スペイン / アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ /
ゼッケンNo. :41
◆出身:スペイン
◆生年月日:1989年7月30日
アレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)はスペイン カタルーニャ州のグラノリェース出身のライダー。1989年生まれの30歳。同じくMotoGPクラスに参戦するポル・エスパルガロ(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)は2歳下の実弟で、兄弟仲のよさでも知られている。
アレイシは4歳からバイクに乗り始めると、10歳のときにはカタルーニャ州のエンデューロレースに参戦を開始。2002年からカタルーニャ選手権の125ccクラスで戦い、2003年にタイトルを獲得した。
2003年からはスペイン選手権(現FIM CEVレプソルインターナショナル選手権)の125ccクラスにも参戦を始めており、2年目の2004年には同クラスで最年少チャンピオンに輝いた。この年のロードレース世界選手権125ccクラス第16戦バレンシアGPにも参戦して、世界選手権デビューを果たしている。
アレイシは2005年より、世界選手権125ccクラスにフル参戦を開始。翌2006年はチームを移籍して125ccクラスで戦っていたが、チームの事情によりシーズン途中の第8戦オランダGPから250ccクラスへ参戦することになる。アレイシは、ここから2008年シーズンまで250ccクラスにフル参戦した。
2009年も引き続き250ccクラスに参戦する予定だったが、所属チームがエントリーを取り消したことでシートを喪失。しかし、シーズン途中でアスパー・チームを母体とするBalatonring Teamから2戦、代役として参戦して第7戦オランダGPでは4位入賞を果たす活躍を見せた。
こうした結果は、アレイシに2009年シーズン途中からのMotoGPクラス参戦をもたらした。このシーズンは4戦、ドゥカティのサテライトチームであるプラマック・レーシングから最高峰クラスを戦っている。250ccクラスへのステップアップ同様、アレイシはシーズン途中にMotoGPクラスへの昇格を果たしたことになる。
このとき、アレイシのゼッケンは『44』。現在彼が使用している『41』は他のライダーが使用していたのだ。今現在もアレイシがつけているゼッケンナンバー『41』は、憧れのライダー、宇井陽一に由来するという。なお、アレイシがこのとき使用していた『44』は、現在、弟ポルがつけているゼッケンナンバーである。
2010年シーズンはプラマック・レーシングからMotoGPクラスにフル参戦。しかし翌2011年はMoto2クラスに戻り、1シーズンを戦った。第5戦カタルーニャGPでは3位に入り、世界選手権における自身初の表彰台を獲得している。
2012年シーズン、アレイシはCRT(クレーミング・ルール・チーム)のPower Electronics Asparから、再びMotoGPクラスにフル参戦を果たす。CRTとは市販車をベースとしたエンジンを、オリジナルのシャシーに搭載したマシンで参戦する制度。当時の世界的な経済状況の悪化を受け、MotoGPクラスの参戦台数を確保する目的で新たに設定された参戦形式だった。
2012年、2013年シーズンのMotoGPクラスは、プロトタイプマシンとCRTの混走で争われていた。そうしたなか、アレイシは2年連続でCRTのライダーとしてトップでシーズンを終えている。
2014年シーズンは、CRTが廃止。代わってすべてのマシンに公式ECUのハードウエアの使用が義務付けられた。一方、ソフトウエアに関してはオリジナルを使用する場合ファクトリー、公式ECUのソフトウエアを使用する場合はオープンとなった。オープンの場合は、エンジンの年間上限使用基数や開発などに対して制限がゆるやかに 成っていた。なお、2016年シーズンよりソフト、ハードともにマニエッティ・マレリ製の共通ECUの使用が定められており、ファクトリーとオープンというクラスの分けはなくなっている。
アレイシはオープンクラスにあたるチーム、NGM Forward Racingからヤマハのマシンを駆って2014年シーズン、MotoGPクラスにフル参戦。第14戦アラゴンGPでは2位を獲得し、ついに最高峰クラスで初めてポディウムに立った。この年、弟ポルもモンスター・ヤマハ・テック3からMotoGPクラスにフル参戦デビューを飾っている。
2015年には、このシーズンからMotoGPクラスに正式復帰したスズキのファクトリーチームのライダーとして指名された。ここまでの経歴を見てもわかるように、平たんではない道のりを歩いてきたアレイシ。この年、ついにファクトリーライダーとなった。アレイシはスズキで2シーズンを戦い、2017年シーズンよりアプリリア・レーシング・チーム・グレシーニに移籍。グレシーニを母体とするアプリリアのファクトリーチームである。
2019年までの3シーズンは、トップ10圏内に入ることも厳しい状況が続いているアレイシ。ただ、2020年シーズンの開幕前のセパン公式テストでは、3日間のテストを終えて「明日(セパンで)レースなら、表彰台争いができるかもね。ただ、ここでレースをするのはシーズン終盤だけど」という明るいコメントも飛び出した。まずはコンスタントにシングルフィニッシュを重ねることが第一歩となるだろう。
(TEXT:Eri Ito)
■MotoGP通算戦績
初戦:2009年INP
初ポールポジション:2014年オランダGP
初ファステストラップ:-
初表彰台:2014年アラゴンGP
初勝利:-
優勝:0
2位表彰台:1
3位表彰台:0
表彰台:1
ポールポジション:2
決勝ファステストラップ:0
ワ-ルドチャンピオン:0
■MotoGP:2019年シーズン戦績
出場:19回
優勝:0回
2位:0回
3位:0回
ポールポジション:0回
バイク:Aprilia
獲得ポイント:63
ランキング:14位