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投稿日: 2021.06.30 11:01

Floral Racing with ABSSA 2021スーパー耐久シリーズ第3戦富士24時間 レースレポート


国内レース他 | Floral Racing with ABSSA 2021スーパー耐久シリーズ第3戦富士24時間 レースレポート

【5月21〜22日開催のスーパー耐久 Rd.3:富士24時間戦レポート】

植松忠雄選手率いるFLORAL RacingとABSSA Motorsport澤圭太がタッグを組んでFirst Garage様所有のマクラーレン720S GT3でスーパー耐久シリーズST-Xにフル参戦となった2021年、3月の開幕戦は幸先よく雨の中2位(総合/クラス共に)を獲得、4月のSUGO戦も予選でのクラッシュや決勝でのバランス不調に苦しみながら3位を獲得し、開幕から連続表彰台を獲得中。いよいよシリーズ6戦の中でも最もビッグレースとなる富士24時間レースを迎えた。

■公式練習~予選:(木、金曜日)

前回のSUGO戦の決勝でのマシンバランス不調の原因をチームはSUGO戦後の24時間レース向けの公式練習で探り、原因を突き止める事が出来た。おかげでマシンのバランスは本来のものに戻りつつあり、24時間レースに向けての好材料となった。

レースウィークを迎え、決勝の24時間は走行距離3600kmにもなるロングランの為に公式練習から効率よく、走行距離をコンパクトに予選よりも決勝のセットアップを重視して走行が進められた。

土曜日は前戦のSUGO同様の雨模様となったが今回は雨量がとても多く、主催者の判断で予選は中止となる。決勝のスタートは現在のシリーズランキング順(シリーズ2位)となったために24時間レースをフロントローからスタートする事が決定となる。

■決勝日(土曜日 15:00レーススタート)

金曜日に予選を中止にさせるほど振った雨はやみ、土曜日午後3時にスタートする24時間のレースは概ね天候の悪化はない予報だった。

決勝の前の最後のチェックと調整が出来る30分のフリー走行が朝行われるが、まだ路面が一部濡れているコンディションでの走行となり、決勝に向けてのドライタイヤの皮むきなどをするチームが居たが、FLORAL with ABSSAの720S GT3は車両の最終作動チェックが中心で走行が行われた。

スタートドライバーの植松選手が着座する中で君が代斉唱などのセレモニーが行われ、定刻通り15:00に24時間レースはスタートを切った。

序盤はCARGUY NSX-GT3やD’station Vantage GT3がハイペースで3番手~4番手をキープ。安定したペースで走行の植松選手から1時間15分後に井出選手へと交代をするが、ちょうど他クラスのマシンがコース上にストップしてFCY(フルコースイエロー)が出される直前のタイミングとなり、幸運にも290号車は他車がコース上で50km/h制限で走行しピットインが許されないというルールを活かして、上位陣とほぼ1Lap差をつけてのトップに立つことが出来た。

2021年 NAPAC富士SUPER TEC 24時間レース スタートの様子
2021年 NAPAC富士SUPER TEC 24時間レース スタートの様子

その後、井出選手も42〜45秒台のハイペースで走行、その後再度植松選手が自身2度目のスティントを走行、午後6:30前になって澤の1回目のスティントが回ってきた、少しだけポツポツと雨が降っている難しい状況でも上手くコースイン後のタイヤ温めを済ませて、雨がやんでコース状況が回復すると42〜45秒台で順調に走行する澤、2番手のCARGUY NSX-GT3とはピットのタイミング次第で2位になったり、1位に戻ったりという状況で午後8時前にCドライバーの川端選手に交代、川端選手は2スティント連続での走行となって、依然トップを快走という『勝ちパターン』に入っていた。

しかし、トラブルの兆候は少しづつ出始めたのもこの頃で、川端選手から『電気系が走行中にシャットダウンする』という報告があり、一度走行中に完全にエンジンが停止し再始動するという事態が発生。

原因が予想できない中、午後10:30頃に再度井出選手に交代、井出選手のスティントではトラブルは発生せず、日付が変わる頃となる午前0時頃に澤の2回目のスティントが回ってくるが、電気系トラブルの兆候もなく順調に1回目のスティント同様に42〜44秒台で走行を続けていたが、スティント残り5分を切ったころに突如エンジンカットオフとなってコース上でストップをしてしまう。しかしながら直ぐに再起動が出来て、そのLapに緊急ピットイン!!

全チームが24時間のレース中に必ず1回実施しないといけない10分間のメンテナンスタイムを予定の朝5時ごろ実施から急遽、このトラブルの原因を探って治す為にこのタイミングで実施する事となった。

通常予定していたメンテナンスタイムの作業も実施しつつも電気系トラブルの原因を探るメカニック達だったが、原因の予測はいくつか立てられたが解決する作業をするほどの時間はなく、ドライバーは川端選手に交代をして再スタートを切る事になった。

段々と症状が悪化していく290号車だが遂にこの川端選手がドライブ中に最終コーナー手前で完全に電気系がシャットダウンして停車してしまう(午前2時半頃)、規定でコース上にストップした車両はコースの回収車両に引っ張られて車検場にあるリペアエリアに移動となり、そこにメカニックが来て修復作業をしなければならないという流れになる。

メンテナンスタイムの時にある程度原因を仮定する事が出来たおかげで、今回特別に24時間レース体制として2019年に澤がブランパンGTアジアに参戦した当時の車両オーナー支援を頂いた方にご協力いただき、その当時に使用していた車両で現在国内にある同じ720GT3車両をピット内にスペアカーとしてスタンバイさせ、この車両から交換が必要そうなパーツを取り出しておいて、迅速な作業で原因となる電気系の配線パーツを交換する事を実現させた。

それでも、エンジンルーム内部の配線交換作業はとても難儀で約1時間20分の時間を要し、クラス5番手まで落ちてトップからも40Lap以上遅れる形で再コースインをする事になる(午前4時頃)、引き続き川端選手がドライブで作業後はノートラブルで順調に走行を続け、植松選手(3回目の走行)へ、そして井出選手へと交代(3回目の走行)し、従来のペースに戻って走行を続ける。

290号車Floral UEMATSU FG 720S GT3(植松忠雄/澤圭太/川端伸太朗/井出有治/川原悠生)
290号車Floral UEMATSU FG 720S GT3(植松忠雄/澤圭太/川端伸太朗/井出有治/川原悠生)


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