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クルマ ニュース

投稿日: 2020.07.27 17:31

レクサスのちょっと微妙な世界を垣間見る熟成クーペ。レクサスRC350【ベース車両一刀両断!!】

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クルマ | レクサスのちょっと微妙な世界を垣間見る熟成クーペ。レクサスRC350【ベース車両一刀両断!!】

 RCシリーズは2018年のマイナーチェンジで大幅に改良された。プラットフォームまで手が入ったようで、決定的に不足していたフロア剛性が引き上げられている。

 それでも充分とは言えないが、乗り心地もハンドリングもそれなりのレベルに仕上がった。

 ステアリングやブレーキの感触は相変わらず悪く、「ハイペースで走って気持ちいい」というような状況にはならないものの、改良前のように不快感を覚える場面が減ったことは間違いない。

 ハンドリングはフロントの重さを感じさせるもので、一般的な言い方をすればアンダーステアが強めだ。

 ターンインしようとステアリングを切ると、前方から「よっこらしょ」という声が聞こえてきそうだ。

 ボディがより大きく重いLCのほうが、ハンドリングの面でははるかに小さなクルマだと勘違いできるほどである。

クーペとしては広々としたコックピットを持つRC。ステアリングスイッチを除けば、インテリアの質は高いと言える。フル液晶のメーターパネルは中央のリングが表示モードによって移動するギミックがあるが、これはLCと共通で、アルテッツァ由来のアイコンだ。
クーペとしては広々としたコックピットを持つRC。ステアリングスイッチを除けば、インテリアの質は高いと言える。フル液晶のメーターパネルは中央のリングが表示モードによって移動するギミックがあるが、これはLCと共通で、アルテッツァ由来のアイコンだ。

 この傾向はよりフロントが重いRC Fでは一層、顕著になる。だが、このあたりは低剛性な古いプラットフォームにワイドな大径タイヤを組み合わせているので仕方がない部分か。

 いいバランスを求めるなら上級グレードの『Fスポーツ』よりも、18インチタイヤ+ノーマルサスの組み合わせのほうがベターで、RCの性格にはマッチしている。

 とは言うものの、もっと軽量でコンパクトなIS350を選択したほうが“パーソナルクーペ”的な空気を味わえる。セダンとしてはタイトで、リヤシートの実用性が高くないのがポイントだ。

 クーペをクーペたらしめるのは、2ドアであることではなく、“個人的な空間”であることだ。さらに言えば、作り手には「どのようなパーソナルスペースを提供するのか」が試される。

 上質さや性能、機能の追求はセダンでやればいい。クーペとしてのアピール力は、RCだけでなく、LCも不足している。とどのつまり、それは「高級さを欠く」ということなのだが。

RC FよりベーシックなモデルのRC350はスーパー耐久のST-3クラスでその姿を見ることができる。
RC FよりベーシックなモデルのRC350はスーパー耐久のST-3クラスでその姿を見ることができる。

■レクサスRC350 主要諸元

車体
車名・型式 DBA-GSC10-RCZLH
全長×全幅×全高 4700×1840×1395mm
ホイールベース 2730mm
トレッド 前/後 1580/1600mm
最低地上高 125mm
車両重量 1690kg
乗車定員 4名
駆動方式 FR
トランスミッション 8速AT
ステアリング 電動パワーステアリング
サスペンション 前/後 ダブルウイッシュボーン(スタビライザー付き)/マルチリンク(スタビライザー付き)
ブレーキ 前/後 ベンチレーテッドディスク/ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ 235/45R18
エンジン形式 V型6気筒
総排気量 3456cc
最高出力 234kW(318ps)/6600rpm
最大トルク 380Nm(38.7kgm)/4800rpm
使用燃料/タンク容量 プレミアムガソリン/66L
車両本体価格 649万4000円

auto sport 2019年12月13日号 No.1520より転載


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