TKRI 2023スーパー耐久第6戦岡山 レースレポート
TKRI 2023スーパー耐久第6戦岡山 レースレポート
TKRI
ENEOSスーパー耐久シリーズ2023 Supported by BRIDGESTONE
第6戦 スーパー耐久レースin岡山
2023年10月21日(土)〜10月22日(日)
岡山国際サーキット(岡山県)
入場者数:10月21日 2,800人 10月22日 3,800人
勝利を狙うも届かず2位表彰台
連続表彰台を伸ばしランキング2位で最終戦へ
FREE PRACTICE
酷暑のレースとなった9月初旬の第5戦もてぎでも見事に2位表彰台を獲得し、今季参戦した全戦での表彰台獲得記録を継続、さらにチャンピオン争いも視野に入れる戦いを続けているTKRI。そんなシーズンも残り2戦。シリーズは岡山国際サーキットでの第6戦を迎えた。ウエイトハンデの数字も大きくなっており、タイトル争いにとっても重要な一戦だ。
そんなレースに向け、TKRIは10月19日(木)午後1時20分から1時間ずつ2本行われた特別スポーツ走行に臨んだ。晴天に恵まれたものの、夏の暑さが過ぎ去り、秋の空気の冷たさを感じながら行われた2本の走行で、週末に向けた準備を進めていった。
走行2日目となる10月20日(金)は午前11時から1時間20分のSTEL専有走行1回目が行われた。この日の岡山国際サーキットは曇りで、事前の天気予報どおり、走行途中からポツポツと雨が舞いはじめた。そんななかTKRI 松永建設AMG GT3は元嶋佑弥からDAISUKE、ふたたび元嶋、そして中山友貴と交代しながら周回。1回目は4番手で終える。
ただその走行後、雨が降り出し、一時小康状態にはなったものの路面はウエットに。コンディションは非常に中途半端な状況で、土日の天気予報が晴天だったことから、TKRI 松永建設AMG GT3は走行を見合わせ、1日半の特別スポーツ走行/専有走行を終えた。
QUALIFY
迎えた10月21日(土)の予選日は、事前の天気予報では晴れだったものの、午前10時20分から行われたフリー走行は曇り空。元嶋とDAISUKEがドライブし走行を終えたが、その後公式予選までのインターバルの間に、サーキットには予報にはない強い雨が舞った。
すぐに天候は回復し路面コンディションは少しずつ乾いていったものの、路面には水が残っている。午後1時55分から行われたAドライバー予選は難しい状態で行われた。ここでDAISUKEはスリックを履いてアタックしたものの、「“置き”に行ってしまった」と攻めきれず。1分32秒943というタイムで6番手で終えることになった。今回は変則的にCドライバー予選が続いて行われ、中山が走行。最後にBドライバー予選が行われ、ここで元嶋は乾ききった路面で1分29秒904を記録するが、合算で6番手からスタートすることになった。
RACE
10月22日(日)の決勝日、朝から青空となった岡山国際サーキットは、気温、路面温度もグングンと上昇。そんななか、午後1時30分からグループ1の決勝レースを迎えた。
TKRI 松永建設 AMG GT3のスタートドライバーを務めたのは元嶋。フォーメーションラップスタート時、2番手の#500 GT-Rが発進できなかったこともあり、いつものように序盤からの元嶋の鬼神の追い上げに期待がかかった。元嶋は1周目に3番手までポジションアップし、気温が高いことからグリップ感の薄さを感じるものの、期待どおりの走りをみせていく。
その後元嶋はトップ2台との差を縮めるべくプッシュしていくが、ST-Zクラスの集団に差しかかった際、トラブルが発生した車両に行く手を阻まれ、12周目には#81 GT-Rの先行を許してしまった。とはいえ元嶋はテールに食らいくと、27周目に一瞬のスキをつき3番手を奪還した。
ここでチームは、元嶋のスティントを引っ張る作戦に出る。続くDAISUKEのスティントの後、タイヤを交換せずコース上で前に出て、トップを奪う作戦だ。元嶋は1時間20分ほどの長いスティントをこなし50周を走りピットインすると、DAISUKEにステアリングを託した。
前日の予選を終えたときから、決勝レースでの巻き返しを誓っていたDAISUKEは、トップのままコースに戻っていく。このスティントではすでにプロが乗っているチームもおり、いかにリードを守り、アベレージを高く走っていくかが勝敗のカギと言えた。
ただ、ここでDAISUKEには思わぬトラブルが。ピットからの無線が通じないのだ。状況がうまく伝えられず、その影響で他車と軽い接触を喫するシーンもあったが、それでもDAISUKEは予選の悔しさを晴らすかのように高いアベレージタイムでラップを重ねていった。ライバルたちとはピットインのタイミングが異なっているため、直接の位置関係は各車が最後のピットインを終えなければ分からなかったが、それでも2番手以下に39.861秒のマージンを保ち、88周を終えてピットに戻ると、TKRI 松永建設 AMG GT3のステアリングを中山に託した。
接触があったこともあり、ここでタイヤ交換を行うが、その間にスタートから首位をキープしていた#14 メルセデスAMGに先行を許すことになってしまったものの、中山の後方に大きなマージンがあったことから、TKRI 松永建設 AMG GT3の2番手は盤石なものとなった。
トップを走る#14 メルセデスAMGはプロが乗り込んでおり、その差も大きかったが、中山は終盤、そのギャップを縮めると、最後まで集中力を切らすことなく114周を走り切り、2位でフィニッシュすることになった。
これで開幕戦から続くTKRI 松永建設AMG GT3の連続表彰台はさらに伸びることになった。もちろん勝てていないことでの悔しさはあるが、これで結果的にランキング2位に浮上。ポイント差は大きいことから可能性は小さいものの、最終戦となる11月の富士まで、チャンピオンへの権利を残すことになった。
2023年のスーパー耐久シリーズも、いよいよ残すところ1戦。長いシーズンを戦ってきたTKRIは、シーズン最終戦で今季の成長をしっかりとみせ、2勝目を掴むべく臨んでいく。
DRIVER’S VOICE
DAISUKE
今回、事前に元嶋選手に協力してもらい練習していたことから、乗り出しから良いペースで走ることができました。ただ雨もあり、『置きに行った』痛恨の予選になってしまいましたね(苦笑)。でもそれも経験だと思っています。レースでも無線が繋がっていないトラブルがありましたが、これもまた経験だったと思います。結果的に、チームの皆さんのおかげでレースでは2位、ランキングでも2位ということで、可能性は小さいかもしれませんが、まだチャンピオンの可能性もあるということです。今季全戦で表彰台に乗り続けられていますし、最後に有終の美を飾りたいと思います。
元嶋 佑弥 YUYA MOTOJIMA
スタートから順位を上げることができましたが、途中ST-Zの争いのなかでトラブル車両が目の前に出てしまって。順位を落とすことになりました。その後3番手を奪い返すまでに時間がかかり、優勝争いができるかできないかのターニングポイントになってしまったと思います。結果的にトップに立ってDAISUKE選手に渡すことができましたが、DAISUKE選手がプロと変わらないようなペースで走ってくれたので、それが2位に繋がったのではないでしょうか。もちろん最終戦は勝って終わりたいです。その上で結果的にチャンピオンがついてきたら嬉しいですね。
中山 友貴 YUUKI NAKAYAMA
直前に雨があり、乾きかけの状況での予選になったことから、DAISUKE選手も思うようなパフォーマンスを出し切れませんでしたね。結果的に天候に翻弄されて6番手からのスタートとなりましたが、決勝レースではチームの安定感、作戦の良さが活きました。いろいろなことがありましたが、2位まで追い上げられたのはチームの総合力の結果だと思います。これでランキング2位になりました。首位は強敵ですが、僕たちも負けない気持ちをたくさんもって最終戦に臨みたいですし、まずは優勝しないとチャンピオンの可能性もないので、勝って一年を締めくくりたいと思います。
河野 高男 監督 TAKAO KOHNO
途中までは勝てるイメージもありましたが、2位は十分な結果だったのではないでしょうか。序盤、元嶋選手が周回遅れに引っかかり抜かれ、首位と差が開いてしまったこと、またDAISUKE選手の無線が通じないことがあり、タイヤのピックアップを拾ってしまったことがありました。とはいえDAISUKE選手のペースは全体的にすごく良かったです。うまくやれば優勝の可能性もありましたが、そうは言ってもまだチャンピオンの芽がありますからね。楽しいレースでした。結果は2位でしたが、満足できるレースだったと思います。次戦はいよいよ最終戦ですが、勝って終わりたいですね。