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国内レース他 ニュース

投稿日: 2023.10.29 21:58

Porsche Team EBI WAIMARAMA 2023スーパー耐久第6戦岡山 レースレポート

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国内レース他 | Porsche Team EBI WAIMARAMA 2023スーパー耐久第6戦岡山 レースレポート

Porsche Team EBI WAIMARAMA
Super Taikyu RACE REPORT

2023 Round.06  OKAYAMA

ENEOSスーパー耐久シリーズ2023 Supported by BRIDGESTONE
第6戦 スーパー耐久レースin岡山
2023年10月21日(土)〜10月22日(日) 決勝レース結果:リタイア

専有走行
10月19日(木)  特別スポーツ走行 天候:晴れ 路面:ドライ
10月20日(金) STEL専有走行1回目/2回目 天候:曇り/雨 路面:ドライ/ウエット

 酷暑のなかで行われた第5戦もてぎでは、トップ争いを展開しながらもレース終盤にまさかの火災に見舞われ、レースを失うことになってしまったPorsche Team EBI WAIMARAMA。その後、チームは車両修復に取りかかり、3時間レースで争われる第6戦岡山を迎えた。決勝日となる10月22日(日)には富士スピードウェイではEBI Groupによるイベントも予定されており、ライブ中継も実施。多くのポルシェファンのためにも、好結果を残したい一戦だ。

 そんなレースに向け、Porsche Team EBI WAIMARAMAはAドライバーに第3戦以来の参戦となるKIZUNAを据え、千代勝正、山野直也というトリオで臨んだ。10月19日(金)は晴天のもと、午後1時20分から1時間、午後3時45分から1時間と、合計2回の特別スポーツ走行が行われ、Porsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RS CSは修復の確認、そしてレースウイークに向けたセットアップを進めていった。KIZUNAもひさびさの岡山でのドライブながら、順調に初日を締めくくった。

 明けて走行2日目となる10月20日(金)の岡山は曇り空。午前11時から行われた専有走行1回目ではKIZUNA、千代と交代しながら周回し、セッションの最後には千代が1分36秒982というタイムを記録。ST-Zクラスの2番手につける。この好調を繋げるべく午後の走行に臨みたかったが、サーキットには雨が降り出し、ウエットコンディションとなったことから、チームは午後の走行を見合わせ、専有走行を終えることになった。

公式予選
10月21日(土) ウォームアップ 天候:曇り 路面:ドライ 
10月21日(土) 公式予選 天候:晴れ 路面:ウエット/ドライ

 迎えた10月21日(土)の予選日、Porsche Team EBI WAIMARAMAにとっては思わぬ事態に見舞われてしまった。AドライバーのKIZUNAが発熱してしまったのだ。KIZUNAはそもそも責任ある立場の人物であり、ドライブを無理強いするわけにもいかない。チームはAドライバーが出走しないことによるペナルティを覚悟で決勝レースを戦う可能性が出てしまった。

 チームはAドライバー予選は出走せず、今回、先に行われたCドライバー予選では山野が1分37秒330とトップタイムを記録し、さらに最後に行われたBドライバー予選には千代が出走し、1分35秒622を記録。Porsche Team EBI WAIMARAMAはKIZUNAの回復も祈りつつ、ドライバーふたりがトップタイムで速さをみせ予選日を終えることになった。

Porsche Team EBI WAIMARAMA 2023スーパー耐久第6戦岡山 レースレポート
Porsche Team EBI WAIMARAMA 2023スーパー耐久第6戦岡山 レースレポート

決勝レース
10月22日(日) 決勝 天候:晴れ 路面:ドライ

 迎えた10月22日(日)の決勝日は、午前にグループ1の決勝レースが行われたこともあり、比較的朝は余裕があった。チームは午後1時30分からの決勝レースに向けて準備を進めていったが、チームに朗報がもたらされた。KIZUNAの体長が回復し、決勝レースに出走できることになったのだ。予選は出走していなかったことから最後尾スタートとなったが、それでもペナルティ等はなしでレースを戦えることになった。

 スタートドライバーを務めることになった千代は、地力のスピードをみせつけるかのように、グループ1の最後尾からスタートすると、1周目には他クラスの集団をかわしST-Zクラスの6番手までポジションを上げていく。さらに、6周目には5番手に浮上すると、最後尾スタートをまったく感じさせないような追い上げをみせ上位陣に食らいついていった。

 9周目、千代はランキング首位の#52 GR Supraをかわし3番手まで浮上する。千代とPorsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RS CSの勢いはとどまるところを知らず、10周目には2番手に。昨年のチームメイトである大草りき選手が乗る#34 アウディに迫っていった。スタートから1時間15分を過ぎ、千代がテールに迫ったところで#34 アウディはピットイン。Porsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RS CSは最後までピットインを遅らせトップに立つと、1時間25分ほどの長いスティントをきっちり終え、50周をこなしピットインを行った。

 ここでKIZUNAにドライバー交代を行い、チームはピットアウトしようとしたが、事態が急転する。停止したPorsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RS CSの下面からなんらかの油脂がこぼれていた。オフィシャルの指示により修復が命じられ、まずここまでの千代の頑張りが失われることになってしまった。

 チームは車体下面からこぼれ落ちる油脂の出どころを特定すべく素早い作業を進めていったが、結果はミッションブロー。サーキットで修復ができるものではないことが確認され、Porsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RS CSはまたもリタイアを喫することになってしまった。

 このギヤボックスはライフが定められているものではなかったが、今回は不意にトラブルがやってくることになってしまった。

 KIZUNAの体調不良を千代の頑張りで打ち消すだけの速さをみせつけることができたが、いかんせん今季のPorsche Team EBI WAIMARAMAは流れが悪く、結果が残らない。

 シーズンは残すところ最終戦となる第7戦富士のみ。決してポルシェにとって得意なコースではないが、2023年シーズンをせめて良いかたちで終わらせるべく、 チームはトラブル再発防止に取り組んでいく。

Porsche Team EBI WAIMARAMA 2023スーパー耐久第6戦岡山 レースレポート
Porsche Team EBI WAIMARAMA 2023スーパー耐久第6戦岡山 レースレポート

DRIVER COMMENTS
KIZUNA キズナ

「体調は予選日に休ませていただいたおかげで、なんとか乗ることができるくらいに回復することができました。完走した方が良いとのことで走ることにしましたが、まわりのチームに迷惑をかけてもいけないと思っていたので、そこは少し心配していましたけどね。ただいざ走ろうかというタイミングでトラブルが起きてしまって残念でした。今回、走り出しはプロとの差が大きかったので、もっと練習しなければいけませんね。今季はトラブルが続いているので、富士は皆さんのサポートを得て、しっかり終えたいです」

KATSUMASA CHIYO 千代 勝正
「レースはいろいろありますね。人間も身体を壊すこともあればクルマも壊れることがありますし。やっぱりみんなが万全でなければレースは完走できません。今回は予選も決勝も、ポルシェの速さを披露するだけになってしまいました。とはいえトラブルは仕方がないので、チームにもしっかり対策してもらって、最終戦に気持ち良くレースができるようにしてもらえればと思います。この岡山は本当にクルマが合っていて気持ち良く走れていただけに、残念な結果になってしまいましたね」

NAOYA YAMANO 山野 直也
「トラブルの原因はミッションブローでした。今回気温も下がってきて、ターボ車とのパワー差もなくなってきたなかで、コース特性も合っており、速さがある週末でした。KIZUNA選手の体調不良もありながら、決勝に向けて回復してもらったにもかかわらず、またも不運が起きてしまって残念な結果となってしまいました。最終戦までにスペアのミッションもあるのでもちろん修復は可能ですが、少しトラブルが続いてしまっていますね……。速さはあるので、最終戦は有終の美を飾りたいと思っています」


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