位の2ポイント、これらの合計62ポイントを加えた87ポイントで世界ランキングは一気に2位に浮上した。もちろん、現在のトップ差は40ポイントあるので、チャンピオンシップは望んではいないが、昨年登場した新型CBR1000RR-Rを世界初優勝に導くレースが叶い、結果を残せたことは自負するところである。
今回のコロナ禍でFIM EWC世界耐久選手権シリースもスケジュールが大幅に変更。すでに昨年終了しているボルドール24時間とセパン8時間、そして今回のル・マン24時間が3戦目にあたり、鈴鹿8耐が中止になったために今季最終戦に様変わりし、9月19−20日に開催が予定されていた2020ボルドール24時間は、無観客では開催しないとして中止。代替でエストリル(ポルトガル)12時間が9月27日に開催されることになった。
このエストリル12時間は、最終戦に位置付けられるため決勝ポイントは150%、さらに8時間経過のポイント、そして予選ポイントが加わる。さらにこれまでにない短縮スケジュールで参加者にも運営にも負担の少ない大会とするようだ。詳細はル・マン後に発表すると、ル・マンで行われたチームミーティングでEWC運営は述べている。
■コメント
藤井正和チーム総監督
「今回のレースについての思いは様々ある。もちろん、今回のル・マンは勝ちたかったレースだし、何より新型CBRのEWC初参戦、初24時間レース、そして世界初優勝を達成できたことは自負したい。しかい、レースやバイクとは全く違うコロナ禍、しかもパンデミックという世界的な流行の中、果たしてレースなんてできるのか?一体たどり着けるのか?(レース会場だけでなく新型マシンを組み上げてスタートラインに並べる意味のたどり着く) そんなものを乗り越えて自分たちのマシンが組み上げられる喜び、自分たちのマシンでレースができる喜び、チームがこうして集まって一緒になって戦う喜びを多くの皆さんと分かち合って乗り越えていきたい、そんな思いがとても強く感じられます。皆さん一緒に頑張りましょう」