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クルマ ニュース

投稿日: 2021.10.18 11:15
更新日: 2021.11.01 12:33

異例の長期納車待ちが続くスズキ・ジムニー/ジムニーシエラ。「欲しい」が殺到、“本格派”を強めた軽四駆【市販車購入ガイド】

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クルマ | 異例の長期納車待ちが続くスズキ・ジムニー/ジムニーシエラ。「欲しい」が殺到、“本格派”を強めた軽四駆【市販車購入ガイド】

■ジムニー/ジムニーシエラ、どちらを選ぶ?

スズキ・ジムニー 車両価格帯:148万5000〜190万3000円
スズキ・ジムニーシエラ 車両価格帯:179万3000〜208万4500円

 ジムニー/ジムニーシエラ選びにおいて、最初に悩むのは、軽自動車のジムニーか、乗用車のジムニーシエラ(以下シエラ)のどちらを選ぶのか?ということだ。 

 ジムニーとシエラは、ボディシェルを共有する兄弟関係にあるため、室内寸法はまったく同じ。シエラはトレッド幅が幅広になるため走行安定性は優れるが、室内&荷室の使い勝手などは、ジムニーとさほど変わらない。装備や機能も、ジムニーとシエラは、ほぼ同等の内容となっている。

 両車の大きな違いは、動力性能だ。軽自動車のジムニーは、0.6リッター直列3ターボエンジンを搭載する(64ps/9.8kgm)。乗用車のシエラは、1.5リッター直列4自然吸気エンジン(102ps/13.3kgm)を搭載する。

 ジムニーは、ターボを組み合わせることでスペックを稼いでいるものの、排気量に余裕があるエンジンを搭載するシエラとは大きな差がある。市街地をゆったりと走るシーンでは、それほど気にならないが、高速道路の追い越しや登坂路、シビアなアクセルコントロールが求められる悪路では、非力さを感じる。

ジムニーはR06A型ターボエンジンを縦置きに搭載。FR/4WDを手動で切り替えるパートタイム式4WDが組み合わされる。オンロードを走る際は後輪駆動が中心になるため、操る楽しみが味わえる。
ジムニーはR06A型ターボエンジンを縦置きに搭載。FR/4WDを手動で切り替えるパートタイム式4WDが組み合わされる。オンロードを走る際は後輪駆動が中心になるため、操る楽しみが味わえる。
トランスミッションは5速MTと4速ATを用意。低速で走るクロカン走行時の扱いやすさやダイレクト感を重視したギヤ設定を持つため、高速走行時などはエンジン回転数がやや高めになる。
トランスミッションは5速MTと4速ATを用意。低速で走るクロカン走行時の扱いやすさやダイレクト感を重視したギヤ設定を持つため、高速走行時などはエンジン回転数がやや高めになる。

 アクセルレスポンスも自然吸気エンジンを搭載するシエラの方がスムーズで扱いやすい。ちなみに、ジムニーは重心が高いため高速走行時に横風を受けるとハンドルを取られがちなのだが、トレッドが広くて太いタイヤを装着しているシエラの方が明らかに安定感が高い。歴代モデル以上に、現行ではジムニーとシエラの差は大きく広がっていると言っていいだろう。

 一方、ジムニーの有利な点は、購入してからのランニングコストだ。毎年の自動車税や車検時にかかる重量税や自賠責保険に加え、任意保険料も軽自動車のジムニーの方が安い。2倍……とまではいわないまでも、ジムニーと比べると明らかにシエラの負担は大きい。

 動力性能や走りを優先するならばシエラ、コストパフォーマンスを重視するならばジムニーというのが、歴代ジムニー選びの鉄則だが、現行モデルに関してはその構図が変わってきている。

 先代に比べるとシエラはクロカンテイストが高まったスタイリングを持つことや基本性能の向上が大きいこともあって、積極的にシエラを選ぶユーザーが増えている。

 ちなみに歴代ジムニーの売却時のリセール価格はジムニーの方が圧倒的に高く、それもジムニーを選ぶ理由となっているが、現行モデルではジムニーもシエラも記録的な品薄が続いていることもあって、現時点では両車ともリセール価格は高値安定が続いている。

 今後品薄が解消されていけば状況は変わるかもしれないが、1回目の車検時期で手放すというケースなら、ジムニーとシエラのリセールの強さは同等と考えてもいいだろう。ジムニーとシエラで悩んでいるならば、動力性能面で秀でているシエラを選んでおくことをオススメしたい。

■ジムニーのグレード選び

 ジムニーのグレードは最もベーシックな『XG』、中間の『XL』、上級の『XC』の3つで構成される。『XG』は法人需要を意識したグレード。オフローダーとしての基本機能は装着されるが、内装加飾や装備は必要最低限に留まる。

ジムニー/ジムニーシエラは2021年9月にヘッドライトの仕様変更を中心とした一部改良を実施。
ジムニー/ジムニーシエラは2021年9月にヘッドライトの仕様変更を中心とした一部改良を実施。

 『XL』以上は、キーレススタートスイッチやフォグランプや、撥水シート、リヤシートリクライニング機構などの快適装備も用意。上級の『XC』においては、LEDヘッドライトやクルーズコントロールのほか、プリクラッシュブレーキなどの安全機能も標準装備となる。さらに、ツートンカラー仕様を選べるのは『XC』のみとなる。

 『XG』と『XL』でも安全装備は、スズキセーフティサポートパッケージとしてオプション装着車を選ぶことも可能。『XL』のスズキセーフティサポートパッケージ装着車の車両価格は161万1500円〜、『XC』は177万6500円〜の設定。価格を比べるとその差は約16万円ほど。『XC』の方がリセール価格も強いことを考えれば、『XC』を選んだ方が購入満足度は高いだろう。

 ちなみに歴代のジムニーは、専用の内外装意匠が与えられた特別仕様車(ワイルドウインドやランドベンチャーなど)の人気が高く、販売割合の大半を占めていた。しかし、登場から3年以上経過した現行モデルは、未だレギュラーグレードのみ。納期は未だ12カ月以上とアナウンスされていることを考えれば、近々に特別仕様車が追加される可能性は低いと予測される。

前席は平均的な軽自動車レベルの居住性だが、後席はかなり狭い。2名プラス荷物という使い方がベターだろう。
前席は平均的な軽自動車レベルの居住性だが、後席はかなり狭い。2名プラス荷物という使い方がベターだろう。
後席格納時は荷室の床面はフラットになる。床面に防汚仕様が奢られるなど、先代に比べてユーティリティ性能が大きく向上している。
後席格納時は荷室の床面はフラットになる。床面に防汚仕様が奢られるなど、先代に比べてユーティリティ性能が大きく向上している。

 

■ジムニーシエラのグレード選び

 ジムニーシエラのグレードは『JL』と『JC』のふたつ。ジムニー『XG』に相当するグレードは設定されていない。グレードの装備差は基本的に、ジムニーの『XL』と『XC』と同じ関係になると考えていい。ツートーンカラー仕様が選べるのも上級の『JC』のみ。ジムニー『XL』のスズキセーフティサポート装着車とジムニーシエラ『JC』の価格差は約16万円ほどなので、ジムニーと同様に上級の『JC』を選ぶことをオススメする。

外観がワイドフェンダー仕様になる乗用車のジムニーシエラ。こちらも納期は12カ月以上とアナウンスされている。生産台数が少ない分だけ、実際の納期はジムニーより厳しいようだ。
外観がワイドフェンダー仕様になる乗用車のジムニーシエラ。こちらも納期は12カ月以上とアナウンスされている。生産台数が少ない分だけ、実際の納期はジムニーより厳しいようだ。
ジムニーシエラには、1.5リッター直4NAエンジンが組み合わされる。先代の1.3リッターNAエンジンと比べると低中速域での出力特性が向上している。4速ATとの相性も良いため、AT車を狙うならジムニーシエラがオススメだ。
ジムニーシエラには、1.5リッター直4NAエンジンが組み合わされる。先代の1.3リッターNAエンジンと比べると低中速域での出力特性が向上している。4速ATとの相性も良いため、AT車を狙うならジムニーシエラがオススメだ。

■ジムニー/ジムニーシエラのオススメ装備

ツートンカラー
現行ジムニーは、先代に比べてボディカラーのバリーエションが増加した。ルーフの色を塗り分けるツートンカラー仕様の中には追加費用が必要になる組み合わせもあるが、個性的なシルエットを求めるユーザーにとっては魅力的な選択だろう。

スズキ セーフティサポート
前方の車両や歩行者を検知し衝突のリスクを低減させるデュアルセンターブレーキサポートや車線逸脱警報などを含む安全パッケージ。ジムニーもジムニーシエラも上級グレード(XC、JC)は標準装備だが、その他のグレードはオプション対応となる。現代のクルマにとってマストな装備だけに、是非装着したい。

サイドデカール
ジムニーのサイドボディ面を豊かにしてくれるサイドデカールは、複数のデザインが純正オプションとして用意されている。カスタムの範疇に入る装備になるが、純正のサイドデカールは売却時にマイナス評価(プラス評価される場合も)されることもないので、好みのデザインがあるなら選んでみたい。

*写真は2021年9月の一部改良前のモデルです。


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