EBI GROUP
Super Taikyu RACE REPORT
2025 Round.02 SUZUKA
ENEOSスーパー耐久シリーズ2025 Empowered by BRIDGESTONE
第2戦 SUZUKA S耐
2025年4月26日(土)〜27日(日) 決勝レース結果:3位
特別スポーツ走行/STMO専有走行
4月24日(木)〜25日(金) 特別スポーツ走行 天候:晴れ/曇り 路面:ドライ
4月25日(金) STMO専有走行1回目/2回目 天候:晴れ 路面:ドライ
栃木県のモビリティリゾートもてぎで行われた2025年の開幕戦は、上位を走りながらもまさかの火災に見舞われたPorsche Team EBI。迎える第2戦の舞台は、2024年に優勝も飾った三重県の鈴鹿サーキットだ。この一戦に向け、チームは急遽前倒しで新車の718 Cayman GT4 RS CSを投入した。
週末の走行は4月24日(木)の2本の特別スポーツ走行からスタートしたが、EBI GROUP Cayman GT4 RS CSは新車ならではのフレッシュさを感じながらセットアップを進めていくが、新車ということ、さらに鈴鹿は2025年に向けて路面改修が行われており、セットアップが合わせづらい。北園将太が「すごくピーキー」と表現する乗り味の調整を進めていった。
明けた4月25日(金)は曇り空のもと、午前9時から特別スポーツ走行が、さらに午後0時15分から専有走行、午後3時から全クラス混走の専有走行がそれぞれ行われた。
EBI GROUP Cayman GT4 RS CSは初日に感じられたピーキーさを打ち消すべく、久保凜太郎を中心にセットアップの改良を進めていき、3人のドライバーたちが交代しながら3回のセッションを走行していったものの、久保がもつ経験をフルに使ってもピーキーさは完全に打ち消しきれない状態だった。
特別スポーツ走行、混走の専有走行ではクラス2番手につけるなど速さはありそうだが、セットアップはギリギリまで煮詰めた末に、ドライビングでも対応するべく3人のドライバーたちは習熟を重ねていった。
公式予選
4月26日(土) 公式予選 天候:晴れ 路面:ドライ
迎えた4月26日(土)の鈴鹿サーキットは朝から晴天に恵まれ、午前のフリー走行を経て午後2時から公式予選が行われた。
専有走行では2番手タイムを記録するなどEBI GROUP Cayman GT4 RS CSは速さももっているかと思われたが、気温が上昇したなかで国産車勢が速さをみせた。一方で、北園将太のAドライバー予選ではややタイヤのタレが見えたことから、Bドライバー予選の久保は早めのアタックを敢行。合算タイムでは4分22秒995というタイムで、ST-Zクラスの5番手につけることになった。
外国車勢では最速ではあるが、欲しいのはさらに上の順位。決勝レースを見据えたメニューをこなしつつCドライバー予選では平安山良馬が2分12秒889を記録し、予選を締めくくった。
決勝レース
4月27日(日) 決勝 天候:晴れ 路面:ドライ
公式予選から一夜明けた4月27日(日)の鈴鹿サーキットは快晴に恵まれ、気温20度を超える春の暖かさのなか、午前11時から5時間の決勝レースがスタートした。今回EBI GROUP Cayman GT4 RS CSのスタートドライバーを務めたのは久保凜太郎だ。
序盤、久保は4番手にポジションを上げると、予選から速さをみせていた#885、#52、#5という3台のGR Supra GT4を追っていく。
そんななか、18周目にはST-5車両のクラッシュにより1回目のフルコースイエロー(FCY)が入るが、そのFCY前に3番手とのギャップを縮めていた久保は、FCY解除とともに猛然とダッシュ。2番手に浮上してみせた。
今回の第2戦は序盤からFCYが多発することになるが、久保は勢いに乗って2回目のFCY解除後、一気にトップに浮上する。EBI GROUP Cayman GT4 RS CSは木曜から改善してきたセットアップが功を奏し、ペース良く走ることができていた。
久保はトップを守ったまま34周を終えピットイン。北園に交代した。レースウイークはじめからピーキーさを訴えていた北園だが、このスティントではしっかりと自らの担当時間をこなしていく。ピットストップの間にふたたびGR Supra GT4勢が先行することになったが、北園はその差を詰め、途中ST-X車両との接触があったものの、大きなダメージなく#5 GR Supra GT4をかわす走りをみせた。
北園は32周のスティントを走りピットに戻ると、平安山良馬に交代。この頃には少しずつレースが落ち着いてくるが、84周にはポジションを上げるなど、タイヤを温存しながらもペース良くトップ争いの一角を占めていく。ただ、GR Supra GT4勢は盤石の戦いを続けており、なかなかトップを奪うまでには至らなかった。
平安山は91周まで走り切ると、ふたたび久保に交代する。少しずつ気温が下がっていくなか、ここでEBI GROUP Cayman GT4 RS CSのはリヤのみの二輪交換作戦を敢行。ただレース終盤、トップを行く#52 GR Supra GT4、変則的なピット作戦を組んできた#885 GR Supra GT4に次ぐ3番手が確定的になってきた。
それでも久保は最後までペースを守りつつ、5時間のレースのチェッカーまで走り続けると、最後は119周を走破。ST-Zクラスの3位でフィニッシュすることになった。
第1戦もてぎでは悔しい開幕となってしまっていたPorsche Team EBI。昨年に続く鈴鹿での優勝とはならなかったものの、しっかりと表彰台を獲得することができた。
次戦はシリーズのハイライトである富士24時間レース。チャンピオンを争うためには外せない一戦でもある。Porsche Team EBIは表彰台の頂点を目指し、チーム一丸となって臨む。
SHOTA KITAZONO 北園 将太
「僕のスティントではペースがすごく良かったです。ポルシェも僕自身も鈴鹿は相性が良いんです。ただST-Xクラスに接触された時は一時はどうなるかと思いました。無事に走り切ることができて良かったです。ドライバーとしてリスクを取り除く走りをしないといけないですね。今回はみんながしっかり木曜からセットを出してくれたので良かったです。次の富士は今度こそ獲りたいですね。チームも強くなっていますから期待しています。そして『日本一難しい鈴鹿でポルシェ・ケイマンは速かった!』とお伝えしたいです」
RINTARO KUBO 久保 凜太郎
「今回は決勝で逃げられるペースがあるわけでもなかったので、Cドライバー予選で満タンのセットを確認して臨みました。序盤は厳しい感触もあったのですが、FCYが入りタイヤが冷えたのもあり、FCY明けにペースを上げることができました。その後北園選手も平安山選手も良い走りをみせてくれたと思います。最後は3位をしっかり確保する走りをしましたが、木曜から金曜までのセットアップの修正が効いて表彰台が獲れて良かったです。次の富士は昨年みんなにミスがあったレースなので、今年はしっかり戦いたいと思います」
RYOMA HENZAN 平安山 良馬
「なんとか表彰台を獲ることができて嬉しいです。僕のスティントではかなりレースも落ち着いてきていましたし、四輪交換していたのでペースも安定していましたが、自分の後の久保選手のためにタイヤを温存して走る必要がありました。しかしチームの皆さんが木曜〜金曜とクルマのセットアップを作ってくれたおかげで厳しいこともなかったですし、すごくバランス良いクルマにできたと思います。前回、レースで走ることができなかったので喜びはありますが、欲しいのは優勝なので、富士24時間で勝利を目指していきます」