予選のQ1は、気温31度、路面温度51度のなかで行われた。Q1から予選に挑むのは、ミル、リンスというチーム・スズキ・エクスターのふたり、ビニャーレス、ポル・エスパルガロなどの面々である。しかしQ1開始前に、『技術的な問題』によりセッションの開始時間が遅れることが伝えられ、その後、9分遅れでQ1が始まった。
前半のアタックでは、リンスがトップタイムをマーク。ポル・エスパルガロが2番手で終える。
残り時間が3分になると、2番手につけていたポル・エスパルガロがタイムを更新。リンスが2番手に後退したが、その後ポル・エスパルガロのタイムを0.056秒更新して、再びトップに浮上した。
残り時間が1分を切ったところでは、最終コーナーでフランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)がクラッシュ。黄旗が提示されたため、以降にこの区間を通過するライダーのタイムは記録されないことになった。モルビデリの転倒後にこの区間にさしかかったビニャーレスはタイムを更新できず11番手、グリッドとしては21番手に沈んでいる。
最終的に、Q1はリンスがトップ。2番手がポル・エスパルガロでこのふたりがQ2進出を決めた。ビニャーレスのほか、ミルがQ1突破ならず、ミルは17番グリッドから決勝レースを迎える。
予選Q2では、前半のアタックで、まずマルク・マルケスが1分20秒567を記録してトップに立つ。しかし5分が経過したころ、クアルタラロがそのタイムを0.13秒上回る。クアルタラロがトップ、マルク・マルケスが2番手でいったんピットインを行った。
先にコースインしたのは、クアルタラロ。クアルタラロは自身のタイムを更新する。しかし、そのタイムをザルコが上回った。ザルコは1分20秒236を叩き出してトップに浮上。しかしその直後、ザルコが4コーナーでクラッシュを喫する。ハイスピードでの激しい転倒でエアフェンスに突っ込んだが、ザルコは無事だった。
さらにチェッカーが振られた直後には中上が1コーナーで転倒。ザルコと中上の転倒により、各コーナーでは黄旗が提示されることになった。
ザルコはそのままトップを守り、2020年シーズン第4戦チェコGP以来のポールポジション獲得となった。2番手はクアルタラロ。そして3番手にはアレイシ・エスパルガロが入り、アプリリアとしては2000年シーズン第16戦オーストラリアGP以来のフロントロウ獲得となった。
4番手はミラー、マルク・マルケスは5番手で、復帰後のベストグリッドを獲得している。オリベイラは6番手だった。終盤に転倒を喫した中上は9番手で、3列目から決勝レースを迎える。