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MotoGP ニュース

投稿日: 2022.07.06 16:35

TSRホンダ藤井正和総監督が語る3年ぶりの8耐、CBR1000RR-Rのポテンシャル/鈴鹿8耐参戦記者会見

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MotoGP | TSRホンダ藤井正和総監督が語る3年ぶりの8耐、CBR1000RR-Rのポテンシャル/鈴鹿8耐参戦記者会見

 7月6日、鈴鹿8時間耐久ロードレースの鈴鹿サーキット主催 合同テストが行われている三重県・鈴鹿サーキットで、F.C.C. TSR Honda Franceが鈴鹿8耐参戦記者会見を開いた。そのなかで、藤井正和総監督が2年間鈴鹿8耐が開催中止になったこと、3年ぶりにレギュラーライダーが鈴鹿サーキットを走ったことについてコメントしたが、独自にインタビューをした内容も織り交ぜながら紹介する。

藤井正和総監督(F.C.C. TSR Honda France)/2022鈴鹿8耐 鈴鹿サーキット主催 合同テスト
藤井正和総監督(F.C.C. TSR Honda France)/2022鈴鹿8耐 鈴鹿サーキット主催 合同テスト

■3年ぶりの鈴鹿8耐
 鈴鹿8耐が2016-2017からFIM世界耐久選手権(EWC)の最終戦に位置づけられたが、新型コロナウイルスの影響で日程が変更となった。そして、今季は第3戦となり、第4戦のボルドールが24時間レースであることからチャンピオンが決まることはなさそうだ。

「(鈴鹿8耐が最終戦じゃなく)残念ながら通過点になったから、そういう意味では悲しいね。(これまでは)鈴鹿8耐一本にかけて、何があっても勝つんだという精神でやってきたんですよ。そういうことができなくなったから……(ポイントを)落とせないので。最終戦で守らないといけない立場だったら守りますよ。逆転や一発だという時には行くしかないじゃないですか」と藤井総監督が語った。

「もう二度と(最終戦になることは)ないね。何があってもやらないとダメだったんですよ。世界のレースや世界の競技の中でイヤー(年)を跨いで最終戦にしてくれるようなものはここにしかなかったんですよ。COVID-19(新型コロナウイルス感染症)っていったってどこでもレースをやっていたのね。そのチャンスを逃したことっていうのは後になって後悔するというか、わかってくるんじゃないかな」

藤井正和総監督(F.C.C. TSR Honda France)/2022鈴鹿8耐 鈴鹿サーキット主催 合同テスト
藤井正和総監督(F.C.C. TSR Honda France)/2022鈴鹿8耐 鈴鹿サーキット主催 合同テスト

「誰のためにやっているのかというのが大事になるのですが、来てくれる人に感謝はしています。でもチャンピオンになるためにやっているので、たとえ思ったような成績じゃなくても“もれなく”、“こぼさず”でいきたいと思っています」

「強いて言えば、バブル方式になってみなさんと触れられないと思うんですよ。ファンのみんなとも交流できないと聞いているので、せっかく帰ってきたけど悲しいな。チャンスがあれば挨拶したいな、話したいなという感覚はありますよね」

 以上にあるように、バブル方式が採用されて、外国人を擁すチームと日本人のみで構成される全日本ロードチームがパドック内でも分けられる可能性があるようだ。今回の合同テストではその区切りはないが、本戦でバブル方式となるなら、パドックの関係者であっても交流が難しくなりそうだ。

ジョシュ・フック、マイク・ディ・メリオ(F.C.C. TSR Honda France)/2022鈴鹿8耐 鈴鹿サーキット主催 合同テスト
ジョシュ・フック、マイク・ディ・メリオ(F.C.C. TSR Honda France)/2022鈴鹿8耐 鈴鹿サーキット主催 合同テスト

■マシンとテストの感触
 また、前年のテストでは秋吉耕佑と高橋裕紀、今年のプライベートテストでも高橋裕紀がマシンを走らせたこともあるが、レギュラーライダーがホンダCBR1000RR-Rを鈴鹿サーキットで走らせるのは3年ぶりとなる。

 24時間レースを戦ったマシンは鈴鹿に合わず、エンジンからパーツに至るまでを検証し直して大幅にセッティングを変更することになるという。

「我々、(ライダーと)喧嘩(話し合い)をしていたんですよ。『セッティングが決まらない、藤井、どうすんだ』って。『エンジンが遅いじゃないか』って。これをレースまでになんとかしなきゃいけない」

「それだけギャップがあるでしょうね。僕らが考えていたことと、鈴鹿に帰ってきて試したものの差をちょっと感じますね。この差を埋めないと、トップグループで走り続けることはできないんじゃないかな」

「順位では、ヨシムラさん(ヨシムラSERT Motul)の後ろでもいいんです。ここで勝負じゃないので。ともかく、きちんと獲るもん獲って、チェッカーフラッグ受けて。マシンが想定していたセットではここでは優位性がないなと。それだけレベルが高いんじゃないですかね」

「(マシンは)基本的には24時間仕様で持ってきているんですよ。鈴鹿8耐仕様じゃないですね。それはちょっと舐めてたね。だから鈴鹿8耐仕様に、短期間でどこまで戻せるかな、合わせられるかなというのが今日の午前中までの感覚です。午後には(すぐに)できないし、組み直さないといけないので、時間や労力がかかるし、やっていたらテストの時間がないから、今から帰ってチームと相談します。でも我々ならできるでしょう」

ジノ・レイ(F.C.C. TSR Honda France)/2022鈴鹿8耐 鈴鹿サーキット主催 合同テスト
ジノ・レイ(F.C.C. TSR Honda France)/2022鈴鹿8耐 鈴鹿サーキット主催 合同テスト

■EWCのレベルの高さ
 それでも3年ぶりに参加したテストで、初日は2分08秒台、2日目の午前には2分07秒台と調子を上げて、上位のタイムを記録している。それはEWCのレベルが高いことの証明にもなった。

「でも、皆さん見ていただいた通りですね。ちょっと昔まではEWCの耐久チームは、全日本やファクトリーのチームに近づくとか、同じように走ることができなかったじゃないですか。だけど、たまたま我々が帰ってきて、全日本でずっと走っている人たちや、そういうチームに対しても十分に戦えるような感触が出たり、そういうポジションにいるというぐらい、今のEWCってすごいですよ」

「これはね、実際我々が戦っていて、まるでグランプリやってるぐらいの感覚。彼らと一緒に戦えることを光栄に思うし、ホンダフランスと一緒にやっていて、いろいろなメーカーさん、いろいろな人たちに支援してもらい、一緒にやってることが人生最後のお勤めかなという風に思いながら、鈴鹿で必死にあがいて、カワサキ(Kawasaki Racing Team Suzuka 8H)やホンダレーシング(Team HRC)を食って四つに戦えるようにしたいなと思っています。皆さんお会いできて嬉しかったです」

 レースの本番は8月4~7日だが、直前の8月2~4日の3日間は2度目の合同テストが開催される。今シーズンは2連続で3位表彰台を獲得しているF.C.C. TSR Honda FranceがホンダCBR1000RR-Rを“鈴鹿8耐仕様”に仕上げ、チャンピオンシップを戦う姿に期待できるだろう。

F.C.C. TSR Honda Franceの鈴鹿8耐参戦記者会見/2022鈴鹿8耐 鈴鹿サーキット主催 合同テスト
F.C.C. TSR Honda Franceの鈴鹿8耐参戦記者会見/2022鈴鹿8耐 鈴鹿サーキット主催 合同テスト


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