翌11日8時5分より行われた第15戦決勝。2戦連続ポールシッターとなった大草だったが、スタート直後にマシントラブルが発生。1周目を終えたところでピットインし、レースを終えることとなった。

 そんななか、オープニングラップでTGRコーナーのホールショットを奪ったのは小川。2番手に小山が続いた。レース後半、新王者小山はトップを掴むべく、オーバーテイクの機会を伺い、小川に揺さぶりをかける。幾度となくオーバーテイクを試みるも、小川がポジションを守り続ける。ファイナルラップまで2台の接戦は続いたが、0.4秒差で小川がトップチェッカーを受け、今季2勝目を飾った。2位に小山、そして3位に片山が続いた。

 今季2勝目を飾った小川は「昨日までアンダーステアに悩まされていて、この3レース目に向けてセッティングを大きく変えたのですが、逆にオーバーステアが強くなってしまいました。ただ、今回はそこまで使い込んでいないタイヤを選んでスタートしたことも助けになって、最後までポジションを守りきれたのかなと思います」と第15戦を振り返る。

「後半に小山選手が迫ってきましたが、彼女もタイヤがキツそうな印象がありました。一度抜かれそうになりましたけど、その後は落ち着いてレースができました。ぶっちぎりで勝てたわけではないので、心の底から嬉しいという感じではないですが、3レース目を勝ってこの週末を締めくくれたのは良かったです」

 マスタークラスは好スタートを決めたHIROBONがクラストップに浮上。序盤から田中と抜きつ抜かれつのクラス優勝争いを繰り広げる。さらに、オープニングラップでコースオフを喫し、ポジションを下げていた畑が、9周目に2台の背後に接近。

 11周目に田中を攻略し、クラス2番手に浮上した畑はHIROBONを捉えるべく、サイド・バイ・サイドのバトルを続ける。そうして迎えたファイナルラップ直前に畑がトップに浮上。そのままクラストップでチェッカーを受けたが、スタート違反があったとして畑に5秒加算ペナルティが課される。

 これでHIROBONが繰り上がりで今季8回目のクラス優勝を飾った。また、この優勝により、HIROBONが2022年のマスタークラス王者を決めた。クラス2位に田中、クラス3位にペナルティを受けた畑が続いた。

 初のクラス王者に輝いたHIROBONは「スタートは上手くいったのですが、そこから田中選手や畑選手とのバトルになりました。昨日の2レース目と同じ展開だなと思いつつ、すごく面白かったです。特に後半の畑選手とのバトルでは、向こうのストレートスピードが速くて……何とか1コーナーで守っていましたが、最終ラップでやられてしまいました」

「畑選手にペナルティが出るというのはチームから聞いていたのですが、やっぱり勝ちたいという思いがあったので、最後まで粘りました。正直、今大会でチャンピオンが決まるとは思っていなかったので、驚いている部分もありますが、WECと併催で、たくさんのお客さんがいるなかでチャンピオンを決められて嬉しいです」と語った。

 2022年のフォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ第16戦〜第17戦が開催される最終第6大会は、12月10〜11日に鈴鹿サーキットにて開催される。

2022 FRJ 富士大会 第15戦決勝スタート
2022 FRJ 富士大会 第15戦決勝スタート
2022 FRJ 富士大会 第15戦決勝 小川颯太 (Bionic Jack Racing Scholarship FRJ)
2022 FRJ 富士大会 第15戦決勝 小川颯太 (Bionic Jack Racing Scholarship FRJ)
2022 FRJ 富士大会 第15戦決勝 小川颯太 (Bionic Jack Racing Scholarship FRJ)
2022 FRJ 富士大会 第15戦決勝 小川颯太 (Bionic Jack Racing Scholarship FRJ)
2022 FRJ 富士大会 第15戦決勝 HIROBON(Rn-sportsF111/3)
2022 FRJ 富士大会 第15戦決勝 HIROBON(Rn-sportsF111/3)

フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ
第15戦富士スピードウェイ 決勝正式結果

Pos Class No Driver Car Name Laps /Gap
1 97 小川颯太 Bionic Jack Racing Scholarship FRJ 15Laps
2 8 小山美姫 TGR-DC F111/3 0.417
3 6 片山義章 Team LeMans F111/3 9.085
4 M 11 HIROBON Rn-sportsF111/3 22.981
5 M 14 田中優暉 アスクレイ☆イーグルスポーツ 23.057
6 M 7 畑享志 A-NeKT F111/3 27.061
7 M 34 三浦勝 F111/3 30.414
8 M 45 辻子依旦 PONOS Racing 36.729
9 M 29 井出靖司 RS イディア Eagle F111/3 37.816
10 M 18 YUKI NILZZ Racing F111/3 38.619
11 M 23 YUGO S2R Racing 1:19.206
M 3 大草りき Sutekina Racing DNF

ファステストラップ:小山美姫 1分38秒966(10周目) 166.0kph

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