ポルシェジャパン株式会社(本社:東京都港区)とポルシェカレラカップジャパン(PCCJ)委員会は、ポルシェカレラカップジャパン2025シリーズ第10戦、第11戦の決勝を、富士スピードウェイ(静岡県)で 2025年9⽉27⽇(土)に開催しました。
ポルシェカレラカップジャパン2025シリーズ第10戦
天候:曇り 路面:ドライ 気温:23度 路面:25度(セッション開始時)
PCCJ第10戦のグリッドは、9月26日(金)に行われた予選ベストタイムで決定した。オーバーオール(総合)のポールポジションを獲得したのは、今シーズン2勝を挙げてランキング2位に着ける#99 渡会太一。プロアマクラスのポールポジションは前戦ですでに今季のクラス王者を確定させている#66 BANKCY、アマクラスはクラスランキングトップの#16 Hiroがポールポジションを獲得している。
前日の暑さが嘘のように、27日(土)11時15分からの第10戦決勝フォーメーションラップ開始時の気温は23度まで下がっていた。グリッドを離れた13台のマシンは、コースを1周しながらタイヤを温め再び全車がグリッドに整列し、シグナルレッドがブラックアウトしてレースはスタート。ポールポジションの#99 渡会は好スタートを決めるが、グリッド2番手の#78 木村偉織は一歩出遅れて、グリッド4番手の#7 卜部和久が2番手に浮上する。
トップの#99 渡会は、2番手以下を引き離すためにペースを上げて単独走行となる。一方、2番手争いは#78 木村と#7 卜部がサイド・バイ・サイドの激しいバトルを繰り広げ、その背後には#60 伊東黎明がピタリと着ける。6周目、ホームストレートで並んだ3台はスリーワイドで1コーナーに飛び込み、#60 伊東が4番手から2番手にジャンプアップ。#78 木村と#7 卜部は、その後も抜きつ抜かれつのバトルを展開するが、11周目の1コーナーで2台は接触して#7 卜部がコースアウト。#7 卜部はレースに復帰するが、最終的に総合8位でゴール。
優勝は、ポール・トゥ・ウィンで今シーズン3勝目をマークした#99 渡会で、「今日はスタートをうまく決められたのが大きかったですね。その後は自分のペースで最後まで走り切り、優勝できて嬉しいです。最終戦もこの調子で優勝を狙っていきたいと思います」と喜ぶ。
2位の#60 伊東は、「木村選手と卜部選手の争いの隙を突いて、前に出られたのが大きかったですね。これでチャンピオン争いにも踏みとどまったので、最終戦での逆転を狙っていきます」と意気込む。
3位の#78 木村は、「スタートでミスしたのが大きかったですね。最終戦はポールからのスタートなので、しっかりと決めてチャンピオンを獲得しおたいと思います」と、第10戦のリベンジを誓う。
この結果チャンピオン争いは、#78 木村が195点でトップ、#60 伊東が187点で2位、#7 卜部が185点で3位と、最終戦で3人の争いとなった。
プロアマクラスは、今回も安定した速さを見せた#66 BANKCYがポール・トゥ・ウィンで今シーズン8勝目をマークした。「今日はスタートを無難に決めることができ、プロクラスのドライバーともバトルができて良かったです。最終戦もしっかりと勝って、シーズンを終えたいですね」と、語る。2位は#10 MOTOKI、3位は#77 浜崎大という結果に。
アマクラスは、スタートで出遅れた#16 Hiroが#17 IKEDAを追いかける展開となったが、13周目に2台が接触。2台ともレースに復帰し、#16 Hiroが今季6回目の優勝を飾りクラス王者に輝く。「スタートを失敗してしまいましたが、優勝で王者を決められて良かったです」と、初の戴冠を喜ぶ。2位は#17 IKEDA、3位は#36 Sky CHENであった。
ポルシェカレラカップジャパン2025シリーズ第11戦
天候:晴れ 路面:ドライ 気温:27度 路面:31度(セッション開始時)
今シーズンの最終戦となる第11戦のグリッドは、9月26日(金)に行われた予選のセカンドベストタイムで決定し、ポールポジションはランキングトップの#78 木村偉織が獲得。プロアマクラスのポールポジションは#66 BANKCY、アマクラスのポールポジションは#16 Hiroが獲得した。
27日(土)15時55分からフォーメーションラップが開始される。再び全車がグリッドに整列してレースはスタートし、ポールポジションの#78 木村が無難にスタートを決めてるが、2番手グリッドの#99 渡会太一が1コーナーのインから仕掛ける。しかし、#78 木村は#99 渡会を抑えてトップのポジションをキープ。#99 渡会の背後からは、#60 伊東黎明と#7 卜部和久が追いかける。
トップの#78 木村は順調に周回を重ね、2番手の#99 渡会の差は徐々に広がっていく。レース中盤になると2台の差は約1秒前後となり、そのまま周回を重ねていくが、15周のレースを終えた時には1秒727まで広がっていた。結果、#78 木村が今シーズン3勝目を挙げて、獲得ポイント220点でSKY RACINGにとって6年振りとなるチャンピオンをもたらした。
「最終戦になって、ようやくずべてをうまくまとめられたと思います。PCCJのレベルは高く、ひとつ歯車が噛み合わないと勝つことができないくらいです。シーズンを通していろいろなことがありましたが、終わり良ければすべて良しということで、チャンピオンを獲得できて嬉しいです」と、喜びを語る。
2位の#99 渡会は獲得ポイント187点でランキング4位となり、「今日は途中からスローパンクチャーに見舞われたのですが、2位を守り切ってゴールできて良かったです。シーズンを振り返ると悔しい部分もありますが……」と語る。
3位の#60 伊東は獲得ポイント204点でランキング2位となり、「連続チャンピオンを獲得できずに残念です。最後のレースは後半で追い上げることができませんでした」と、反省する。4位の#7 卜部は獲得ポイント199点でランキング3位となり、「色々と取りこぼしもあり、結果を残せなかったのは自分が悪いと反省している点もあります」と、悔しがる。
ランキング6位に終わったポルシェジャパンジュニアドライバーの#91 佐藤樹は、「表彰台に1度も立つことができず、本当に悔しいです。でも、勉強になることが多かったシーズンなので、得たことを今後のレース人生に生かしていきたいと思います」と語る。
プロアマクラスは、クラスポールポジションから今回も#66 BANKCYが逃げ切り、11戦中9勝でシーズンを終えた。「あっという間の今シーズンでしたが、岡山大会から波に乗ることができて、クラス王者も獲得し充実した1年になりました」と、シーズンを振り返る。
最終戦2位でランキング2位に終わった#10 MOTOKIは、「悔しいシーズンになりました。ここまで、アマクラス王者、プロアマクラス王者と順調に来ていたので、2位の人の気持ちが良く分かりました」と語った。プロアマクラスのシリーズランキングは、3位が#98 IKARI、4位が#77 浜崎大、5位が#88 Tiger Wuとなった。
アマクラスはクラスポールポジションの#16 Hiroが総合7位でゴールし、クラスのシーズン7勝目をマークした。#16 Hiroは「クラス王者を獲得することができ、最終戦も勝ってシーズンを終えることができて良かったです。今日はプロアマクラスのドライバーとバトルもでき、楽しかったです」と語る。アマクラスのシリーズランキングは、2位が#36 Sky CHEN、3位が#17 IKEDAとなった。
今回、WEC富士6時間耐久レースのサポートレースとして開催された第11戦をもって、開催25年目を迎えた2025年シーズンのPCCJは幕を閉じた。最終大会まで4人のドライバーがチャンピオン争いを繰り広げるエキサイティングなシーズンとなり、最後は#78 木村が完璧な勝利でシリーズチャンピオンを獲得。また、プロアマクラス王者の#66 BANKCY、アマクラスの#16 Hiroは、ライバル達とのバトルを通じて成長しながら強さを発揮した。



