■「ここからほぼ全部変わる」プロトタイプで見えた課題
走行終了後に織戸に話を聞くと、実は今回走行したチーターはプロトタイプで、「ベースは代わらないけど、あそこから全部変わる。まず1台作ってもらって、ここからコストも含めて全部変えなければならない」という。
「今日は、思い描いていた方向性が間違いないということが確認できた。あとは童夢の開発してくれる人たちが、このクルマの“遊び”の性格を理解してくれたことが大きいと思う。レースをやってきた人たちのクルマとは全然違うから」
今後、このシェイクダウンで見えた課題をもとに、市販も見据えた大きな改良が施されていきそうなチーター。具体的にはメンテナンス性や、身長差がある人が乗ったときのポジション、シフトの位置等多岐に渡る。また、エンジンも今回は650ccのオートバイ用エンジンだったが、今後850ccのヤマハ製3気筒エンジンに換装されることになるという。
「この850ccのエンジンがすごくトルクもあって、軽いのでこのクルマにピッタリだと思う」と織戸。
また、今回の走行では織戸たちも驚いたというのが燃費。「今日さんざん走って、10リッターのタンクの中がまだ全然残ってる」という。いわゆる「エコエンジン」だということも大きいようだ。
チーターが実際に量産され、クルマを愛する人たちが手軽に楽しめるようになるまでにはまだまだ課題は多そうだが、まずはこの日のシェイクダウンで、大いなる一歩を踏み出したと言えるだろう。
「今日見てても、やっぱりみんなこういうクルマに乗るとクルクル回りたいと思うのよ(笑)。大人を笑顔にするクルマになったよね。まずは大人が楽しんで、若い人たちにも波及してくれれば」と織戸は笑顔で語ってくれた。