ST-2クラスはスタート直後に、13号車ENDLESS GR YARISと225号車KTMS GR YARISがAドライバーハンデキャップを消化するためにピットへ。逆転タイトルを目指す743号車Honda R&D Challenge FL5がリード、13号車ENDLESS GR YARISと225号車KTMS GR YARISがピット時間を短縮し追い上げる展開となる。
ただ、ランキングをリードして最終戦を迎えていた13号車ENDLESS GR YARISにレース中盤まさかの事態が。エンジントラブルを抱えたかエキゾーストから白煙をあげスローダウン。なんとかピットに戻り再度コースインするが、トラブルは深刻で、再度ピットへ。完走を諦めまいと、急遽エンジン交換の大作業をスタートさせた。一方優勝がタイトルへの絶対条件となっていた743号車に対し、コンスタントに追い上げた225号車が首位を奪取。しかし、今季たびたびトラブルが発生していた225号車にはまさかのエンジントラブルが発生。これでふたたびトップに浮上し優勝を飾った743号車が逆転でクラスタイトルに輝いた。2位には6号車新菱オートDIXCEL夢住まい館エボ10、3位には新菱オートDIXCELエボ10が入り、シンリョウレーシングチームは2台揃って表彰台獲得となった。
ST-3クラスは、予選でワン・ツーとなったTRACYSPORTS with DELTAの39号車エアバスター WINMAX RC350 TWS、38号車ヒグチロジスティクスサービス RC350 TWSの2台がリードするが、岡部自動車とTEAM ZEROONEのニッサン・フェアレディZ勢が追い上げ、5番手から追い上げてきた15号車岡部自動車フェアレディZ34が24周目にトップに立つ。
しかし、39号車RC350は2時間が経過した時点で39号車は15号車を抜いてクラス首位の座を奪い返し、僚友38号車も2番手に続く。39号車はペースを緩めることなくレースを制し今季初優勝。そして、25号車raffinee 日産メカニックチャレンジ Zのタイヤが外れてしまうトラブルもあって3位フィニッシュを果たした38号車がST-3クラスのタイトルを獲得した。
ST-4クラスは、ポールポジションの3号車ENDLESS GR86がトラブルによりグリッドに着くことができず、2番手の884号車シェイドレーシング GR86がレースをリード。ランキングトップの41号車エアバスター WINMAX GR86 EXEDYが5番手から追い上げ2番手に続く。884号車は、30分が経過したころにAドライバーハンデキャップでドライブスルーを行ってポジションダウンし、6番手スタートから追い上げてきた18号車WedsSport GR86が41号車と首位を争いトップに立った。
レース中盤の第2スティントに入りペースを上げてきたのは86号車TOM’S SPIRIT GR86の坪井翔。2時間が経過したころにアドバンコーナーで18号車を抜いてトップに浮上。その後も86号車は松井孝允、河野駿佑とバトンを繋ぎ、最終的には2位に1周の差をつけてトップでチェッカーを受けた。そしてランキングトップの41号車は、レース終盤に一度は先行を許した18号車を抜き返して2位表彰台を獲得し、クラスタイトルに輝いた。
ST-5クラスは、ポールポジションからスタートを切った72号車OHLINS Roadster NATSがリードするも、タイトルを争う17号車DIXCELアラゴスタNOPROデミオが4番手から追い上げ、7周目のコカ・コーラコーナーでトップに立つ。
対する72号車は、燃費走行を行ってライバルよりもピットタイミングを遅らせる作戦を採り、1時間40分のロングスティントを終えてピットイン。ピットアウト時には再びトップに立つことに成功し、Bドライバーの山野哲也に交代してリードを広げていく。2番手の17号車もレース終盤には追い上げるも、再逆転は叶わず。72号車が27秒のリードを保ってトップでチェッカーを受け、クラスタイトルを獲得した。
6台の開発車両がエントリーしたST-Qクラスは、フロントバンパーやリヤウイングを改良してきた271号車CIVIC TYPE R CNF-Rに、今季の集大成としてリヤスタビなどの改良を行ってきた28号車ORC ROOKIE GR86 CNF conceptが続く展開。271号車が総合24位で120周を走り切り、同一周回となった28号車が続いた。エンジンパワーを上げて最終戦に臨んでいた55号車MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio conceptは総合27番手でチェッカーを受けている。
クラス4位の61号車Team SDA Engineering BRZ CNF Conceptは総合29位、クラス5位の12号車MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF conceptは総合31位となった。液体水素を使用するORC ROOKIE GR Corolla H2 conceptも大きなトラブルなく完走を果たしている。
2024年シーズンのスーパー耐久シリーズは、4月20~21日に宮城県のスポーツランドSUGOでの開幕する予定だ。