ストレートで止まった山下のマシンと、チェッカーを受けるマーデンボロー。後方は高星
ストレートで止まった山下のマシンと、チェッカーを受けるマーデンボロー。後方は高星

■いらだつ山下。「もう残りは厳しいかもしれない」

 ランキング首位を争っていた双方にとって痛恨の結果となったレースだが、マーデンボローはレース後の記者会見で「僕としてはブレーキが遅かったわけではないんだけど、タイミングとしては悪くて、ドアは閉じていたんだ。それで接触してしまった」と状況を語った。

「ビデオを見た限りでは、自分はいいポジションをキープしていたと思っているんだけど、彼には悪かったと思っている」

 一方の山下は、レース後マーデンボローのアタックに対しいらだちを隠せない様子で「あの場所で来ても無理だろうとは思っていました。本来なら引くか、アウトにいくかだと思うんです。でも、あそこで来てもぶつかるしかない。そんなことをしなくても、アウトからいけば抜けたと思うんですけど……。(接触しても壊れない)ゲームの感覚でいられると困っちゃいます」と辛辣な言葉を残した。

「明日勝てても、その後はもう勝てないくらいに思っています。鈴鹿でここまで追いつめられたら、もう残りは厳しいかもしれない。仕方ないですが……」

 今季の全日本F3は、強力なメンバーが揃う一方で、そのドライバーたちが背負うものも大きい。F3参戦3年目の山下にとって、今季のタイトル獲得は至上命題だ。一方のマーデンボローも、ニッサンの大きな期待とともに戦っている。そんなふたり、特に山下にとって、今回の接触は痛い取りこぼしとなってしまった。

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