開幕戦はアウトドローモ・インターナショナル・アルガルベ。ポルティマオとも呼ばれる。アップダウンが激しい、攻略が難しいと言われるコースだ。開幕戦直前の3月17日から19日にかけて、Moto2の公式テストがこのアルガルベで行われていた。野左根にとっては、SBKでのレース経験があるサーキットだ。
「SBKで走るよりは、好きです。SBKだとパワーがあるので、ここのコースはウイリーを抑えるのが難しいんです。Moto2でもまだまだ改善が必要なんですけど、Moto2で走ったほうが走りやすいというか……。(SBKのレースを含めて)何度か走ったことがあるからかもしれませんが、あまり好きなサーキットではなかったけど、少しずつ走り方も理解できているのかな、と」
では、野左根選手にとってこのコースの攻略のポイントは?
「今の僕の課題はハイスピードコーナー。やはりそこが肝かなと。あとは、特に最終コーナーが課題ですね」
最終コーナーは大きなRを描く右コーナーで、立ち上がると少し上ってメインストレートとなる。
「最終コーナーはすごく難しくて、ただ右に曲がっているように見えるんですが、すごく高低差もありますし、カントが切り替わったりして、走ってみるとほんとに難しいんです。最終コーナーを速く走ることでメインストレートを速く走れます。速いライダーはそこが速いです。そこが一番の課題で、肝かなと思います」
新しいカテゴリーへの挑戦となるこのシーズンを、野左根はどう戦っていこうとしているのだろう。
「レギュラーライダーとして(Moto2に)参戦するのは初めて。前半戦は順位もあるけど、うまく成長できるようしっかりレースをして、中盤戦、後半戦に向けて順位を上げて、内容のいいレースがしたいと思います。半分くらい初めて走るコースになりますから、初めてのコースでいかに対応できるか。SBKではその対応がうまくできなかったところがあるので、それも自分の目標です」
「今まで(SBKで)やってきた2年間と、その反省を生かして、初コースでもしっかりと戦えるように頑張りたいと思います」
Moto2ライダー、野左根航汰の新しい挑戦が、始まろうとしている。
■野左根航汰(のざね こうた)
1995年10月29日生まれ。千葉県出身
2010年に全日本ロードレース選手権J-GP3に参戦して全日本デビューし、2013年にJ-GP2のチャンピオンを獲得。2014年、JSB1000にステップアップしたのち、2017年からはヤマハファクトリー・レーシングチームに所属。2020年、JSB1000でチャンピオンに輝いた。2021年から2022年はSBKに参戦。2023年は戦いの舞台をMoto2クラスに移し、Correos Prepago Yamaha VR46 Teamから参戦する。
