日曜日の第10戦にはマシンのダメージも癒えた、大湯がグリッドに並ぶことに。続いてグリッドに並んだのは笹原、宮田、角田、平木、そして河野と、第9戦でも存在感をアピールしたドライバーたちだった。引き続き大激戦が必至とされる状況のなかで、早々にトップグループを築くことになったのは大湯と笹原。1周目を終えた段階から一騎討ちに持ち込んでいた。その後方で大きく順位を上げていたのが河野、宮田に続く4番手へ。
「第9戦を走れなかった分、タイヤが残っていたので序盤に関しては、確実にマージンがありました。でも……」と大湯は、なかなか笹原に対して絶対的な差をつけられず。むしろ、終盤には笹原の方がラップタイムで上回るようになり、よりバトルが過熱の方向へ。「ミスなく走り続けていたら、最後に差が詰まってきたんですが、やはり僕のタイヤも厳しくなってセクター3を滑らせずに走るのが精いっぱいで。スリップストリームには入れましたが、抜くまでには至りませんでした」と笹原。
コンマ4秒差ながらも、辛くも逃げ切りに成功した大湯は、第6戦以来となる今季2勝目をマーク。
「今まででいちばん落ち着いて走れました。ちょっと落ち着きすぎていたかも(苦笑)。そのぐらい昨日から、今日のレースをすごくイメージして実際そのとおりのレースができました。ぶっちぎりたかったけど、そうはいかなかったのは、笹原選手もやっぱり上手いから。今後はチャンピオンシップ以上に、勝ちにこだわったレースをしたいです」と大湯。
3位でフィニッシュしたのは宮田だった。トップを争うふたりに抵抗を許されなかったのは、序盤からエンジンにトラブルを抱えていたため。「突然エンジンが止まったり、シフトダウン時のスロットルコントロールができなくなったりして……。満足のいく走りができなかったのは残念ですが、それでも3番手をキープして走れたのは良かったです」と悔しそうに語る。
4位は角田で、5位は河野。これは河野の逆襲の兆しということなのだろうか。
