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国内レース他 ニュース

投稿日: 2021.12.03 08:00
更新日: 2021.12.03 09:05

プロフィギュアスケーター無良崇人が織戸学のマシンでTGR86/BRZレースに再挑戦

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国内レース他 | プロフィギュアスケーター無良崇人が織戸学のマシンでTGR86/BRZレースに再挑戦

 21日(日)の決勝は朝10時から。週末を通じて心地よい晴天が続いていたが、日曜朝は肌寒い曇天。富士山がすっかり雲に覆われてしまったが、レース直前にはようやく穏やかな日差しがサーキットに差し込んできた。グランドスタンドには「無良崇人応援バナー」も見えるなか、45台のマシンがスタートの刻を待つ。

グランドスタンドには応援バナーも
「織戸さんのマシンに無理やり突っ込んでくる選手はいないはず」と無良
決勝は18番グリッドからのスタートとなった

 レッドシグナルがすべて点灯し、ブラックアウト。18番手グリッドからスタートした無良の17号車は蹴り出しが悪く、数台に先行を許してしまう。前方ではスピン、コースアウト、トラブルに見舞われるマシンが数台あり、徐々にポジションを回復していくなか、無良の背後には33番手スタート、元プロ野球選手の山﨑武司が迫る。

 おなじみ稲野一美アナウンサーの場内実況では、「濃いメンバーですね。フィギュアスケーター無良崇人の後ろにホームラン王山﨑武司がいるんですよ、体重差100㎏ぐらい……そんなにないか」と注目の異種アスリートバトルが紹介されていた。

 10周で争われた決勝レース、無良は19位でチェッカーを受けた。レース後にタイムペナルティにより降格になった車両があり、順位が1つ繰り上がったため、最終結果はスタートポジションと同じ、18位完走となった。

決勝の朝、場内実況の稲野一美アナウンサーから取材を受けるK-oneレーシングのドライバーたち
その稲野アナに「フィギュアスケーター(17号車)とホームラン王(777号車)の濃いバトル」と言われた2人。異種アスリート対決が実現した
現役時代は中日や楽天で活躍した元プロ野球選手の山﨑武司選手は2014年から86/BRZに参戦し、表彰台獲得の経験もある
スタートは蹴り出しが悪く、後方からのクルマに挟まれ3ワイドに
ライバルたちとの激しい接近戦も経験した
無良の17号車は19位でチェッカーを受けたが、レース後の審議で1ポジション繰り上がり18位完走となった

 パルクフェルメにマシンを停め、チームメイトとともにパドックに戻ってきた無良は、自身の車載映像を見せながら、「レース中、3回ぐらい危険な場面があった」とマシンが飛び跳ねるほど乱暴な追い越しを試みる前車の様子を解説。

 今回のK-oneレーシングについては、「中にはちょっと見た目が怖そうな方もいますが、チームのみなさん、とても気さくな方ばかりで温かく迎えられたのでは?」と無良に尋ねると、「ピリピリした雰囲気はまったくなく、アットホームな環境で、とてもありがたかったです」「岡田君とも、一緒にレースがしたいよねという話をこれまでもずっとしていたので、やっと実現したのでそれは本当に嬉しかったです」「毎日練習してはデータロガーを見て、映像を見て、みんなで反省会をして……そういうところがこのチームの強みだと思います。チームメイトと競り合うこと、みんなに追いついて行こうとすること、お互いに刺激し合い高め合うことができて、成長を実感しました」そして、「17号車だし、(レース中の)周りの方には織戸さんのクルマっていう認識もあるので、うまいこと避けてくれた人もいるのかなと思います。織戸さんのマシンで、織戸さんのレーシングスーツを着て、織戸さんのパワーを感じながら走ることができました」と終わったばかりのレースを振り返った。

織戸選手から借りたレーシングスーツに身を包み“織戸パワー”を感じながらレースに臨んだ
「今回、織戸さんに貴重な機会を与えていただき幸せなレースウィークでした」と無良
明るい雰囲気でチームワーク抜群。無良はこのチームから参戦できたことを喜んだ

 前回86/BRZレースに挑戦した2019年7月、「あのときは決勝で走れなかったんでね」と、ここ富士スピードウェイで2年半越しの雪辱を果たせたことも喜んだ。

 無良は今回、10周で争われるレースの9周目にマークした2分06秒182で、自身の予選タイム2分06秒834を上まわり決勝レース中にこれまでの自己ベストを更新。2019年の予選タイムは2分11秒609だったので、気温や路面温度、タイヤなどの条件は当時とは異なるが、およそ5.5秒もタイムを縮めたことになる。そして、決勝出走全45台中、なんと5番手のラップタイムをマークしていたのだ。

 現行車両での86/BRZレースはこれが最終戦となり、来年からは新型マシンでシリーズ名もTOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cupに生まれ変わる。

「今回は準備期間も短く、急な話でスポンサーのみなさんにもご迷惑をおかけしましたが、出場できて本当によかったと思います。先月のヤリスカップで接近戦を経験していたことも大いに役立ちました」と語り、また来年以降もこの場所に戻ってくることを約束してくれた。

 世界で唯一、トリプルアクセルが跳べるレーシングドライバー、無良崇人の戦いはまだまだ続く。

菅生のヤリスカップで無良のサポートをしてくれた中山雄一選手。今回は86/BRZレース、プロフェッショナルクラスに出場
パーソナルスポンサー『丸山タオル』『e⭐︎イヤホン』も無良のレース活動を支援
スーパーGTでもおなじみの『Steiff』のロゴも入った
艦これの『C2機関』もしっかりとレーシングドライバー無良提督を応援
今シーズンで幕を閉じる現行車両の86/BRZレース、来季は新型車両で86/BRZカップとして生まれ変わる。無良の参戦はあるのか?
織戸学選手の次女、織戸茉彩(まあや)選手は、今季からヤリスカップに参戦
来年以降、どこかのサーキットで茉彩選手と無良が戦う機会は?
前回、2年半前の富士では決勝を走れなかった無良が、現行の86/BRZレース最終戦で見事に雪辱を果たした

■無良崇人(むら たかひと)
1991年2月11日、千葉県生まれ、30歳。2014年、四大陸選手権優勝。全日本フィギュアスケート選手権、13年連続出場(3位5回)。日本代表として世界選手権に3回出場。ISU GPシリーズ、12年エリック・ボンパール杯優勝。14年スケートカナダ優勝。世界ランキング最高順位6位。18年3月、競技生活を引退しプロフィギュアスケーターに転身。同年5月、スポーツランドSUGOのTGR86/BRZでレースデビュー。現在はアイスショーやフィギュアスケート解説者として活躍中。艦これ(艦隊これくしょん)のイベントでは、“無良提督”の愛称で絶大な人気を誇る。


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