日曜日の午前中に行われた第8戦決勝レースは、未明に降った雨の影響で今季初めてウエットコンディションでの戦いとなった。
その雨がもう降らなかったなら、なかにはドライタイヤで挑んだ『猛者』もいただろうが、小雨が降ったりやんだりを繰り返していたこともあり、全車ウエットタイヤを装着。しかし、浅溝的にユーズドタイヤを用いる者も少なからずおり、その意味ではチョイスは分かれることともなっていた。

「動き出しは、明らかに僕の方が悪かった」という小高を抑え、最初に1コーナーに飛び込んでいったのは大湯だった。このふたりに阪口、高橋、川端、そして予選9番手の根本悠生(東京トヨペットGUNZE KCMG)が続いた一方で、宮田は出遅れてしまい、7番手へと後退する。
そんな後続の目まぐるしい順位変動を知ってか知らずか、早めに勝負に出たのは小高。最終コーナーが大湯よりも明らかに速いことから、2周目に入ってすぐ、スリップストリームから抜け出そうとする。しかし、大湯のガードも固く、また1コーナーで3周目から黄旗が出されていたこともあって、なかなか前に出ることが許されない。
しかし、黄旗解除なった6周目には、もうストレートで前に出ていた小高。その直後に最終コーナーでのクラッシュがあり、2周に渡るSCランがあっただけに、そこでトップに立てていなかったら、また展開は違っていた可能性もある。
リスタートを決めた小高に、もはや着いていける存在はなく、逃げる一方だったのに対し、逆に大湯のペースが鈍り始める。これはユーズドタイヤを装着していたからで、路面状態の急速な回復にマッチしなくなってしまったためだ。
徐々に順位を上げていた宮田が、まず大湯に12周目の最終コーナーで迫って2番手に浮上。次の周の馬の背コーナーでは、根本にもかわされていた。続いて襲いかかった平木は、何とか抑えた大湯だったが、表彰台は逃して4位でフィニッシュ。

「僕の方が速いという自信がありましたから、大湯選手に前に行かれても、まったく焦っていなくて。最終コーナーが実際に僕の方が速かったので、1コーナーで行けると思っていました。前回で連勝が止まったのは残念でしたが、ここからまた始めることとします」と語る小高は、ポイントリーダー返り咲きにも成功した。
「スタートでホイールスピンさせ過ぎたのが、いちばんの敗因です。でも、チームの名誉挽回のためにも、ワンツーフィニッシュできて良かった」と語る宮田が2位。そして3位の根本が「まだまだ、これから!」と巻き返しを誓っていた。
