レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

国内レース他 ニュース

投稿日: 2022.09.09 23:46
更新日: 2022.09.13 23:50

KTMS 2022スーパー耐久第5戦モビリティリゾートもてぎ レースレポート

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


国内レース他 | KTMS 2022スーパー耐久第5戦モビリティリゾートもてぎ レースレポート

KTMS KOBE TOYOPET MOTOR SPORTS

ENEOSスーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook
第5戦 もてぎスーパー耐久 5Hours Race

2022年9月3日(土)〜9月4日(日)
モビリティリゾートもてぎ(栃木県)
入場者数:
9月3日 7,300人
9月4日 10,000人

ハンデにより本来の速さを失う
トラブル発生も表彰台を死守

FREE PRACTICE
 第4戦オートポリスでは、天候とレースの流れを味方につけ優勝し、負けなしの3連勝を飾ることに成功したKTMS。4連勝をかけ挑む第5戦の舞台は、今季から名称が変わった栃木県のモビリティリゾートもてぎだ。KTMSにとっては、ST-2クラスに参戦を開始した2021年の開幕戦で、嬉しい初優勝を飾ったコースだ。

 とはいえ今季も優勢に運べるかと言えばそんなわけでもない。混戦のST-2クラスではワンミスで優勝が遠のいていく。さらにウエイトハンデも厳しくなっていた。週末へ向け万全を期するべく、チームは9月1日(木)の特別スポーツ走行でセットアップを開始した。曇り空でバンプコンディションではあるものの、非常に蒸し暑いなかでの走行となった初日は、平良響は少ない走行で終え、荒川麟と奥住慈英の習熟を重点的に進め、ふたりが満足がいくセットアップを見出していった。

 明けた走行2日目となる9月3日(金)は、午前10時45分からグループ1の専有走行が予定されたが、朝からもてぎは雨模様。時折強くふり、フルウエットとなっていた。

 そんなコンディションだったが、KTMS GR YARISは走行を前にしてクラッチの交換を実施。走行
終盤にクラッチのチェックとウエットタイヤの確認を行うべく周回を行った。

 専有走行の後もてぎは雨が止み、午後2時から全クラス混走となる2時間のセッションが行われたが、途中ST-5クラスの車両がS字でクラッシュ。長い赤旗中断となってしまった。走

 ただ走行は残り45分から始まったが、走行中再度クラッチの不調が発生。チームは予選に向けてトラブル解消にあたった。

QUALIFY
 予選日となる9月4日(土)のモビリティリゾートもてぎは曇り。この日午前10時から行われたウォームアップで前日に起きたクラッチのトラブルが修復されたことを確認し、午後1時にスタートした公式予選に臨んだ。

 Aドライバー予選を担当した平良だが、いざアタックに入ろうとしたところで、ウォームアップを行っていたの車両と交錯。平良にとってはストレスが溜まる予選となってしまい、2分08秒275というタイムで5番手となってしまう。またBドライバー予選の荒川も2分08秒071で4番手という結果に。予選でライバルに先行されることは多いが、ハンデが効いていることを感じさせた。合算ではクラス6番手と、今季最も苦しいグリッドとなった。Cドライバー予選では奥住が決勝を見すえながら2分09秒524を記録し、チームは決勝への巻き返しへ準備を進めていった。

RACE
 迎えた9月4日(日)の決勝レース。薄曇りのなか、午前11時から5時間の長丁場となる決勝レースがスタートした。KTMS GR YARISのドライバーを務めたのは平良だ。3周目に2分11秒878というベストタイムを記録するも、前日の予選でもそうだったように、今回75kgのウエイトハンデを積んでおり、KTMS GR YARISは平良をもってしても序盤は我慢のレースを強いられた。前方では今回好調の#743 シビックと#59 WRX STIが他クラス車両と競り合いながら走行を続けており、これを追う展開に。平良はタイヤをセーブしながら15周目にペースが落ちた#743 シビックをパス、21周目に#59 WRX STIをかわし、3番手に浮上する。ただ、この時点でクラス首位の#6 ランサー、#13 GR YARISとは差がついており、この差を縮めるべく走行を続けた。

 平良は35周を終えピットインすると、奥住にステアリングを託す。フロントタイヤのみを交換しピット作業時間を短縮すると、給油に時間がかかってしまう#6 ランサーを逆転。2番手に浮上した。奥住のスティントはペースも良好で、トップの#13 GR YARISとのギャップを少しずつ縮めていくことに成功した。

 奥住は2分12〜13秒台のタイムを並べ続け、きっちりと自らのスティントをこなし、63周を終えピットイン。この頃になると優勝争いは#13 GR YARIS、そしてKTMS GR YARISに絞られつつあり、追撃に期待を込めて荒川を送り出した。ただ、コンディションの変化によるものか、このスティントで荒川はタイヤが厳しい状況に陥ってしまい、いまひとつペースを上げられないままとなってしまった。

 そんな状況に追い打ちをかけるかのように、今季ほとんどなかったトラブルがKTMS GR YARISを襲ってしまう。102周目、ピットインを予定していた荒川が5コーナーからS字にかけての区間を走行していたときに、突如パワーダウンを感じてしまう。ガス欠のような症状だが、燃料のメーターにはまだしっかりと残っていた。荒川はなんとかKTMS GR YARISをピットまで戻したが、ここで6分近くをロスしてしまった。チームは緊急ピット作業を行い、荒川からふたたび平良に交代したが、これで#6 ランサーにふたたび先行された。

 平良に交代した際に十分に燃料を補給したところ、トラブルは再発せずKTMS GR YARISはペースを取り戻し、ふたたび2分13秒台のラップに戻すことができたが、トラブルでレースを失うことを避けるべく、ゴール直前に再度燃料を給油。最終的な結果は3位となった。なんとか表彰台圏内を死守することができたものの、連勝はここで途絶えてしまった。

 レース後検証したところ、燃料系統にトラブルがあったことが濃厚だった。ただトラブルがなかったとしても、今回優勝した#13 GR YARISまでは届かなかった可能性も高い。トラブルの再発防止、そして今回ペースがいまひとつ伸び悩んだ原因を探らなければならない。

 とはいえ、全戦全勝はレースの世界ではあり得ない。幸い、チャンピオン争いのリードはまだ保っている。残すは2021年も優勝を飾った岡山、そして第1戦も制している鈴鹿の2戦だ。KTMSは今回の3位を再浮上へのチャンスとし、チャンピオン獲得へ向けふたたびギアを上げていく。

2022スーパー耐久第5戦もてぎ KTMS GR YARIS
2022スーパー耐久第5戦もてぎ KTMS GR YARIS

DRIVER’S VOICE
平良 響  HIBIKI TAIRA

「今回は75kgのウエイトハンデが乗っていたので、専有走行からライバルと比較するとタイムが厳しく、レースでも状況は同じで、1周1秒近いビハインドがありました。ここはピットタイミングや作戦で逆転するしかないと考え、うまく進められていましたが、クルマにトラブルが出てしまいました。最終的に3位という結果になりましたが、それ以外は大きなミスもなかったですし、最低限のポイントだと思います。シリーズを考えれば大きな結果になったのではないでしょうか。次戦ライバルもウエイトが載りますし、チャンスととらえ岡山でまた優勝したいです」

荒川 麟  RIN ARAKAWA
「公式予選までは順調に進められていたと思いますが、決勝レースは優勝した車両に比べても全体的にペースが伸び悩んでいました。次戦に向けてしっかりと原因を探り、改善することができれば結果は自然とついてくると思っています。まずはそこをはっきりさせたいですね。トラブルが起きたときはもともとピットに入るタイミングでガス欠の症状が出たのですが、どうやらガス欠というわけではなさそうですね。この点も原因を究明していきたいです。僕は得意・不得意なコースというのはあまりないのですが、次戦岡山もいつもどおりに戦えば結果はついてくると思います」

奥住 慈英  JIEI OKUZUMI
「悔しいですね。今週はクラッチトラブルがあり、1日目こそ走れたものの、その後はぜんぜん走れず、走行量が少ないままで予選に臨むことになってしまいました。ただもてぎは前戦と比べても比較的経験があるコースなので、そこは焦らず、決勝でも自分のペースで走りました。比較的良い調子で走れたのは良かったですね。残念ながらトラブルもあり、運がない週末になってしまいましたが、そんななかで3位表彰台を獲れたのはチーム力だと思いますし、すごいこと。これをポジティブにとらえたいですし、今週かなり走らせ方をつかんだと思います。次戦は絶対に勝ちたいです!」

2022スーパー耐久第5戦もてぎ KTMS GR YARISの平良響、荒川麟、奥住慈英
2022スーパー耐久第5戦もてぎ KTMS GR YARISの平良響、荒川麟、奥住慈英


関連のニュース