一方、クラブマンシリーズでは練習で、チャンピオンに王手をかけている神谷裕幸(N中部ミッドレス スノコ86)が絶好調。これに最大のライバル、小野田貴俊(ネッツ東埼玉ワコーズED86)が続くことに。しかし、2組に分けられた予選において、神谷は1組の4番手に。
「絶えず(他車に)引っかかっていたのと、せっかくクリア(ラップ)を取れた周に白線を踏んでしまい、少しズルっと(滑ってしまいました)。今回のうちに決めたいんですけどね」と悔しそうに語る。
その前に立ちはだかったのが、庄司雄磨(OTG AREA 86)と小野田、そして手塚祐弥(栃木スバルBS BRZ P.MU)と優勝経験のある者ばかり。特に庄司は「路面状態の変化とタイヤの美味しいところをうまく合わせられて、2周目、3周目とタイムを伸ばすことができました。明日の雨がどんな感じか分かりませんが、予選と同じぐらいならば、自信があります」と強く語っていたのだが……。
なお、2組のトップは水野大(リキモリ剛式制動屋カークリ86)で、2番手は河村直樹(N中京GRガレージ小牧BS86)が獲得したが、タイムに優った庄司がポールポジションを獲得し、水野以下はイン側グリッドに並ぶことに。
プロフェッショナルシリーズの予選が終了してから、しばらくすると日曜日の全レース中止が発表される。特に阪口や庄司の無念さは想像に余りあるが、レースの安全、そして何より観客の安全確保を重視したとあっては、中止はやむを得まい。その結果、最終戦を待たずして、クラブマンシリーズで神谷の初タイトルが決定した。
「実感もまだ湧きませんし、正直『えっ?』って感じです。戦って、小野田さんと白黒つけたかったですね。でも、今年1年間を振り返ると、最初のうちはクラブマンのタイヤの使い方が分からなくて、やっていくなかで3戦目、4戦目あたりからいいところが分かって、特に4戦目の岡山は慣れているところなので、そこで確信が持てたのが、その後につながっていると思います」と神谷。
「去年まで使っていたクルマと、今年のクルマを比較テストしたら、普通に同じセットでも1秒遅くて。ちゃんとセットアップも進んだので、それが連勝につながったのかもしれません。今年も自分でセットアップはやっていましたよ」
「まだ最終戦も残っていますので、そこで勝って。ヴィッツの頃からライバルとして一緒に戦い続けている、小野田さんの庭を荒らします(笑)」
2017年シーズンの最終大会となる第10戦は12月9~10日、富士スピードウェイで行われる。

