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国内レース他 ニュース

投稿日: 2020.09.18 17:44
更新日: 2020.09.18 17:47

Audi Team AS Sport 2020スーパー耐久第1戦富士24時間 レースレポート

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国内レース他 | Audi Team AS Sport 2020スーパー耐久第1戦富士24時間 レースレポート

決勝レポート

 9月5日(土)決勝日は朝からスタンドにも観客が入り、ピットビューイングが行われるなど、万全の感染症対策を行ったうえで、本来の華やかなレースの光景が広がった。そして迎えた午後3時、ドライ路面で決勝レースがスタートとなった。

 スタートドライバーは西村選手が務め、混乱が起きやすいオープニングラップもミスなく切り抜けた。その後もコンスタントに安定したラップを刻みながら前を追いかけていく。しかしスタートから45分が経過したあたりで、セクター1にてぽつぽつ雨が降り始めてきた。

 数分後にはコース全域で雨が確認できる状態になるが、ラップタイムの落ち幅的にはまだウエットタイヤに変えるタイミングではないため、スリックタイヤのままコースにステイする。雨は強くなったり弱くなったりを繰り返し、非常に難しいコンディションのなか、慎重にラップを重ねていたが、スタートから1時間が過ぎたあたりで、1コーナーにて他クラスのマシンにイン側から接触され、スピンしてコースアウト。

 なんとかコースに復帰するものの、マシンはリヤディフューザーに大きなダメージを負い、アライメントも崩れてしまいコントロールが難しい状態に。それでも西村選手はコースに留まり予定の周までスティントを決行し、開始1時間20分でピットイン、岡本選手にステアリングを託す。タイヤはリヤ2本のみ交換でコースに復帰。

 しかし直ぐにフルコースイエロー(以下FCY)が導入され、全車が50km規制になる。そのFCY中も雨は強くなり、いよいよスリックタイヤでは走れない路面状況になり、再度ピットインして4本ウエットタイヤにチェンジしてコースに戻る。その後セーフティーカー(以下SC)が導入されるものの、開始2時間を少し過ぎたあたりでレース再スタート。完全なウエットコンディションの中、慎重に周回を重ねていく。

 やはりアライメントに違和感を感じながらもナイトセッションに突入。かなりの雨量と暗さで過酷なコンディションのなか、レースコントロールより開始3時間7分で豪雨による赤旗中断が通達された。マシンは全車ストレートに並べられ、コンディションが回復するのを待つ。

 雨は一向に強くなり続け、時より雷が轟くなどかなりの荒れた天候となった。そのまま1時間ほど経過して少し雨が弱まってきたころ、予定通りコース上に大きな花火が打ち上げられた。参戦しているチームにとって過酷なレースのなか、笑顔が見られるつかの間のリラックスタイムとなった。

 再スタートに向けて万全の体制を整えながら、待つこと4時間。22時30分過ぎにようやくSC先導により再スタートが切られることになった。その後、藤原選手にドライバーチェンジしてコースに復帰。SCが解除されレースが再スタートした矢先、再度SCが導入されるなど依然として雨量は多く、各所でハイドロプレーニングが起きる非常に難しいコンディションのなか、ラップを刻んでいく。

2020スーパー耐久第1戦富士24時間 A.T.FIELD Audi R8 LMS GT4(西村元希/岡本武之/田ケ原章蔵/藤原能成)
2020スーパー耐久第1戦富士24時間 A.T.FIELD Audi R8 LMS GT4(西村元希/岡本武之/田ケ原章蔵/藤原能成)

 そして1時12分にピットインをして、田ヶ原選手がマシンに乗り込む。コンディションは変わらず非常に難しい状態ながらもコンスタントに周回を重ね、チームにマシンのインフォメーションを共有する田ヶ原選手。そしてそのインフォメーションを受けてチームは次のピットインでメンテナンスタイムを行うことを判断。

 2時20分過ぎ、SC導入中にピットインをして10分間のメンテナンス作業を行う。限られた時間のなかで不具合のあった部分を出来る範囲で修復、変更していく。ちょうど10分にて作業を終えることに成功しピットアウト。田ヶ原選手の連続スティントでコースに復帰していく。

 雨量が増えたりと難しいコンディションのなか、攻めた走りを披露してひとりの最大連続走行時間である3時間を間際にピットインをして西村選手にステアリングを託す。その後も西村選手から藤原選手へバトンを繋ぎ、長い夜が明けて徐々に雨も弱くなり始める。

 8時30分に田ヶ原選手にドライバーチェンジをして、タイヤもスリックに交換。コースもほぼドライコンデションになり始め、再び前を追いかけて行く。コンスタントに走行しながら岡本選手へ交代、その後そして西村選手が3回目のスティントを走行する。この頃にはマシンバランスも徐々に改善し始めてきており、少しずつタイムを更新していった。

 そして藤原選手に交代する頃には再び雨がぱらつき始め、再度ウエットタイヤを装着してレースに戻った。その後12時52分頃、田ヶ原選手に交代してスリックタイヤにてコース復帰。14時頃最後のピットストップを終えて、西村選手がコースに戻っていく。

 そして迎えた15時。478周を走り切りST-Zクラス6位(全体23位)にて無事にチェッカーを受けた。チェッカー後、パレードランを終えたマシンは想像以上に破損が目立ち、序盤の接触の大きさを物語っていた。

 レース結果としては期待していたものには届かなかったが、接触の影響もありマシンバランスが良いとは言えないなか、非常に難しいコンディション下で24時間しっかりと完走を果たしたことはチームにとって大きな収穫である。Audi Team AS Sportにとって初陣であるこのレースを糧に、次のレースでのリベンジを誓う。

2020スーパー耐久第1戦富士24時間 A.T.FIELD Audi R8 LMS GT4(西村元希/岡本武之/田ケ原章蔵/藤原能成)
2020スーパー耐久第1戦富士24時間 A.T.FIELD Audi R8 LMS GT4(西村元希/岡本武之/田ケ原章蔵/藤原能成)


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