FRJと全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権(SFL)の棲み分けに関しては、どちらが上か下かではなく、全日本F3選手権のスタイルを継承した形のSFLに対して、FRJを見ている側がどのように受け止めるべきか、疑問に思う部分も少なくないだろう。これに対して有松氏は「まったく新しいシリーズとして認識してほしい」と言う。
「童夢は2017年に始まったFIAのフォーミュラ・カテゴリー再編議論に当初から加わっており、各コンストラクターとともに喧々諤々を行って来ました。我々はコンストラクターとしてFIA-F4と同じくFIAの規定に沿った形で車両を製作することで、欧米のコンストラクターと同等以上の技術レベルを維持したいと考えています」
「FIA-FRという規格は、パワーウェイトレシオもタイヤの寸法もエンジンの特性も、いままで存在しなかったレンジにあります。ゆえに、(SFLと比較して)どちらがどうという話ではなく、まったく新しいシリーズとして認識していただければと思います」
「今後はまず、新型コロナウイルスの影響が早期に解決されるのを望んでいます。シリーズ最終大会まで、無事にレースができる環境が続くようにと祈っています。そして、我々も参加者を全力でサポートできるように努力致します」
「そうしたなかでシリーズが成長していくことを望んでいます。今後、国内外のレース活動におけるステップアップの過程としてFIA-F4車両の童夢F110と、FIA-FR車両の童夢F111/3がその一助になれればと願っています」
2年先に開発・供給されたタトゥースT-318の欠点を丹念に潰しながら童夢F111/3は開発・供給されただけでなく、童夢の有松カスタマー・サポート担当が前述したとおりFIAの規定に沿いながら一歩先を行く設計思想を採り入れている点は評価できる。
一方、現状の国内フォーミュラレースは全日本スーパーフォーミュラ選手権を筆頭に、全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権、FIA-F4選手権というピラミッドが構築されている。そのなかでFRJがどのようなポジショニングを獲得して発展していけるのかというた点にも興味が尽きない。


