■名門が日本上陸!? OIRC Team YTBのピットはまるでヨーロッパ

 一方、今回のテストでライバル勢も驚いたピットとなったのは、OIRC Team YTBだ。ピットボックスに収まっていたのは、マカオでカラム・アイロットとユアン・ダルバラがドライブしていたイギリスの名門カーリンのマシンそのもの。さらに、ピット内にはカーリンのブルーのウェアを着た外国人スタッフが中心となってメンテナンスを行っているのだ。

 今回、片山義章がアイロットがドライブしていた8号車に乗り込み、アイロットとイギリス人ドライバーのジェームス・プルが7号車をシェアしている。ちなみにプルも、イギリスでF4を戦っていた頃はカーリンに所属していた。

 これはB-MAX RACING TEAMとモトパークの関係のように、カーリンと提携関係を結んだのだろうか……!? と片山義規代表に聞くと、実はまだそういう訳ではないようだ。

 2018年、全日本F3選手権において片山義章は新車のF318を投入して戦っていたが、最終戦の富士でクラッシュしレースを終えた。この際、クラッシュの衝撃でモノコックにダメージを受け、そのため新車の投入に迫られていたという。

 そこでマカオGPで片山が所属したカーリンと交渉。マシン2台を購入することになり、その流れで今回スタッフが登場することになったのだ。なおアイロットはセッティング等のためのテスト参加の様子。

 今後のカーリンとの関係について片山代表は「まだちゃんと話をしていないんですよ。今どうしようか……という状況です」という。ちなみに今回の一連の流れは、今季片山のアドバイザーを務めていたリチャード・ライアンが橋渡し役となった。

 2019年に向けて、OIRC Team YTBは2台体制を目指しているよう。1台は片山で、もうひとりは「ドライバーは今回テストしているのも含めて、他の人になるかもしれません」という。片山代表の狙いは、ドライバー片山義章も含めて、「モータースポーツを盛り上げたい」ということだ。

「僕のもともとの勤めが、モータースポーツを盛り上げて最終的に集客をする……というところにあります。僕はあくまでオーガナイザーですから」と岡山国際サーキットの社長でもある片山代表は語る。

 今後OIRC Team YTBとカーリンはどういった関係になるのか、ジュニアフォーミュラ界にとってはB-MAX RACING TEAMとOIRC Team YTBの2チームは注目の存在となりそうだ。

OIRC Team YTBの8号車をドライブする片山義章。スタッフは青いカーリンのウェアを着るメンバーも多い
OIRC Team YTBの7号車をドライブするカラム・アイロット
OIRC Team YTBの8号車をドライブする片山義章
片山義章と話し込むカーリンのエンジニア

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